平和のクマ
今、沢山の人に読んでいただきたい内容です。
森をだれよりも愛した、ある優しいクマのお話です。
自然にあふれたこの森には、沢山の生き物が追いかけっこをしたり、一緒に木の実をとったりして、
仲良く平和に暮らしていました。
みんなこの暮らしを当たり前だと思っていました。
しかし、その平和な暮らしも長くは続きませんでした。
町に住む人間の戦いによって森が全て燃えてしまったのです。
森に住んでいた沢山の動物たちはもちろん、森をだれよりも愛していたクマはとても悲しみました。
なぜ人間は戦うのでしょうか。
どうすれば戦わなくなるのでしょうか。
クマは一晩中、一生懸命考えていました。
次の日、クマは朝早く人間の住む町へと歩いていきました。
そして、すべての武器をどんどん壊していきました。
クマはその姿を町の人に見つかり、遠くの森へと逃げていきました。
その日からその町の人は戦わなくなりました。
たった一匹のクマに沢山の人々が心を動かされたのです。
今では森も元の平和な姿へと戻りました。
そして、あの時来たクマをその町の人は「平和のクマ」と呼んでいるそうです。
「じゃあもう寝ようね」
そういうお母さんにうさぎの女の子はこう聞きました。
「その森は戻っていないよ。クマさんがいないもん。」
お母さんは、何もいえませんでした。