いつも通りの日々.....のはずが!?
午前9時55分。
やっと作業が終った。
パン作るなんて1週間ぶりくらいでこれからはしっかり作ろうと思う。でないと、姉さんはネットゲーのために店まで閉めかねないからだ。
姉さんの人生はゲームとパンでできている気がする。誰か見張り役がほしい。そろそろ真面目に店がやばいのだ。
「いい姉さん。これからはしっかりとパンを作ってね?経営やばいんだから。じゃないと.........ゲーム禁止にするよ」
これ効いたのかどうか、姉さんの表情が変わった。
「貴様、私のゲームを取り上げるつもりか?そんなことをしてみろ。した瞬間貴様の首を....」
言い終える前に「はいはい」と言って優奈が流してくれた。完全厨二病だよ姉さん。
「でも、ちゃんと姉さんが考えて経営が安定すれば、ゲーム買えるよ?」
この一言でかなりやる気出した。嬉しい反面悲しくもある。情けない。
「見ていろ。私が本気になれば経営なんてすぐ右肩上がりだ」
「期待してるよ姉さん」
そう言って、今日の仕事は終了。もう10時を過ぎていた。
「優奈。もう遅いから送るよ」
「えっ、いいわよ別に!平気に決まってんじゃん!」
そこまでして強がらなくても。
「じゃ、外出てみれば?」
言われたとおりに優奈が外へ出る。
辺りは一面真っ暗だった。
かなり優奈が震えていた。だから言ったのに。
「ほらな。行くぞ」
それでも、素直にならないのか、まだ平気と言っている。
「だだ、大丈夫よ!で、でも折角だから一緒に行ってやるわよ!」
素直じゃない奴。オレは苦笑しながら出た。
夜の道は慣れているがさすがに怖かった。いつも以上に暗いし、自転車のブレーキ音にも少しビクっとする。優奈はそれ以上の反応をする。
店から優奈の家までは、約15分ほどで着く。
5分程歩いたところで優奈が寄ってきて、手を組んできた。
「なっ、何してんだよ....」
いくら幼馴染とはいえ、オレは思春期まっしぐらの高校生。これでドキドキしないほうがおかしい。
「しょうがないでしょ.....怖いんだから」
よほど、辛いのだろうな。あの、悪魔で巨乳美人(といっても遙姉さんほどじゃないが)の優奈が怖がるとは。一応、人間らしい。
手を組んでからどれほど歩いたのだろうか。優奈は、すてすてと早く歩く。
「ゆ、優奈。もう家過ぎてるぞ」
気づいたら優奈の家より500mくらい進んでいた。「知ってるわよ!」と言って戻る。
家の前に送ったところで、オレは帰ろうとする。しっかりと優奈が玄関の前のドアを越えるまで見送る。ドアを開け、こっちを向いて、「ありがとね...送ってくれて」と言ってすぐドアを閉めてしまった。素直なところもあるんじゃないか。
オレも家帰って寝よう。
姉さんのゲームもほどほどにさせなきゃ。