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9 家出のわけと…

 日が暮れていく森を、わたしは恐る恐る歩きました。

 宇佐美さんたち、どこまで逃げて行ってしまったのだろう…。


「ありすさーん!!ここでーす!!」

 声のする方を見ると、宇佐美さんとお姫様がいました。二人とも大きなケガはしていないようです。

 わたしが駆け寄ると、お姫様が不思議そうな顔をして宇佐美さんに尋ねました。

「宇佐美、この方は?」

「私と一緒に姫様を助けてくださった、ありすさんです!」

 わたしはあわててあいさつをしました。

「はじめまして!あなたがお姫様ですか?」

 緊張してしゃべるわたしとは逆に、お姫様は落ち着いていました。

「ええ…ありすさん、助けてくれてありがとう」

「いえいえ…」 

 お姫様に感謝の言葉を言われて、わたしは照れくさくなってしまいました。

 そして、一つ疑問がありました。わたしは思い切ってお姫様に聞いてみることにしました。

「お姫様、どうしてこんなことになってしまったんですか?」


 少し間をおいて、お姫様は答えてくれました。

「私、聞いてしまったの…おじい様がそろそろ私にお城のあとを継がせたいと話されているのを……おじい様みたいに一人でこの国を治めるなんて、私にはできませんわ!自信がありませんもの!………だからお城から逃げ出しました。…そしたらあの者たちに捕まってしまったのです…」

「姫様は、独りじゃないですよ!」

 宇佐美さんが強く言いました。

「私でよければ、いくらでも力になります!…さっ、お城へ帰りましょう!長老様が待っています!」

 その言葉に、お姫様は勇気付けられたようでした。

「宇佐美…分かりました。お城へ帰りましょう」


 これでめでたしめでたしです。

 わたしもそろそろ帰らないと…。

「宇佐美さん、わたし、人間界に帰ります。約束どおり、元に戻してください」

「寂しいなぁ…でも仕方ないですね!」

「わたし、宇佐美さんのおかげで強くなれました!ありがとうございます!…お姫様、頑張ってくださいね!」

「えぇ…!いろいろありがとう」

 そう言ってお姫様は、手を差し出してくれました。わたしはお姫様と握手をしました。そして宇佐美さんとも…。

 

 いよいよ別れのときがやってきました。

「ではいきますよ〜…えいっ!」

「さようなら〜」

 わたしは力いっぱい叫びました。


***   ***   ***


「ありす!起きて!」

 体を揺さぶられて、わたしは目を覚ましました。

「あ、お姉ちゃん…わたし、戻ってきたの?」

「ありす、何言ってるの?」

「ねぇ、わたし、わる子みたいな顔してる?」

「えぇ!?もう、さっきから何言ってるの!心配なら鏡で見てみれば?…はい」

 お姉ちゃんから借りた鏡で自分の顔を見ると、わたしの顔は、もうわる子のような顔ではなく、いつものわたしの顔に戻っていました。

「戻ってる…宇佐美さん、ありがとう!」

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