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2 ありすのおうちにて

 泣きながらのろのろ歩いて、わたしはようやく家に着きました。


「ただいま…」

 ドアを開けると、制服にエプロンという格好で、お姉ちゃんが掃除をしていました。


「おかえり、ありす!……って、またいじめられたの?」

 お姉ちゃんはいつでも明るくて気が利いて優しい。


「うん……どうしていじめられるんだろう…親がいないから?」

 そんなの関係ないって、本当は分かってるよ。でも時々、こうやってお姉ちゃんを困らせるようなことを言っちゃうんだ。

 

「親がいないことは関係ないわ!」

 わたしがただ甘えているだけだって分かっているのでしょうか。お姉ちゃんは私の言うことに決してへこたれることはありません。

 この強さが、私にもあったらいいのに…。


「あ!!私、バイトの時間だ!ごめんね!!ご飯、先に食べててね!行ってきます!」


 落ち込んでいるわたしに気を使いながらも、お姉ちゃんは嵐のように家を出て行ってしまいました。

 お姉ちゃんの抜けがらみたいに脱ぎ捨てられたエプロンだけが私の目の前に残っていました。

 誰もいない家。もう慣れたけど。

 私は重たいランドセルを下ろしました。


「すみませーん!開けてくださーい!!」

 ランドセルを下ろして一息つく間もなく、誰かが玄関のドアをどんどんとたたく音が聞こえました。

「はーい、今開けます!」


 このときはまだ、これから起こる不思議な出来事なんて想像もしませんでした。

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