沖縄の絶景-皆の想い
「俺知ってるぜ」
この言葉を聞いたとき、嬉しさで飛び上がりそうになった。
「教えてください!お願いします!!」
年配のおじさんは手を前に止めるように出した。
「まあ待て。今日はもう遅い。明日またここに来てくれ。そうだな....10時頃でいいだろう。いいか?」
今日教えてくれないのは不満だが、まあしょうがない。せっかくの手がかりを無駄にするわけにはいかない。ん?待てよ.....もう遅いって言ったか?
時計を見ると10時を回っていた。
「わかりました!ありがとうございます!」
オレはダッシュで帰ることにした。
ホテルに入るとロビーで優奈が怒りの顔をあらわにして待っていた。
「遅い!どこ行ってたのよ!!!」
「悪い。道に迷ったんだよ」
優奈の眼差しは真剣すぎて、苦しかった。でも言うわけにはいかなかった。
それよりも、優奈がいつも通りでよかった。心底安心する。
「もうとっくに皆寝てるわよ」
そうか、優奈は待っててくれたんだ。
「優奈。ありがとう待っててくれて」
優奈は顔を赤らめて、
「し、心配なんてべ、別にしてないわよ!あーもう!死んで生き返れーーー!」
思いっきり脇腹にひじを食らわされた。でも、いつも通りでよかった....
「そういえば和也何も食べてないでしょ!?これ落ちてたから食べなさいよ!」
落ちてたって....しかもオレの好物ばっかり。作ってくれたんだな。
「わざわざ作ってくれるなんてサンキュー」
動揺した優奈は、
「作ってない!!落ちてたのよ!!」
はいはい、と部屋に持っていって食べる。
なんか、涙が出そうだった。