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ルーラァ  作者: 水遊び
ガキってのは、楽しければいいのさ。(15.07.05改)
2/50

第2話 赤ちゃん

 長く、心地よい眠りに身をゆだねていた。

 たしかに、まどろみの中でも赤ん坊の泣き声だけはやけに近いと感じていた。

 しかし、まさかそれが自分の声だったとは、驚き過ぎて泣き止んだほどだ。

 死んだはずなのに赤ん坊になっていたなど、だれに話したところで笑われるのが落ちだ。

 かりに輪廻転生というやつだとしても、あれだけ悪さをしてきたのに再び人間に生まれ変わる事自体がおかしな話だ。

 まったく、何がどうなっているのかサッパリだ。

 しかしまあ、俺の悪い頭で考えたところで分かるはずもない。

 悩んでいても仕方ないし、ここは神様とやらに感謝しておくか。

 そういえば、前世がお姫様だとかいう、いかれた子がいたな。

 眉唾物だと思っていたが、案外本当だったのかもしれん。

 ともかく、前世の記憶というおまけ付きでもう一度人生がやれるなら、楽しまなきゃ損というもんだ。


 とはいえ、さしあたって出来る事はほとんどない。

 見えるのは格子天井、一枚一枚に絵が描いてある。

 木組みもしっかりしているし……まてよ。

 この格子、もしかして切り出しか?

 間違いねえ、恐ろしくデカい板を格子型に切り抜いてあるんだ。おいおいおい、どんだけ手間使ってんだ?

 微妙な曲線で強度を上げて、寸分たがわぬ仕上げとか、とんでもねえな。

 これを作った匠に会ってみたいところだ。

 こんな奴を集めて会社を立ち上げるのも面白いか、夢が広がるな。

 それに、両親がかなりの金持なのも確定だし、こりゃ幸先がいいや。


 明るくなったと思ったら、光っているのは石か?

 ランプではなさそうだが、眩しくてよく見えない。

 調べに行けないのがもどかしいな。

 あ、眠くなってきた。

 赤ん坊は寝るのが仕事。 眠りに吸い込まれる感じはいい気分だ。

 むにゃむにゃ。



「おんぎゃー、おんぎゃー」

 は、腹らへった、目が覚めるほど腹へった。

 泣くと余計に腹がへるが、そんな事を言っていられないほど腹へった。

 思いっきり泣いていたらおっぱいが来た。

 うまい、いや、んまい。

 ゴクン、ゴクン、元々おっぱいは大好きだが、ゴクン、ゴクン、大大好きになったぞ。

 ゴクン、ゴクン、この弾力は赤ちゃんの為にあったのか、ゴクン、ゴクン、納得した。

 ゴクン、ゴクン、これは誰のおっぱいだ? ゴクン、ゴクン、誰でもいいか。

 プファー、もういらん。

 トントン、ゲフッ、満足、満足。


 あっ、おしっこしたい。あっ、出た。

 うひょー。何じゃこれは、すんごく気持ちいいぞ。 

「ふんぎゃー、ふんぎゃー」

 冷たくなってきたら気持ち悪い。超がつくほど気持ち悪い。

 思いっきり泣いていたらおっぱいが来た。違うだろう、何やってんだ。

 あっ、服を脱がされた。おお、締め付けていた物が取れていい感じじゃねえか。

 赤毛のねえちゃんがやってくれたのか、ありがとな。 後始末もよろしく。

 

 あっ、うんちしたい。あっ、出た。バフン、てな感じで勢いよく出たぞ。

 おお、うんち爆弾がねえちゃんのおっぱいに直撃した。主人に似ていいうんちだ、感心、感心。


 言葉は分からんがルーラァと呼ばれている気がする。カレーのルーにラーメンのラとはさえない名前だが、こっちの世界じゃいい名前である事を祈るぜ。

 赤毛がかあちゃんかと思ったら、金髪美人のねえちゃんもいた。

 ハイカラな服を着て、断然偉そうだ。

 こりゃあ、メイドとご主人様とかいうやつに違いない。

 テレビで見たメイドより地味な気がするが、案外こんなものなのかもしれん。

 まてよ、金髪と並んでイケメンのくそ野郎、もとい、かっこいい男がいるが、もしかしてこいつがお父様か?

 だとすれば、俺もイケメンかもしれん。こりゃあ楽しみだぜ。

 むにゃむにゃ。



 いつもそばにいる赤毛のねえちゃん、アンナという名前かな。雰囲気だけで判断するしかないが、赤毛だからアンで決まりだな。

 良く見りゃいい女で、美人というより可愛い感じだ。ぽっちゃりタイプだが太った感じはなく、えくぼもいいが何と言ってもおっぱいがでかい。

 ひょっとすると、俺はこのおっぱいに会うために来たのかもしれん。 や、きっとそうに違いない、うん。

 しっかし、よくしゃべるな。

 多分褒めているんだろうけど、何を言っているのかさっぱりだ。

 まあ、ガキは聞いて覚えるらしいから、こんくらいでちょうどいいのかもしれんな。


 ずいぶんとおっぱいに恵まれた生活を送っているが、おっぱいを見ても興奮しないとは、これいかに。

 お腹がすくとそれどころではないし、いっぱいになると見たくもなくなる。

 思春期まで待たなければならないのだとしたら、なんとももったいない話だ。 


 思春期といえば、おむつを替える時に見た俺の息子は我ながらかわいいやつだが、これがどれだけ大きくなるのかが楽しみだ。髪の色からして外人には違いないからな、男の子としちゃ期待するぜ。


 そして、アンが俺のおチンチンを見る時にキラリと目が光った。

 ふふふ、いいだろう、お前の望みは俺の望みだ。

 と、思った途端に腹が減ってきた。

「おんぎゃー」

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