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タミーナフ治世緑 第三部第一章

聖王タミーナフ、魔の扉を閉じ、魔を統べし者。

一〇二四の魔神を調伏し、その力を束ね、魔の秘奥に辿り着きしもの。

その十指には、その究極が宿り、何人もその知恵を測り知ることはできない大賢者。


しかし寛容なる我らが王は、その叡智を民草にも平等に分け与えた。

はじめ、彼は、ファイオファートより流れし、呪われた民に、その知恵を与えた。彼のものたちは、魔に近い存在であったために、その知恵をすぐに身に着けた。


次に賢君は、彼らをその王国中に散らばらせ、各地に学び舎を建て、そこで教鞭をとらせた。タミーナフが教えた百の者たちが、それぞれ百の者に、その知恵を授ける。

我らが聖王の計略通り、王国には瞬く間に魔の知恵が広がっていった。彼らの多くは、神の言葉をすっかり忘れ、力を失った人々である。弱きものが知恵を通じて、力を手にした。魔の尖兵に怯えるしかなかった人々でさえ、わが身を守る術を身に着けた。


これぞ聖王タミーナフの国である。大王の統治ではならぬ。英雄の先導ではならぬ。

第一の神纏いしもの、カドックの子を誰が覚えているのか。

第二の神纏いしもの、ファムーンは、その王朝最後の王となった。

偉大なる王亡きあとに、国を治める名君は現れぬ。

護国の英雄亡きあとに、民を守る勇者は現れぬ。

ゆえに、タミーナフは、万人を知者とし、万人を戦士とするを良しとした。

それが国家を繁栄させ、そして永遠の宮城の基礎を築くのだと。


タミーナフが魔の知恵を授けたことで、人の世は変わった。人は互いにその知恵を分け与えあった。もはや国民すべてがタミーナフの教えに耳を傾けた。

貧者は富豪と学友となり、賤民は貴人と共に宴を開く。人と人を切り分ける古の掟は過ぎ去り、万人は兄弟としてその手を取り合い、並び立つ。


これぞ賢君タミーナフの政である。血に階位をつけてはならぬ。富を集めてはならぬ。

呪われし民と初めから手を取り合えば、ファイオファートは滅ばなかっただろう。

欲深きヌビウスがいなければ、第三の神纏いしものが世に光をもたらしただろう。

民の争う地に、良き祖国は築かれぬ。

強欲の栄える地に、善導は説かれぬ。

ゆえに、タミーナフは、万人を盟友とし、万人を兄弟とするを良しとした。

それが国家を繁栄させ、そして永遠の宮城の基礎を築くのだと。


これにてタミーナフの国造りは相成った。人よ讃えよ。これは聖王タミーナフの誇る、万の事績の一つである。

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