いつも通りの日々.....のはずが!?
行くのは、オレ、祐樹、大輔、優奈、恵 紫苑先輩の6人だと思っていた。しかし、結局的には紫苑先輩が2年生一人というのはちょっと、という事なので紫苑先輩の同級生の零条茜先輩も来ることになった。しかも、その茜先輩は紫苑先輩と正反対の性格の持ち主で、超明るくかなり男っぽい感じの人だった。まぁ、男勝りなら遙姉さんも負けてないけど。
行く場所は、沖縄まで行くこととなった。ちょっと遠いし大変そうだが、楽しめればいいや。行く前に、優奈にはバイト代を渡しておいた。中々貰ってはくれなかったが、姉さんの恐怖により貰ってくれた。最近は客も安定してるのですこしくらいなら贅沢をしても平気だ。だけど、あまり贅沢する気には慣れなかった。姉さんが待っているから。
そして夏休み前日。
「明日から沖縄かぁ~5日間の旅!あっちで限定フィギュア買いまくってやるぜ!」
祐樹の声が廊下に響き渡る。オレは他人のふりをした。
「そんなもの秋原葉行けば買えるだろう」
大輔の言っていることは正しい。けど「秋原葉」じゃなくて「秋葉原」な....。
一方、優奈は、かなり張り切っていた。和也と近づけるチャンスなんてめったにないんだから。
そして、二人きりでラブラブになんて考えていた。
「でも、恵も和也のこと好きなのよね....」
ライバル出現は正直親友とはいえ切なかった。それに、協力すると言ってしまったから協力しなければ
ならない。こういうときに自分の素直じゃないところを責める。
恵のほうも複雑な心境だった。
絶対、優奈は和也君のこと好き。そう思っていた。なのに、わかっているのに協力してなんて言ってしまった自分が恥ずかしいし最低だ。
「私、最低だなぁ....」
言わなきゃ、と優奈と恵はどっちも思っていた。自分の気持ちをはっきり伝えて堂々と戦う。それが大事なのに、中々言い出せなかった。
放課後の帰り道、優奈と恵は偶然出会った。
「「あのね!話があるの」」
思いっきり被った。二人ともはいどーぞ、と言ったがどっちも言わない。
「は、早く恵からいいなさいよ」
「優奈から言ってよ~」
こんな感じのやり取りで30分経過。
もう埒があかないと思ったのか優奈から口を開いた。
「あ、あのね、こないだ...協力するって言ったでしょ?私、和也のこと好きだからできない!ホントごめんなさい!」
でも、友達でいて欲しい、と泣きながら優奈は言った。
「当たり前でしょ。わかってるよ和也君の事好きなのは。こっちこそわかってて言ったんだ。最低だよね。こっちこそごめんなさい」
「いいの悪いのは私のほうだから!」
「ううん!悪いのは私」
「私って言ってんでしょ!」
「うるさい!!悪いのは私なの!!」
そこに偶然通りかかったオレは二人の口げんかを見つけて、「オイ、やめろ!」と言ったら「「うるさい!!!」」と口をそろえ言われ、二人の強烈なパンチを食らった。
オレが何をしたんだ....。
優奈と恵は、ライバルであり親友であり。
二人とも、笑顔で帰っていった。
オレだけ、苦しそうだが.....。