↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR

一人百物語 2

新品だったのに

作者: 犬猫夜行
掲載日:2026/08/07


以前一緒に仕事をしていた多田さんの、ちょっとだけ昔の話。

多田さんは一人暮らしをしている。

何時頃かはわからないが、ある夜ふと目を覚ますと、部屋のテレビが点いていた。寝る時に消したはずなのだが。

テーブルからリモコンでも落ちて、勝手に点いたのかな、と思った。

当時はまだ液晶テレビは普及しておらず、多田さんはブラウン管式の小型テレビに買い替えたところだった。

テレビの中では、画面いっぱいに中年女性の顔が映っていて、険しい表情でこちらを睨み、悪態をついていた。

「ちょっとアンタ!」

「あのねぇ」

「ふざけてんじゃないわよ!」

夜中におばさんの文句など聞いていても面白くもなんともない。

多田さんは電源スイッチを押し、テレビを消した。

以来、夜中にテレビが勝手に点いている事は何度かあった。

「ねぇちょっと!」

「アンタよ、アンタ!」

悪態をついている中年女性の顔が映っている事も再度あったが、いつも寝ぼけたまま電源を切っていたので、映っていた映像の内容はあまり覚えていない。

ただ、テレビのタイマー設定でもおかしいのかなと思っていた。

ある朝目を覚ますと、テレビはテレビ台から2メートル程先の床の上に転がっており、しかも電気コードが途中でブツリと切れていた。

コードの切断面は刃物で切断された様な状態ではなく、プラグ部分はコンセントに刺さったまま、もの凄い力でコードの真ん中あたりで引き千切られた様になっていた。

テレビはそれなりの重量のあるブラウン管式のテレビだというのに、テレビが落ちた様な物音など、まるで聞こえなかった。

多田さんはまたもテレビを買い替えた。

気味が悪かったため、他の家電店で、他のメーカーのものを買った。

「あの頃、バイトでがんばって買ったテレビだったのにぃっ!」

と多田さんは嘆いていた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。