10年前の過去-ナギVS遙
イジメっ子とのケンカ以来、オレとナギはより一層仲が良くなった。ナギは前よりも明るく、感情表現をするようになった。どこへ行くにも、何をするにも一緒でとにかく楽しかった。いつまでも一緒にいられたら、なんて考えていた。
ある日、事件が起こった。
それは3年生に進級して間もないとき。
1年生も2年生も仲が良くて、いつも遊んだりしていた。
でも、家にだけは行った事がなかった。なぜこんなことを考えるのかというと、ナギが「カズの家に行ってみたい」と言ったからだ。確かに、招待したことも招待されたこともない。
オレは別に疚しいことなんて小3だから知らなかった。当然、ナギも知らないはずだ。
それなのに姉さんは.......
今思い出すと、恥ずかしいな....
行きたいと言われ、「じゃあ、次の日曜日にいつもの公園で待ってて」と言った。
日曜日。
オレは部屋の片付けをしていた。
中々綺麗になったと思う。
だけど、見られてはいけない部屋がひとつだけある。
遙姉さんの部屋だ。
姉さんはいつも一人でこの部屋にこもり、ネットゲーをしている。
もし、見られたら絶対に引かれる。
だから、オレは姉さんに忠告及び警告をしておいた。
「いい?今から友達呼んでくるけど絶対来ないでね!」
こう言うと、遙姉さんは笑い出して、
「ふふ、ついに和也も年頃になったというわけか。つまり!これは2次元界への入り口が....!」
何を言っているのかわからなかった。
「何言ってんの?まあ、頼んだよ?」
「おお!任せておけ!!」
心配だよ、ものすごく。
でもしょうがないか.....
時計を見ると12時を過ぎていた。
待ち合わせは12時....やべっ
公園に行くと、ナギがベンチに座っていた。
「悪い悪い。片付けで遅くなった」
ちょっと頬を膨らませて、
「遅い」
ちょっと不機嫌気味だった。
「悪い悪い。ま、行こうぜ」
家に着き、ナギを中へ入れた。
オレの部屋へ入れてオレはリビングへと向かった。