第3話 制服販売
二日後、退院した俺は学校指定の制服販売に来ていた。
退院後もクエストとやらは何個か新しいものが出ていた。
具体例で言えば、
・fast books池袋店に行き岡村智に話しかける
・渋谷に行き楓谷泰三に会う
など具体的な場所や人物名が出ていた。
…ちなみにこの男逹はもちろん主要人物ではないが、暁誠一の学生生活において重要な人物になるらしい。
こうして俺の貴重な春休みをジリジリと削っていき、空き時間に必死で予習をしていると新しくクエストが舞い込むと言う非健康的な生活を送っていた。
もしこの調子で新学期を送るのならば、顔が元に戻っても青春度は変わらないのだと確信を得ていた。
※青春度…いかに短い学生生活でどれだけそれを満喫出来たかの数値。単位はアオハル。
何が悲しくて会ったこともないやつにここまでせにゃならんのかと自問自答を始めた今日の朝、それは出現した。
*発生中クエスト
・制服販売に行く。
これまでにない、詳細が判別しないと言うものに、警戒心を高めていた。
そこに誰がいるのか調べようともどうにも教えてくれないのだ。
しかも既に制服は取ってきてあるしそう言えばほんのり頭が痛い気がする。
そうだ休もう別に一個くらい構わないさ…
「裕介ー?制服のベルト無いからあんた暇でしょ、行ってきなさい!」
….':*・(^ω^`)グハッ!
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こうしてベルトのために(クエストはあくまでもベルトのついででありクエストのためではない)制服販売で自分のベルトを引き取りに来ていた。
いかにも老舗な店構えの、引き戸を開けると少し独特な匂いがする。
男子の制服はブレザーで、デザインは理事長だそうだ。
…男子生徒の入学から理事長の提案でしたっけ、なかなかアグレッシブっすね
「すみません…」
ここに入る前から気付くべきだったのだ、クエストが発生したと言うことは何かしら動きがあると。
中の人影を見た瞬間、いきなり水色の画面が出現し、そこには驚くべきことが書いてあった。
*主要人物
三名
・高崎綾音
・櫻田紅葉
・暁誠一
…マズイ…コイツは…ひっじょーに…マズイッ…!
最初の鳳さんだけであのキャラの濃さなのだ、暁(まだ見たことすらないけど)に追加で天之川の女子二人、最初から修羅場の可能性すらあるッ…!
ここはしょうがない、一時的に撤退を図るッ!既に店には到着済み、ここでサブターゲット達成で帰還せねば…!
(ピコン)
*発生中クエスト
・今すぐ中に入りベルトを引き取る。
…。
…ご先祖様、私ストレスでそっちに行きそう…いえ、逝ってしまいそうです…
めっちゃ短い?
安心してください、次話何としてでも増やしますので許してください