リザルト:SSS
地球の裏側との遠距離恋愛がうまくいかないのは当たり前だし、司法試験の予備試験に受からないのも当たり前だ。僕が特別なにもしなくとも、彼らは研究室の「腐ったみかん」に足を引っ張られて破滅するだろう。
大学の卒業式。大学院に行かない学生たちは学生生活最後の日と言って感極まって泣いている。どうせ社会人になっても社会人サークルとか合コンとか、青春の延長みたいなことをするくせに。この世の終わりみたいに泣いてる人や大声を出している人がいた。大学三年時のセミナーで、陽キャと距離を置けずすっかり冷笑系のチー牛キャラになった元草食系男子の僕はそういう学生たちを遠目に見ている。
「そういや僕チーズ牛丼って食べたことないや。」
大学の終業式が終わった後、これから家族との夕飯を控えているというのに大学の近くで牛丼屋でチーズ牛丼を食べてみることにした。
「プリンもあるんだな。」僕はプリンも気になった。
「プリンはやめとこう。」さすがにすこし重いと思ってプリンは我慢した。
店内には僕と店員さんの二人しかいない。
「チー牛って意外と普通だったな。」結局何がそんなに面白かったんだろう。
「洗濯機の音ゲーもやってみようかな?」誰かの作った流行に、遅れに遅れて参加してみる気になった。音ゲーには「界隈」というものがあるらしく、いくら見た目がチー牛だからと言ってすぐ仲間と認めてくれるわけではないらしい。
僕は近くのゲームセンターに入ると洗濯機の音ゲーは置いてなかった。
家に着くと、まだ夕飯の時間ではなかったので、僕は僕の部屋に行く。
音ゲー界隈の雰囲気をSNSでチェックしてみる。
「ゲーマー同士の中傷が結構きつい感じ・・・。」なんとなく解っていたことだけど、
僕にはとても音ゲーマーは無理そうだ。リザルトドヤ顔ツイートとかは、憧れるけどね。
ご飯が用意されるまでの時間、僕は弾幕シューティングゲームをして時間を潰す。
「キャラデザけっこうかわいいよねー、これ。」
さて、僕の修士生活はどのような感じになるのだろうか。
音ゲー界隈に介入するくらい暇だといいんだけど、なんてね。




