第二話 運命のクラス発表
「ようやく着いたーーーーー!」
中学と高校の校舎間ってこんなに階段あったのかよ、と肩で息をしながらしかめっ面をした。
こんなの毎日って考えるとちょっと面倒だな、なんて思いながらふと右側を見ると祐司も同じように肩で息をしていた。
「中学と高校の校舎間ってこんなに違うのな」
祐司は驚いたように言った。
「そうだよな、俺も同じ事を考えたよ。」
それにしても校舎について少し時間が経っているのに、心臓の音がいつもより大きく・早く波打っている。どきどきどきとき。
理由はもちろん分かってるけど。
クラス替えが楽しみであり不安だから。
ああ、葵ちゃんと一緒のクラスが良い!そして出来れば祐司とも一緒が良い!
神「うるさい!お前はいつも声が大きいんだよ!」
・・・
(あ、あ、あった!!!1年B組!葵ちゃんと一緒だ!!!!やったぁぁぁぁ!!!
祐司とも一緒!よかったぁぁ!!)
心の中で雄叫びを上げると、見た目にも表れてしまうらしい。
もれなく祐司から「めっちゃ嬉しそうじゃないかよ!」と祝福をされてしまった。
「それにしても良かったなぁ」
小声で言ったつもりだが、嬉しさのあまりに少し声のボリュームが大きくなってしまった。
「葵ちゃんと一緒になれて良かったな!実際のところ、俺も翔平と一緒になれて嬉しいよ(笑)」
祐司も少し安心したような口調で言った。
「よし、じゃあクラスも分かった事だし1年b組に移動しようぜ!」
さっきまでのドキドキした気持ちは何処へやら、この世に辛いことなんてないんじゃないかと思うくらいのルンルン気分でクラスへ向かう。
後ろから追いかけてきた祐司が言った一言も全く気にならずに。
「それにしても、1年b組に一人知らない女の子の名前があったな。さっき見た美人かな。こりゃ翔平の今後が気になるな。何があっても味方でいるけど。」