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甘くて苦い少女たち  作者: 戸塚夢葉
第二章 沖縄でラブラブバトル!
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10年前の過去-渚との出会い

渚が帰った後オレは、しばらく夕日を眺めていた。

今の気持ちは言い表せない。嬉しいのか切ないのか。不思議な気持ちだった。

また話せるかな.................






次の日の放課後、屋上に行くと渚はいた。昨日と同じで空を見上げていた。

オレが来たことに気づくと今度は帰ろうとじゃなく、微笑んでくれた。

「いつも渚は空を見ているね」

渚は空を見上げたまま、少し悲しそうな顔をして

「空を見ていると、お母さんの顔が見えるの。もうお母さん死んじゃったけどね」

笑いながら言ったが、切なそうな顔をしていた。まだ若かったオレでも聞いてはいけないことを聞いてしまったのはわかる。

「ごめん。渚のこと知らなくて.....」

「ううん、いいの。お母さんが死んじゃったときは悲しかったけれど、今は辛くない。いつも見ていてくれてるって知ってるから」

渚は強い子だった。どんなにケンカが強いやつでも渚の強さにはかなわない。

いつも笑っている渚を見るのがオレは好きだった。でも、いつもは無口でクールだった。クラスでも友達とかと喋っている渚は見たことがないと思う。それでも、オレとは話してくれる。それが嬉しかった。

「ねぇ、....その....これからカズって呼んでもいい?」

渚は顔を赤らめていた。

「うん、いいよ!じゃあ、オレもナギって呼ぶからな」

ここまで満面の笑みを見たのは初めてだし、ここまで感情を表に出すとは思わなかった。嬉しい気持ちも多いがなにより、驚きでいっぱいだ。

その気持ちはナギも同じだと思う。

その日はあんまり喋んなかった。恥ずかしくて。

オレは、初めてこの時学校が楽しいと思えた。


なあ、ナギ。オレたち友達だよな?

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