第九話 これはどう考えても不可抗力
【注意】一話から五話まで書き直し、その際五つの話が四つに纏まってしまったので話数をずらしました。面倒なことをして申し訳ないです。ストーリーの流れはあまり変化ないけど、文章自体は結構変わっています。
次からは誤字脱字以上の改稿をせずに済むよう、頑張ります……!
マジかよ、手伝ってくれるかもしれない人ってこれ??
なんだか裏切られたような感じがして、生徒Bは音那詩の方を見た。
いや別に、悪い先生ではないんだけどさ?
なんていうか、別に親しいわけでも気に入られてるわけでもない先生と授業外、クラス外で会うのってなんか気まずいんだよな。
まぁつまり、休み時間中とか放課後とかどの先生とも会いたくないわけなんだけど。
生徒Bがなるべく気配を消そうと特技の景色同化を実行している間、音那詩シヲリは身寄りも戸籍もない勇者について話した。
うんうんと相槌を打ちながら丁寧に話を聞く和乃香先生は、どこか音那詩に似ているような気がする。
思いやりがあって優しくて、他人事でも真剣になってくれるところとか。
「それでこの子を連れてきてくれたんだね」
そこで、和乃香先生の視線は女子ふたりの後ろでカメレオンのように景色の一部になりかけていた生徒Bをとらえた。
「あら、君は誰か先生に用なのかな。よかったら呼んであげましょうか?」
いや連れです。
「この人はコウ先輩で、私たちに付き添ってくれたんです」
「そう、後輩思いのいい先輩ね。三年生は本当に頼りになるわ」
二年生だし、というかあなた担任ですよ?
前言撤回。この美人教師、最低だ!
「では、ここからは私が引き受けるわね! こういうのはよくあることだから、任せておいて!」
え、よくあることなの? 身元不明の勇者が転がり込むのが日常茶飯事なら、やっぱり主役じゃなくて正解だったわ。
この先に音那詩シヲリと生徒Bにできることはないようで、ふたりは勇者を先生に任せて帰ることにした。
連れなのか他人なのかよく分からない微妙な間隔を開けて歩いていると、正門のところで音那詩が振り返った。
「今日の夕飯はカレーうどんなんだけど、よかったら一緒に食べません? これから買い物に行くんだけど」
生徒Bは振り返った。ふむ、誰もいないな。
これはつまり……彼女も重度の妄想癖ということか?
「あの、コウ先輩?」
「えっ、あっはい……?」
「よかった! それじゃ、入れたい具材とかあったら言ってくださいね。あ、私いつもカレーにはバナナを入れるんですけど」
まずい、ただの返事を同意と取られてしまった!
これは断った方がいいのか……? あと今この人カレーになに入れるって??
引き返せないところまで話を進められてしまい、生徒Bは彼女について近所のスーパーに行くことにした。
ちゃっかり女子の、しかも後輩の手料理を振る舞われたいとかそういうことでは断じてない。
ただ、ここで断ればクズキャラとして一層モブキャラから離れてしまう。
これはそれゆえの自己防衛というかモブ保身というか、不可抗力なのだ。
そう、これは不可抗力なのだ!
言い訳ですがストックない状態で一から五話まで書き直していたので、今回は投稿数少なめです。
申し訳ない……次話もよろしくお願いします。




