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逃亡(5)

着いたのは一軒家だった。それも結構ボロい家でゴキブリとかゲジゲジとかムカデとかが普通にいるイメージ。


 みんなぞろぞろ中へ入っていく。

 俺はみんなに続いて中へ入った。


「お邪魔します……」


 家の中は大分荒れてた。玄関は靴が大量に乱雑に置かれそこら辺にお菓子のゴミ。しかもなんか動物の匂いがする。そう思ってたらヒョイと顔を見せる猫。それもかなり沢山いるらしい、あちらこちらに猫の姿。


 俺達は居間に通された。居間には知らない男が二人寝そべってスマホをイジる、


ーーこの家はどういう家なんだろ。なんか誰でもウェルカムだったり?


 ミホは畳の上に正座で座った。俺もミホに習って座る。


「なあミホ、さっきのアクタって人って」


「友達だよ」


「へぇ……」


 なんか……ミホの過去って以外と黒かったりしそうなイメージ。まあそれはいいとして、どうしよう。知らない人の家だ。何もしないで座ってるのって怪しまれるかな?


 なんとなくスマホを触る。メールが一件来ていた。そこには驚きの内容、


『ヒラクくん元気かな? 君に逮捕状が出てるみたいじゃないか。悪いことはするもんじゃないよ? 今日夕方6時のニュースを見てみな? キミが出てるから。ちなみに警察に情報提供したの僕なんだ。警察を動かしてるのも僕なんだ。そう犯人は僕なんだ。でも悪く思わないでよ? 悪いのはキミなんだから』


ーーやっぱりヨシオの仕業か!


 ヨシオはあの時甲府まで付いてきてたということか。そして、ミホを解放した理由がようやく分かった、俺を縛るためだ。Cfで変身出来るのは一人だけ、だからミホがいては足手まとい。ミホも逮捕状が出ている限り俺がミホを置いて一人で逃げるなんてしないと思ったのだろう。その通りだよ。


 これからは俺達vs警察ってことになるわけか……


「スマブラやるべ、スマブラ」


「えー、スマートブラザーズやるの? 私スプラトーンやりたい!」


 驚いたことに、ミホは楽しそうだった。こんな大変な時だというのに呑気なもんだ。

 痛い目を見なきゃ分からないのか? と相手がミホじゃなかったらそう言うだろう。


ーーしかし


 ミホの笑顔を見てるとなぜかとても安心した。今日、警察から必死に逃げて恐い体験したってのになぜミホは笑っていられるんだ。もしかしたらミホの作り笑いだとしてもおかしくない。


 なぜ笑顔なのか分からない、分からないけど、


ーーこの笑顔は、絶対潰してはいけないと


 そう思った。

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