沖縄の絶景-皆の想い
沖縄に到着してから一時間。
手がかりゼロ。
「海なんてどこも同じじゃないのか?」
独り言を言っても当然返ってこない。
オレは到着してからすぐに、用事があると言ってこっちにきた。
まさか沖縄に着てまで絶景探しをするとは......
でも、皆の為ならいくらでもしよう。
今、この絶景を探してるのは男3人だ。
でも、茜先輩には教えた。
見つけたら連れてきてもらうために。
「もしもし?祐樹?なんか手がかりあったか?」
この会話を30分おきにしていた。
でも返ってくる返事は同じ。
「なんも」
大輔にかけても同じだった。
「まだ見つかってはおらん」
これしか言ってこなかった。
オレは、現地の人たちに聞き込みをする。
もう30人近くの人に聞くが、「知らない」「聞いたことがない」としか言われなかった。
このまま海の近くにいても意味がないのでオレは町の資料館などの施設に行くことにした。
いろいろ聞き込んで早3時間。
一向に手がかりはなかった。
するとオレのズボンのポケットから振動が伝わる。
電話が掛かってきた。
「もしもし?」
見たことのない番号だった。
「あ!もしもしぃ?和也君?アタシ~茜だよぉー」
第一声目でわかりましたよ。
「そっちはどぉ?」
「すみません。まだ何も....」
茜先輩はちょっと黙ったが、
「そっかぁ。あんま無理しないでね?」
心配してくれたのがありがたかった。
「はい。そっちはどうですか?優奈たちは....」
ちょっと溜息をついて、
「うーん。皆バラバラで散歩行っちゃった。やっぱ、相当元気ないよ....」
この一言がオレをも元気なくした。
現状を説明され、急がなければと思った。
思ったより時間が早く感じる。
「わかりました。ありがとうございます。何かあったらまた連絡しますので」
うん、と言って電話が切れた。