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婚約破棄からの婚約

「まずはステファ嬢、そなたに聞く。そなたは今回の婚約破棄についてどう思っておる」


 どうと言われてもねー。


「どうとも思っておりません。そもそも私と殿下の婚約は陛下のお決めになった事ですし、私は殿下のことを愛してはいませんでしたので」


 うん、ジーク殿下は、はっきり言ってタイプじゃない。しかもあまり話す機会がなかったから、好きになる要因など一切なかったし。


「そうか。ではジーク、お前はどうだ」

「私はもともと彼女との婚約は反対でした。というより、早く婚約を破棄したかったです。

 なぜ彼女のような魔力もなく、頭も悪く、容姿も不細工な女と結婚しなくてはならないのかとずっと思っていたので、婚約破棄ができて良かったとさえ思っています」


 言ってくれるね、ジーク殿下。横のお父様が今にも殿下に殴りかかりそうな勢いです。というかめっちゃ怒ってる。


「はあ、そうか。お前がそういうなら仕方ない。だが、後悔しないのだな」

「後悔、そんなものするわけがないではないですか」


ジーク殿下は、陛下の言いたい意味が伝わらなかったようだ。


「分かった。お前とステファ嬢の婚約破棄を認めよう。それでいいな、バルドル」

「はい、分かりました」


 お父様は、平然と返事したように見えますが、お父様のことをよく知っている人であれば、その中に相当怒りの感情が篭っていることに気付くでしょう。実際、昔からお父様を知る陛下はお父様の返事を聞いて、冷や汗をかいています。


「これで正式に婚約破棄がなされて、ステファ嬢には、婚約者がいないということでいいですよね、父上」

「ああ、そうだ」


 今まで、私達の会話を聞くだけだったルーク様が口を開きました。


「では、」


 ルーク様は、私の元にゆっくりと近づいてきて、


「ステファ嬢、私いや僕の婚約者になってください」


 愛の告白をしてきました。


 そして、その答えは、私の中でずっと前から決まっています。


「もちろんです、ルーク様」


 私は、ルーク様に笑顔で返事を返しました。

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