けだるい午後の憂鬱
近所にカフェ(not喫茶店)があります。
白を基調とした外観の小洒落た造りです。
若者が好みそうな雰囲気を醸し出しております。
今住んでいる所に引っ越して一年と少しになりますが、私は若者では無いので入った事がありませんでした。
興味はあったんですけどね。
今日、午後の予定が急に空いたので、する事が無くなりました。
よし!休日の午後を小意気に演出しようではないか!
あのカフェへ行こう!
演出するために小道具を用意します。
小道具。それは読む本。とても大事です。
下手に手ぶらで一人で入ると手持ちぶさたになります。
かと言ってオシャレなカフェに書籍、雑誌が置いてある保障はありません。
万が一置いてあったとしても、『FUDGE』『VOUGE』『装苑』とかのモード系オシャレ雑誌だったり、意味もなくフランス語しか書いてない風景写真集だったりしますので油断は出来ません。
では、オシャレなカフェで一体何を読めば良いのか?
本棚を眺めて悩んだラインナップは、
北斗の拳
メンズ校
fate
純情ロマンチ・・・おっと。
悩んだ結果
Grace Paley/村上春樹 訳
Enormous Changes at the Last Minute/最後の瞬間のすごく大きな変化
と、無難なものにしました。空気は読む方ですよ、ええ。
ちなみにタイトルをエキサイトにて翻訳してもらうと、
最後の瞬間にの巨大な変化(原文コピペ)
だそうです。
小道具も用意していざ出発。
ambivalent world【歌:神原駿河(CV:沢城みゆき) 作詞:meg rock 作曲:神前暁】を無意識の内に口ずさんでいたら、歌い終わる頃に到着致しました、と書けば距離は大体解るはず、と思い込んでます。
店内に入ると、20代後半位の店員さんが、
「いらっしゃいませ。お一人様ですか?」
と言うセリフを100万ドルの作り笑顔で聞いて来ました。
一人です。
素直に答えて見ました。
すると店員さんが、
「お客様、おタバコはお吸いにおなられますか?」
と問い掛けて来ました。
さて、どこから突っ込めば・・・
おタバコ、って。
タバコにまで”お“をつけるんですね。タバコよりも地位が下なのですか?タバコよりも下の存在・・・灰?
灰ならカント寺院へ行くと良いですよ?足元見られますけど(解らない方は気にしないで下さい)。
それとも、“お味噌汁”を“おみおつけ”と呼ぶ位のやんごとない方なのでしょうか?
お吸いに・・・
一瞬、”汚水“と勘違いしました。”吸われますか?“で良いと思うんですけどね。
おなられますか?・・・
衝撃的でした。
えっ?ここ、そう言う店?だって個室無いよ?オープンエリアだよ?見られながら?そんな癖の人が集う店?
それとも、【STAFF ONLY】って書いたドアの向こうで、そんな紳士淑女達の集いが繰り広げられているの?
私にはその様な癖を搭載する予定はありませんよ?
なんて考えていました。
前に接客業をしていたので、人の接客が気になってしまいます。
嫌な客ですね。逆の立場ならデスノートに名前を記入しています。
チェーン店ならマニュアルがあるでしょうが、私が訪問したカフェは個人経営臭いですから、
『禁煙、喫煙、どちらになさいますか?』
これで良いと思います。
って、グチグチ言い出したら、もう若く無いんだなぁと思いました。
とりあえず席は、
どちらでも良いです。空いてる方で。
と、答えておきました。
すると店員さんは座席に座っているお客さんを数えだしました。
これには、私さんビックリです。
多分、満席で20人も入らない、こじんまりとした店内。
8割程度の埋まり具合。
見れば解りますやん。
思わず、
き、禁煙席で。
と、どもりながら席を指定しました。
無事、席に座る事が出来ました。
小粋に、アイスコーヒーを注文する訳です。
注文して、2分もしないでやって来るアイスコーヒー。
ウルトラマンファミリーでも飲める親切な心遣い。素敵です。
一口飲んでビックリです。
家にあるネスカフェのペットボトルのコーヒーと味がうり二つではありませんか。
すごいですね、ネスカフェ。オシャレなカフェと同じ味を出せるなんて。
家にあるのは1リットル98円+税で買ったもの。
今飲んでいるのは、200mlくらいかな?
それで値段は410円。
何か諸行の無常を感じました。
結局、持参した小道具の本は開く事無く飲み終わったら素早くカフェを後にしました。
家に着いて、カフェを調べると食べログ(本当はこのサイト嫌いなんですけどね)に出ていたので見てみると、生パスタが美味しい店らしいです。コーヒーに関しては、
コーヒー飲む位ならオレンジジュースを飲め。100%オレンジジュースだからまだ救われた気がする。
的な事が書かれていました。
そんな、休日の午後でしたとさ。
教訓:何事も下調べが大事。