4 変身
あなた誰ですか?って、こっちが聞きたいです。
「…わたし、ありすって言いますけど…」
「なんだって!?申し訳ありません!私、人違いをしたみたいです!どうりで話が通じないわけだ!あはは〜」
どうやら、怖い人ではなさそうだというのが分かりました。でも、怖い思いをしてこんなところに連れてこられて、私はいやな気分になりました。
「笑ってないで、わたしを家に帰してください!」
「そうですね…ではこちらへ…」
よかった。これで家に帰れる…とわたしが思ったときでした。
「ぁ、ちょっと待った!これも何かの縁…ありすさん!私と一緒に姫様を探してくれませんか?」
その人の突然のお願いには、無理がありました。お姉ちゃんがいない間の留守番はわたしの仕事です。それに、お姉ちゃんが家に帰ってきたときにわたしがいなかったらきっと心配します。
「えー??お姉ちゃんが心配するから、早く帰りたいんですけど…」
「そこをなんとかお願いします!!私、この不思議の国で、長老様と姫様のお世話をしております、宇佐美と言います!!ありすさん、私と一緒に姫様を探してください!!お願いします!!」
宇佐美さんの必死なお願いを断るのはちょっと残酷のような気がしました。でも、泣き虫で頭が悪くてのろまなわたしに手伝えることなんて、きっとない…。
「宇佐美さん、ごめんなさい。わたしじゃ役に立てないわ…」
「結構頑固な方ですね…ならばこうだ!えいっ!」
宇佐美さんは、またステッキのようなものを私に向かって振りました。でも今度はどこに移動するわけでもなく、何にも変化しなかったように思いました。
「宇佐美さん…一体何を…」
宇佐美さんがポケットから手鏡を差し出してくれました。
鏡に映った自分を見て、私は驚きました。私の顔が、わる子そっくりに変わっていたのです!
「なんで私の顔がわる子みたいになってるの!?…こんなのいやぁ!!」
「ありすさん、元に戻してほしいなら、姫様を探してください!」
得意げな宇佐美さんを見て、ちょっと悔しい気持ちでしたが、わる子の顔のままで一生過ごすのは絶対にいやでした。
「分かりました…探します…」
「ありがとうございます!!」
「宇佐美ー!!大変じゃぁー!!」
わたしたちの元に、大きな荷物と杖を持ったおじいさんがものすごい速さで走ってきました。




