1 ありすといじめっ子達
わたしはありす。小学生5年生です。パパとママは天国にいて、高校生のお姉ちゃんと助け合って暮らしています。
わたしは、勉強も運動も苦手。そのことでよくいじめられています。
今日、算数のテストが返されました。ここだけの話、わたしの得点は30点でした。
この数字にいまさら落ち込むことはないけれど、このことでいじめられるのはやっぱりいや。「またいじめられるのかな」って考えると、すごく憂鬱な気分になります。
だから今日は、学校が終わったと同時に、誰にも見つからないように学校を出ました。
「ちょっと!ありす!」
「ぅわっ!?」
なに!?まさか、この声は…!?
「あんた、またテストで30点取ったでしょ!あのテスト、そんなに難しかった?」
「全然ですよ!僕、あのテストで90点取っちゃいました!ありす君の3倍です!」
思ったとおり、いつもいじめてくるクラスメイトたちでした。最初に私に絡んできたのは通称わる子。そして合いの手を入れているのは、わる子のコシギンチャクで通称インテリ。
「俺、10点だった…へへっ」
わたしよりもおバカなこの子は通称チョロ介。インテリと同じでわる子のコシギンチャク。
チョロ介の言葉に、わる子とインテリがうんざりしてチョロ介をにらみました。
仲間割れ?…なら、今日こそは勝てるかもしれない。
「わたしより低いわ…」
「な、何よ!なんか文句あんの!?」
わる子の殺気が一瞬で伝わってきました。
「…とくに、ないです…」
なんでこれくらいで泣きそうになっちゃうのかな…泣きたくなんかないのに。
「まっ、僕にしてみれば『どんぐりの背比べ』ですよ。ありす君!」
イヤミったらしくインテリが付け足してくる。…泣くな。絶対に泣くな。
「そうよ!悔しかったら追いついてみなさいよ!…行こ!」
わる子たちは走って行ってしまいました。
その場に残っていたチョロ介が、最後に言いました。
「のろまだから、追いつけないと思うけど…へへっ」
そしてチョロ介も行ってしまいました。
チョロ介の言うとおりのろまなわたしが3人に追いつけるはずもなく、涙がぽろぽろと出るばかりでした。




