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かくおの短い物語集

「ロストバーグの人達」

作者: かくお

ロストバーグの人達は、石をトントン叩いてる。

トンカチ片手にトンテンカンテン。


山に囲まれた小さな町ロストバーグ。

山から石を拾ってくる係の人もいる。

それを受け取りトンカチ係がトンテンカンテン。


石が平たく削れたら、運ぶ係の人もいる。

山を超えて隣町まで平たくなった石を運ぶと、お返しに色んな物が貰えるんだ。

食料や洋服や家の材料、新しいトンカチだって貰える。


それを持ってまた山を超えてロストバーグに戻ったら、それをみんなで山分けだ。

そうやってロストバーグの人達は暮らしている。


石を拾う人、石を叩く人、石を運ぶ人、仕事は全部で三種類。

ロストバーグの人達はみんなこの仕事をしている。


この石が何になるかは知らないから、なんで石を平たくするのかも分からない。

それでも、どんな石がよくて、どの位平たい石が具合がいいのかは知っている。


丁度いい具合の石だと、お返しも豪勢になるから、先祖代々長年の経験で良い物と悪い物が分かってる。


隣町の人達は、お金という物を使っているらしいけど、その使い方もなんとなく知ってるけど、ロストバーグの人達はなんでそんなメンドーな物を使っているのか理解できない。


平たい石を運べばご飯を食べられるし、キレイな洋服だって着れる。

お金なんて必要ない。


隣町の人はお金を使って人を動かしたりするらしいけれど、ロストバーグの人達はそんな事しなくても、お願いすれば動いてくれる人ばかりなんだから、やっぱり意味が分からない。


石を拾って叩いて運ぶ。

山に囲まれたロストバーグだから出来るのかな、他の町ではそれが出来ないからそんな事をしてるのかな。


ロストバーグに生まれて良かったな、この町の人はみんなそう思ってる。


そうだ、最近石叩きぱかりしてたから、明日は石拾いの人と交代してもらおう。

働いた後は酒盛りだ、楽しい毎日が今日も続いた。




おしまい。


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