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ソラ名誉男爵使用人軍団誕生

翌朝、侯爵邸の柔らかいベッドの上で気持ちよく目を覚ますと、寝ぼけ眼で部屋を見渡し、スタンバイしていたメイドさんを発見し、ビクッ!とすると、笑顔でスタスタスタと近寄ってきて、「侯爵様が食堂でお待ちです。お着替えをお手伝いいたします。」と問答無用で衣服を剥がれた。もう、何も思わんよ...メイドさんの楽しそうな笑顔だけが鮮明に記憶に残った。


食堂に着く頃には目は覚め、シャキッとして中へと入った。


「ソラ殿、よく眠れたかな?」


「はい。お陰さまでよく寝れました。」


「そうか、それは良かった。」


朝の挨拶を交わしてると、朝食が運ばれてきて、今日のメニューは侯爵邸で飼ってる鶏の卵のスクランブルエッグと、使用人が今朝、小川で釣ってきた魚と草原で採ってきた香草の焼き魚、そして、自家製の柔らかな白パン、後は農家から買った野菜のサラダだ。


朝食を終えると、侯爵様は王都へ向かうための執務の処理と引き継ぎをし、侯爵夫人は持ち物の整理と忙しいため、俺は、侯爵家の文官さんと与えられた屋敷を見に向かった。


侯爵邸から直ぐのところにその屋敷は建っており、敷地は石造りの壁で覆われ、鉄製の凝ったデザインの門を開けると、そこそこ広い前庭と侯爵邸程ではないが立派な噴水を中心としたロータリーがあり、屋敷は木造で白く塗られ、屋根は青色だった。

玄関から中に入ると、きちんと手入れされてるからか、埃がたまってるわけでもなく綺麗な状態だった。ただ、調度品の類いは一切なく、家具も少ない。

そして、間取りは入って直ぐの吹き抜けのホールを中心に右が応接室と使用人の控え室、厨房となり、ホールの左は応接室、倉庫、洗面脱衣室と風呂場になってる。ホールの正面にある階段を上ると、右に寝室が二つと、奥に談話室がある。階段の左には客間が二つと、執務室兼書斎がある。さらに、一階に戻り、応接室からバルコニーに出ると手入れされた庭があり、ガーデンパーティーくらいは出来そうだ。その庭を奥まで進むと使用人棟があり、10人くらいは住めそうだ。


ざっと見た感じ、直ぐに住めそうで、印象としては下位貴族向けにしては少し豪華な屋敷だな。といったところ。


そして、この家に住むに当たって、問題がある。それは、使用人が居ないことだ...うん。雇えばいいんだけどね?


と言うことで、侯爵様に相談したところ、手持ち無沙汰なメイドが一人、いるので、その者に相談してくれとのこと。そして、派遣されてきたのが、狐耳にフサフサの尻尾で巨乳で凄く仕草や表情も色っぽい狐獣人のメイドさんだ。

はい。好みです。超好きです。しかも、このメイドさん、明らかに誘ってきます。最初の挨拶が「初めまして、旦那様。ユリアと申します。これからよろしくお願いいたしますね?もちろん、夜の方も。ふふ」ですからね?何ですか?侯爵様、何か要求があるのですか?


まあ、そんな感じでユリアさんが来てくれたのですが、仕事の方も超優秀で、使用人も知り合いをうまく使って、直ぐに集めてくれました。具体的にはメイド(ユリアさん含む)3人。料理人1人。庭師1人。警備2人と最低限の人員で尚且つ、優秀な人を揃えてくれました。メイドさんは元王宮勤め。料理人は王都の有名店出身。庭師はこの道60年のベテラン。警備は王国騎士学校の卒業生のエリート。うん、凄い。一通り挨拶をしたけど、皆、俺がこれから出世すると踏んでやって来てくれたそうだ。あと、異世界人ってのも興味深いらしい。特に庭師のトマスさんと料理人のエリオットさんが興味津々だ。


あと、貴族になったので、家名が必要となり、元々、家名があったので、それを使うことになり、ミカドイン名誉男爵家となった。


因みに、これだけのことをユリアさんはたった1日で終えてしまった。優秀すぎるよ...

と言うことで、暮らせる環境が整ったので、今は執務室で今後の活動について考える。


まず、収入源は第12番鉱山の利益があるから問題ない。となると、今後、上がる爵位について。

たぶん、侯爵様は俺を大臣に押し上げて自分の勢力の地盤を固めたいんだと思う。これについては大臣がどんな仕事をするかによって変わってくるかな。因みに、ハウバッセン侯爵様は貴族議会副議長と言う貴族の議会で重要な職に就いてるらしい。最も、議会開催期間の間だけの仕事なので、そこまで忙しくない様子。


あと、この国には派閥があり、王太子を中心とした王太子派。第二王子を中心とした第二王子派。前々王の時に王女様が嫁いだノースランド公爵家を中心としたノースランド派。そして、最小勢力の王女派。以上の四つの派閥があるそうだ。王子と王女の三人は仲が悪いわけではないが、ノースランド公爵は王座を狙ってるそうで、過激な発言や行動がめだつそうだ。また、現宰相であることも大きな派閥を形成する要因となっている。

そして、ハウバッセン侯爵様はと言うと、王女派の貴族らしい。王女派の貴族には知識人が多く、少数精鋭と言った感じだ。


と、ここまでまとめてみると、王家はそこそこ良好。ノースランド公爵には注意って感じかな。俺はハウバッセン侯爵様の影響下にいるから王女派だな。たぶん、将来的には王女派は国王の側近達の知識袋として活躍する感じかな?王女自信も王座には拘ってないから、どこかに嫁ぐと思うし。


因みに、この情報は全てメイドのユリアさんが持ってきた。本当に何者?侯爵様の懐刀とかじゃないよね?

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