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金曜日の怪人 ─生まれ変わった不滅の身体……俺がやらねば誰がやる!─  作者: 鰺屋華袋


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13/32

13. 警察組織の闇?

 ― カチッ ―


 沈黙が支配していた放射線診断室に時計の針の音が響いた。私も竹澤医師もつられて時計へと視線を向ける。


 針は深夜0:00を指していた。


 度重なる再検査でこんな時間まで待機する事になってしまったが……そろそろこの不毛なミーティングも終わらせたいところだ。


(なにしろ……どう考えても私の出番は無いしな)


「それで……患者と家族にはなんと?」


 当然だが症状の告知や手術の許可などを事前に求めていたはずだ。


「……現在は“症状に安定の兆しが見えるので手術に踏み切るかを検討している”とお伝えしています」


 確か彼女の父は警察庁でも指折りの高級官僚だったはずだ。勿論病院にとって入院患者に貴賎など存在するはずはないのだが……


(病院からすれば“医療過誤を疑われるのは甚だ拙い患者”なのは確かだな)


「では……脳神経外科主任の迫下先生はなんと?」


「その……私と大紋先生の判断に一任すると……」


 迫下の言葉を聞いた私は呆気に取られた。


「つまり……ご自分の保身以外には興味が無いと」


「それは……私にはなんとも……」

 

(なるほど……私が送り込まれるわけだ)


 確か迫下は(末端ではあるが)真聖会病院の経営者一族に連なる人間だったはずだ。病院側からすれば私の様な一()()をスケープゴートにする程度には庇護の対象という事なのだろう。


(一族の人間ならどれほど無能な人間であっても……か。うん、そろそろ真聖会に居るのも潮時だな)


「それで……大紋先生はどうするべきだとお考えですか?」


 どうするもこうするも無いじゃないか? ここは病院だ、傷病人以外に用はない。


「起こった事をそのまま説明して退院して頂くしかないでしょう。まさか健康な身体にメスを入れる訳にはいかないですし……」


「やはり……そうするしかありませんな」


 結局──竹澤と私はいくつかの検査と経過観察を終えたら……彼女を退院させると決めた。


 もし……迫下が誤診で責任を追及されたら? 


(ハッ、そんな事は私の関知するところでは無いさ。なにしろ私はこの病院に来て()()()()()()()んだからな)


――――――――――


 ― キンコンッ ―


「こんにちわ! 久宝君はご在宅でしょうか?」


 ……真壁刑事? どうしてまた??


 玄関ドアから呼び鈴と共に聞こえたのは昨日も家をたずねて来た真壁刑事の声だ。


(なんだ? 昨日飲ませた()がやばかったのか?)


『心配すんな。あれで()()()()が治癒しないなんて事は万に一つもねぇよ』


 根菜類はあい変わらず昨日と同じ窓際で光合成をしている。


 ― キンコン ―


「はーい……」


 俺は乾いた洗濯物を畳んでいたのだがそれを中断して玄関へと向かった。


 「……何のご用でしょうか?」


 俺が玄関を開けると……そこにはなんとも申し訳なさそうな顔をした真壁刑事と、五十代くらいのダークグレーのスーツを着た男が並んで立っていた。


「……初めまして。突然の訪問で恐縮ですが、わたくし真壁俊太郎と申します。このバカ娘と……入院中の真壁楓子の父親です」


 ……きれいなお辞儀だ。こんな世代の人間が俺みたいなガキにする様な代物じゃない。


 が、それはそれとして……


「初めまして。ご丁寧な挨拶痛み入ります。おっとそうだった! 申し訳ありませんがこのあと外せない所用があったんだ……」


 俺は全速力でドアを閉め……


 ― ガッ!! ―


 る事は出来なかった。ドアに靴を挟む奴はあらゆるメディアでごまんと見てきたが……


(おいおい……アンタの靴は何で出来てるんだ?)


 俺の力に負けてドアがひしゃげそうになってるのに……真壁父の靴は変形する気配すら見せない?!

 

「恐縮ですが少々お邪魔させていただきたい。お時間は取らせません」


 真壁父がドアに掛けた手に力を込めた。


(……おい! ノブが壊れる!!)


 ドアノブを掴む俺とドアを掴む真壁父の攻防は……ドアノブが悲鳴を上げ始めた事で俺の負けに終わった。


 俺は力を緩めてドアを開けた。


「どうぞ……狭いところですけど」


「申し訳ありません。これはつまらない物ですが……」


 手渡された紙袋から出てきたのは……


(手土産に虎◯の羊羹って……センスが昭和なんだよなぁ。まぁ羊羹は好きだけどさ)


―――――――――


 真壁刑事とその父親は、昨日と同じくキッチンの椅子に並んで腰掛けた。昨日まで来客なんてただの一人も来たこと無かったのに……


「で……お話とは?」


「その前に私と彼女の関係をご説明差し上げた方が良いでしょうな」


 そう言った父親が差し出した名刺にはいくつかの肩書が書き連ねられていたが……その中で一番俺の目を引いたのは、

 

 ― 警察庁次長 ―


 と書かれた箇所だった。


(おいおいこの人……マジもんの高級官僚じゃないか!)


「お察しいただけるかと思いますが……彼女(真壁刑事)とは親子関係という以前に警察組織という枠組み上、上司と部下の関係なのです」


 だろうな。


「この際ですのではっきりと申し上げれば……昨日、彼女がこちらに訪問して久宝君に対して行った捜査活動はほとんど違法すれすれの行動であり……また詳細な解析の結果“()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()”事が分かりました。よって……今後、久宝君への捜査は行われない事が決定しました」


 俺はその説明を聞いて無言のまま考え込んでしまった。


(つまり、俺への疑惑は完全に払拭された……って事でいいのか?)


 いや、それはおかしい。そもそも()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。


(だいたい、俺みたいなガキにそんな事をわざわざ説明しに来た? こんな大物が?)


 それこそあり得ない話だ。


『お前はあれほど神経質なくせに人の機微には本当に鈍いヤツだな。あのな……つまり、そのオッサンは“自分の娘を助けてくれた見返りに、お前を事件の容疑者から完全に外す”って言ってんだよ』


 あっ……なるほど。確かに証拠の紛失による

捜査の中断よりは、よほど自然な形で容疑者圏外へ外れる事が出来そうだ。


 とはいえ……


(俺が言うのもなんだが……警察官僚がそんなんでいいのかよ?)

 今回も読んで頂き誠にありがとうございます。


 今回も少し短めなのですが……どうもここしばらくは会話劇の様相を呈しております。


 多少読みにくい所もあるかと思いますが……何卒ご容赦下さいますようお願いいたします。m(_ _)m


……次回の更新にご期待下さい!


 そして、読者の皆様には毎度の面倒事とは思いますが……


 もし少しでも興味を持ってもらえましたなら……


 イイネ、ブックマーク、☆評価、感想など……どんな反応でも嬉しいです!


 是非応援のほど……よろしくお願いいたしますm(_ _)m

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