10年前の過去-ナギVS遙
オレはナギにジュースを出し、自分の椅子に座った。
「なあ、オレん家来たのはいいけどよ、何するんだ?」
ちょっぴり不機嫌そうに言ってしまったかもしれない。
「何って、なんとなく来ただけだよ。一度来てみたかったし」
ナギはオレから顔を背け、赤らめながら言った。
「にしてもなんもないねーつまんない」
ジタバタしてるナギをオレは呆れた目で見ていた。何を期待したのかわからない。ひとまず、変なものは特にないので弱みを握られることはない。
「ゲームでもするか?」
これしかなかったのでなんとなく言ってみた。棚にはかなりの数のゲームがある。姉さんが終わったゲームを捨てるのはもったいないからもらっていた。結局、難易度が高すぎてひとつもクリアできなかったが.......
「する!」といって、棚をあさりだした。もしかしてコイツ、ゲーム好きなのか?
あさりだしてから、5分。抜き出したのは、様々なキャラで戦う『ファイナル・オブ・リターン』というゲームだ。かなり難易度が高く、元々これは12歳以上のものなので難しかった。
オレは主人公、ナギはヒロインを選択した。説明書も読んでいない相手に負けてたまるか!
GO!の文字が画面に出て速攻で攻撃。HPを減らしまくった。これは余裕だろ
結果は、負けた。
見事に逆転された。次も、その次も負けた。1回も勝てなかった。
「ナギは、ゲームの天才なのか?」
オレが不機嫌そうに言うと、ナギは笑って
「違うよ~カズが下手なだけ」
これはこれでイラってくるな。このクソアマ。
ゲームの種類を変えても1回も勝てなかった。