計画(6)
「ところで知ってるかい? カオモジの正体って、実はおれなんだ」
え?!ーー
「お前が……カオモジだって?!」
「そう、おれ君達を観察するため未来から来たんだ。それなのに困ったもんだよ、企業に作らせたアプリだなんだで勝手なこと言っちゃって、撤回してもらいたいね」
ーーそんなこと言われても……
「ただお前がカオモジなら俺達のことは既に知ってるはずだよな?」
「うん勿論」
「なら俺の名前、知ってるはずだよな? 俺はまだお前に名前を教えてないけど、知ってるはずだよな?」
「勿論、君の名前は……森田ハナオだ!」
ーー違うし
「俺の名前はヒラク……さてはお前嘘ついてるな?」
目を丸くして『おぉ』とでも言っているような表情。馬鹿にしてるのか?
「なんとか言えよ」
「……バレちゃった?」
ケケケケケケケケケケケケケケケ……
高らかに笑う。何がおかしい。
「そう、おれウソツキなんだ」
ーーは?
頭おかしいのかコイツ、ウソツキとか自分で言う言葉かよ。
「それでーーなんだっけ? Cfを奪う? いいけどさ、なんか報酬貰えないとモチベ上がんないんだけど」
ーーなんのつもりだ、いきなり馴れ馴れしくなりやがって。いきなりそのテンションやり辛い
「分かった、Cfの入ったスマホを奪うことに成功したらそれはお前にやる。俺が持っても……」
ーー俺がCfを何個も持ってもそんなに有意義には使えないと思うから
「そう? でもそんなことしてキミは何を得するの?」
「監禁されている彼女がいるんだ。今までそれを理由に色々させられてきたけどCfが怖くて何も出来なかった。今回キミに依頼をお願いしたのはそのためだ」
「へぇー……罠って可能性もあるけど、キミの考えに乗ってあげる。その代わりキミのCfを預からせてもらう、それが条件だ」
ーー!
「おれはわざわざ敵の陣地に足を突っ込む訳だ。それくらい当然だろう?」
Cfなんて今までそんな使って来なかったし渡す分には別に構わないが……
「大丈夫。スマホ奪ってそのまま逃げたりしないよ?」
ーーその言葉は嘘か否か
しかしここで戸惑っていてもしょうがない。折角4人目の所有者、ユウタとコンタクトを取れたんだ。ユウタは俺に協力すると言っている。、信じるしかない。
俺はポケットからスマホを出しユウタに向かって差し出した。
「ありがとうヒラクちゃん。これから頑張ろうね」
俺はヨシオからミホを取り戻すため、ユウタを名乗る男と協力することになった。