5 森へ
「長老様!!安静にしていなければダメじゃないですか!!」
この人が、さっき宇佐美さんが言っていた長老様か…。
ものすごい勢いで走ってきたから気づかなかったけれど、よく見れば、長老様はもうよぼよぼのおじいちゃんでした。
一体どこからさっきのように走れるパワーが出てくるんだろう…。
「わしのことはどうでもいいんじゃ!!それより、姫が…姫が…盗賊にさらわれたのじゃ!!」
「なんですって!?」
「詳しくは、この手紙に書かれておる…」
長老様が差し出した手紙を宇佐美さんと一緒に読みました。
「お前の孫は預かった。返してほしければ城中のお宝をもって。森まで来い。期限は今日の日の入りだ。もし来なければ、姫の命はない…!!?」
わたしと宇佐美さんは顔を見合わせました。
「宇佐美、この手紙の通りに森へ行くのじゃ!!」
長老様は持ってきた大きな荷物を宇佐美さんに渡しました。
「それが、この城の宝じゃ…頼んだぞ」
「は、はい…」
宇佐美さんは怯えていました。
何よ、さっきまでの強気はどこに行っちゃったのよ…!
「大丈夫よ宇佐美さん!私も一緒に行きますから!!」
その言葉に驚いたのは、宇佐美さんじゃなくて長老様の方でした。
「そなたは…人間界の方かのう…」
「はい!ありすって言います!」
「わざわざありがとう。この年寄りの代わりに、わしの可愛い孫を助けておくれ」
長老様は、優しそうな人でした。
この人を助けてあげたい…。
「分かりました!行ってきます!!」




