試合と私
ちょっとだけ重いかもですが、これも過程なので。
はい、ということで今日が地区大会です。
ゴールデンウィークも終わっちゃったし、いよいよ試合。
「今日は1点でも多く取れるように頑張ろう。1年生は、今日はめっちゃ負けると思うけど、他のチームの良いところとか見て、1年後に今の私たちより強くなれるようにね。負けても気にせずいこう」
紫苑ちゃんの言葉からも分かるように、今日は全敗前提の日です。
まあね、他の学校には3年の部員がいますから。
やっぱり、身長も技術もパワーも、何もかも負けてますから。
自分の中学で負けまくるのは嫌だなぁ。
なんで地区1位と最下位が初戦なんだろ?おかしくない?
「頑張ってください、先輩。」
真子ちゃんからこう言われて始まった初戦です。
既に相手に大量に点数を取られています。
現在の点差は…24対0です。
もちろん、24点が相手です。
いや、なんというか…無理よ。
無回転サーブの動きは気持ち悪いし、なんとか拾って返しても、スパイクは強いし。
とか思ってたら、相手がサーブを打ってきた。
相変わらず無回転で、気持ち悪い動きをしている。
というか、こっちに飛んできてるじゃん!
その速度だとアンダーでしょ!
私がアンダーでボールを拾おうとしたら、思ったより飛んできた。
うっわ、なに今の上昇!?
ボフッ…トンッ、コロコロコロ……ピーーーッ!!!
「あっ」
その声は私だったか。それとも会場の全員だったか。
気持ち悪い挙動のサーブは、落ちるどころか最後に浮いて、私の腕ではなく胸に当たり、そのまま落ちた。
そして第1セットは相手の勝ちで終わった。
「えっと…の、希未。別に気にしなくて良いよ?私たちもいっぱいミスしちゃったし」
「そうそう、希未は悪くないからね」
「うん…ありがと」
皆が慰めてくれるけど、まあ悲しい。
「先輩…。」
「あ、真子ちゃん。えへへ、胸にボール取られちゃった」
「その…今のは仕方ないと思います。」
「かな?ありがとね」
そのあとの第2セットは12点取れたけど結局負けた。
他の試合も、惜しいところまでいけても、勝つことはなかった。
試合が終わった後、片付けをして、先生の話を聞いて、解散した。
誰も言ってこなかったけど、今日1番ミスしたのは私だった。
明らかに足を引っ張っていたし、相手からも狙われていた。
それでみんなが私を庇おうとした結果、出来た隙も狙われた。
「はぁ…」
家に帰ってからは…まあ泣いたよね。
下手なのも悔しいし、皆に迷惑を掛けたのも、何もかも悔しいし悲しい。
「…やめよっかな、私」
25対0はリアルにあった話です。笑っちゃいますね。




