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甘くて苦い少女たち  作者: 戸塚夢葉
第一章 変わらなかった日々
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いつも通りの日々.....のはずが!?

ガラガラガラとドアを開けると、目の前に汚い泣き崩れた顔が近づいてくる。

「おわっ!なんだなんだ!?」

そう言ったのが聞こえたのかどうかわからなかった。

「和也ー」

泣きながらオレの名前を呼ぶ。

こいつは、鈴木祐樹。

オレの数少ない親友だ。

なにしろ、学園のアイドルらしい優奈と仲がよく幼馴染という位置のオレは恨まれることのほうが多かった。

祐樹の場合、ネットの中で生きているので嫉妬心というのは微塵もなかった。

その祐樹が泣き崩れている。特に珍しくもないが一応聞いてみた。

「どうしたんだよ?まずは鼻を拭け」

そう言ってハンカチを渡した。このハンカチは二度と使えないな.....

それから少しして、口を開いてくれた。

「朝にね、お前の幼馴染の柏木に、『オイ!お前の彼氏の和也君はどうしたのかなぁ?』って言った瞬間に顔面にね、拳が飛んできたの」

そうか、自業自得だ。

助ける気など埃の様に去った。

その直後、後ろから鬼を纏った少女が来た。

もちろん星奈である。

「アンタ、こいつにどーゆーしつけしてんのよッ!ちょうどいいわ。アンタら二人とも...」

言い終える前に俺たちは教室から出て行った。

もちろん、速攻で捕まりボコボコに....

朝から体力が消えた。

当分、星奈の怒りは消えそうにない。

そして、また祐樹が命知らずな事を言った。

「アイツのスカートの中盗撮してくる」

知らんぞ、とだけ言って祐樹を見送った。

見たいわけじゃないよ?いや、思春期だし.....見たいかなぁ~

そんなことを考えているうちに、祐樹が携帯を取り出す。

机の陰に隠れ、シャッター音を鳴らす。

バカだな.....

光と音出てるよ。

当然、その直後に祐樹はボッコボコ。

享年十五歳。

ご愁傷様で。

それだけならよかった。

優奈がオレのほうに向かってくる。

「ゆ、優奈...?」

聞こうともせず、腹にフック、顎にアッパーそしてとどめに踵落とし。

死亡時刻 午前八時二十五分。

それから、オレは気を失い、気づいたら保健室のベッドの上だった。

「お目覚めですか?」

傍から優しい声が聞こえた。

誰だろう?

起き上がって見ると、そこには黒い髪の綺麗な人がいた。

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