成績
「ジークもういいか。これでもまだ、彼女が私の婚約者としてふさわしくないと言うのか」
ルーク様がジーク殿下に言いました。
「彼女の容姿が本当は綺麗で、魔力を持っているというのはわかりました。しかし、彼女が学園での成績はどうするのですか」
「ああ、それか。そのことも大丈夫だ」
そう言うと、ルーク様はお父様に目で合図を送りました。
「ステファの成績に関しては、学園で公表される順位をわざと最低ぐらいにして公表して貰っていたのだ。私が学園長に相談してな」
はい、そうです。お父様と学園長と交渉して、私の成績を下げて貰うようにしたのです。
「何故そのようなことを」
「理由を言えば面倒だからだな。私が学園長に、何かを言って成績を操作しているのではないかと言う噂を立たせないための」
「どういうことだ」
ま、それだけではなく、私という存在の価値をお父様が下げたかったというのもあるのですが。
お父様は、私を溺愛されているので、変な人物に目を付けられたくないと思っておられましたから。
「ステファは、学園の試験で満点以外を取ったことがない」
「「な!?」」
「これを公表すれば変な噂が絶対に立つからな」
ジーク殿下とラホリア嬢だけが驚きました。というか、陛下は、私の成績のこと知っておられたのですね。
「そういうことだ。ステファ嬢の成績に関しても何も問題はない」
「しかし、ラホリアをいじめたことはどうするのですかですか」
「そうよ。私はあなたからいじめられていたのですよ」
まだジーク殿下は、めげません。というか、そこまでして、私を殿下の婚約者にしたくないのですか。
「はあ。私は一切ラホリア嬢を見ていじめていませんから」
「そんなの嘘よ」
「嘘ではありません。では、ラホリア嬢あなたはいついじめを受けていたのですか」
ラホリア嬢がいついじめを受けていたそれが私がいじめをしていない証拠になります。
「放課後よ。放課後、いつも放課後にいじめを受けていたわ」
「はい、では、私ではありませんね」
「なんでよ」
「なんでと言われましても、私はいつも授業が終わるとすぐに帰宅していましたから、私があなたをいじめることは、できないのですよ」
私を溺愛しているお父様から、授業が終われば即帰宅しなさいと厳命されてましたから。私がラホリア嬢をいじめるのは、不可能なのですよ。
「じゃあ一体誰が、私をいじめたというの」
「大方、あなたが殿下の側にいることを疎ましく思った私は以外の貴族令嬢方でしょうね。例えば、私があなたをいじめていたと証言したあの令嬢たちとか」
「そんな……」
殿下の婚約者となっていた私でさえいじめてくるような人たちですからね、あの人たちは。