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子爵になりました

夜になると侯爵様が王城から帰ってきて、「国王陛下が明日の朝から謁見するため、準備しておくように。」と言われた。


翌朝は少し早めに起きて、ユリアをはじめとした侯爵家のメイドさん達に隅々まで磨きあげられ、ガゼット王国で定められている礼服に着替えて、侯爵様と共に王城へ向かうと、中へ入れてもらい、侯爵様は謁見の間へ俺は謁見の間の扉の前で待機となった。


ここまで来ると後は腹をくくるだけなのだが、やっぱり、国王様に会うと考えると腰が引けてしまう。まあ、礼儀作法のスキルがレベル100なので、表には出ないけど。


「ミカドイン・ソラ名誉男爵!」


謁見の間の扉が開かれると侍従らしき男性がこれから入室する者の名前を言い、謁見の間へと入室し、指定された位置で跪いて頭を垂れる。


「表をあげよ。」


優しそうな声にしっかり威厳を含んだ声で国王は言い、表を上げると。白い髪に立派な髭を蓄えた優しそうな表情のお爺さんがいた。


まんまサンタクロースだわ...


「そなたがセシリカ市の鉱山を甦らせ、王国の危機を救った者か。若いのう。歳は幾つだ?」


「12でございます。」


「ほう。まだ成人しておらんかったか。優秀な若者だ。」


「ありがとうございます。」


「余はそなたのような優秀な若者が未来を担うと考えている。それはこの王国だけのことではない。きっとそなたはどこに行ってもその力を認められ、未来を担う人材となる。それを承知の上でこのガゼット王国でその力を発揮してくれぬだろうか?余はその活躍を応援する。」


この王様、「ここにいろ」とも言えるだろうに頼むのか。あと、期待しすぎです。何だか重いです。でも、こんな人の下なら力を使ってもいいと思う。


「は。一生懸命、ガゼット王国のために尽くす所存でございます。」


「うむ。余は嬉しく思う。では、そんなミカドイン名誉男爵には国の危機を救った褒美として、子爵位と白金貨20枚を授けよう。そして、貴族議会副議長補佐の役職に任命する。これが任命書だ。」


そう言うと侍従の人がトレーに載せた任命書と白金貨20枚を持ってきた。


「慎んでお受けいたします。」


「うむ。では期待しておる。ミカドイン子爵。」


「はっ。」


無事に謁見は終了し、控え室に行くとハウバッセン侯爵様が待っていた。


「ソラ殿、子爵に叙爵されたな。おめでとう。」


「ありがとうございます。それと、貴族議会の副議長補佐に任命されたので、侯爵様の元で頑張らさせて頂きます。」


「うむ。ソラ殿のような優秀な部下ができて満足だ。期待しておるぞ?」


「はい。」


話し終えると王城を後にして、侯爵邸へと戻り、ユリアに子爵に叙爵されたことと、貴族議会副議長補佐という役職に任命されたことを伝え、子爵邸の購入をお願いしたら、既に何件か案を纏めていたようなので、セシリカ市にある屋敷を拡張したような似た屋敷を購入することにした。


それから数日で使用人を雇い、家具を購入し、引っ越しが完了した。侯爵夫人には「落ち着いたら招待してくださいね?」と言われ、今はお披露目パーティーの準備を行っている。

お披露目パーティーは子爵位に叙爵されたことと、屋敷を購入したことを報告するためのパーティーで、必ずしないといけないらしい。

因みに、パーティー前日に服は完成したので、自前の服でパーティーを開くことが出来る。






そして、パーティー当日、王都にいる貴族全員に招待状を送ったので、かなりの人数に挨拶に回らないといけないことになった。それでも国内の貴族の1割ほどしか来てないそうだ。これが貴族議会の開催期間なら大変なことになっていた。


パーティーの参加者は4割が【フクロウの会】の貴族達で、5割が興味本位。1割が敵情視察と言った様子で、全体的に爵位も低く、一番高位の貴族がハウバッセン侯爵さまだった。パーティーは穏やかに進んでいき、無事に終えることができた。


「旦那様、お疲れ様で御座いました。」


「うん。疲れたよ。特に、婚約しないかと迫られたのが困った...」


12歳で子爵位を得たとなれば、少しでも優秀な人を取り込みたいと思ったのか結婚の申し込みが後を断たなかった。


「まあ、侯爵様が止めてくれたから助かったけどね。」


ハウバッセン侯爵派の人間だとわかればほとんどの人達が退散したので助かった。


「じゃあ、もう休むよ。ユリアもお疲れ様。」


「ありがとうございます。お休みなさいませ。それと旦那様、夜は鍵を開けておきますので、好きなときに来ていただいても良いのですよ?ふふ」


「な、何を言ってるの!?」


「ふふ、旦那様、可愛いです。」


妖艶な笑みで言うとドアを閉めてユリアは去っていった。本当に誘ってるの!?

この日の夜は気になってしまい寝るに寝付けなかった。


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