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気になるE子ちゃん!(3年女子生徒)

作者: tyatarou
掲載日:2026/02/13

私「あー、今日に限ってUくん休みなのつらー!」


Kくん「仕方ないさ。熱がでたんだから」


私「このチョコケーキどうしてくれんのよ〜」


Kくん「俺が食べてあげようか?」


私「だめー!これはUくんしか食べちゃダメなんです〜」


昼休み、友達のKくんと弁当を食べながらお喋りをする。

いつもならここにもう1人いるんだけど、残念ながら今日は熱が出てお休みらしい。


Kくん「熱といえば、確かUの妹も熱が出たって昨日聞いたな」


私「移っちゃったのかな?」


Kくん「どうだろうな。ちょっくらメールしてみるか」


Kくんが携帯を開いてUくんへメールを書き込む。

Kくんはただの友達。

でも、Uくんは少し違う。

私にとって特別な人。

どちらも大切なんだけどね。


私「ね、転校するってUくんには1番に教えてたんだよね?」


Kくん「おー、まあな」


私「2人ってできてんの?」


ガタッと椅子から落ちそうになるKくん。


Kくん「なに言ってんだよ」


私「だって、3人でいても私だけいつも蚊帳の外な気がするし」


Kくん「そんな事ないさ。俺たち、結構お前の事大切にしていると思うぞ?」


私「そーかなー」


Kくん「お、返事きた」


私「なんて?」


Kくん「あー、E子ちゃんのが移ったっぽいな」


私「Uくんの妹さんって、あの顔の綺麗な子だよね?あの子、誰かにチョコ作ってあげたりするのかな……」


一度だけ学校で顔を見かけた事があった。

その時、Uくんが教えてくれて、ついでに家に遊びに行きたいって頼んだけどやっぱり断られてしまった。

何故か頑なに私は家に呼んでもらえないんだよね。


Kくん「さあ?E子ちゃん、料理苦手だってUの奴が言ってた気がするけどな」


私「なあに言ってんの!好きな人の為なら、苦手な事だって頑張って乗り越えられちゃうんだから!」


Kくん「好きな人な〜、俺には分かんないな」


前に聞いたけど、Kくんは好きな人ができた事がないらしい。


私「そのうち分かるよ!」


Kくん「それより、お前はUにいつ気持ちを伝えるんだ?海外に行くから、今までのように相談には乗ってやれなくなるぞ?」


私「気持ちか〜。でも、私が告白なんて、イメージ湧かなくない?」


Kくん「んー、湧かないな」


私「でしよ?」


ずっと友達として仲良くやってきたせいで、恋愛的な関係なんて笑えてしまうほど似合わない。


私「でも、Kくんいなくなる今が告白のタイミングなのかもね」


Kくん「ん」


私「何これ?」


Kくんが折り畳まれた紙を渡してくる。


Kくん「あいつの家の住所」


私「へ!?良いの!?」


Kくん「もし文句言われたら俺に教えて貰ったって言えば良い」


私「今更何で?Uくんに合わせて教えてくれなかったくせに」


Kくん「大切にしてるぞっていう証拠だよ。その変わり、今日の帰りに告白しに行けな」


私「そんな急な!!!」


Kくん「恋愛ってそんなもんだろ。大丈夫、なんとかなるさ」


〜〜♪

その時、お昼休みの終わりを告げる音楽が流れ始める。


Kくん「日本を旅立つ前に良い報告待ってるぞ」


私「ええ〜〜……」



放課後、先生からUくん当ての手紙と宿題のプリントを預かった。

これを理由にして行けば、そこまで文句は言われないかな……。


ん?


廊下から教室を覗いてる子がいる。

2年生だ……。


私「2年生?どうしたの?うちのクラスに用?」


「あ、えっと、あの、K先輩を探してて……」


あれ、この子Uくんの妹さんだ。

E子ちゃんだっけ。

眉間にシワが寄ってる。

まだ体調良くないのかな?


私「Kくんなら職員室に行ったよ〜」


E子ちゃん「あ、ありがとうございます!」


E子ちゃんの手には紙袋が大事そうに握られている。

この子、もしかしてKくんの事好きなのかな?

でも……。


私「その袋チョコが入ってるんでしょ?頑張ってね」


本当の事は言えなかった。

いや、言わなくて正解だったと思う。

私が変に口を出して、あの子が後悔するような結果にはなって欲しくない。

E子ちゃんは軽く会釈をして早足で去っていった。

あれは、相当好きだな。


私「……私も頑張らなきゃ」


私は急いで学校を出る。

Kくんのメモを見ると、そんなに遠くはなさそうだった。


私「走って行こう」


私は久しぶりに本気で走ってUくんの家へ向かう。

モタモタしてタイミングを逃したくない。

それにKくんが応援してくれてる。

良い報告をするんだ!!



私「……着いた」


はあはあと息を切らしながらUくんの家へたどり着いた。深呼吸をして、一度自分を落ち着かせる。

そして、震える指を伸ばしてチャイムを鳴らす。


ピンポーン……


出てくるかな。

ていうか、出てこれるのかな?

熱酷いのかな。

ご飯食べれてるのかな。


ガチャッ


Uくん「あ?何でお前ここに……」


出てきたUくんは、マスクをしているけど顔色は良さそうだった。


私「内緒!それより、これ」


私は先生から預かってるプリントが入った紙袋を渡す。

もうひとつの紙袋は鞄に入れたまま。

渡さなきゃ。


Uくん「ああ、なるほど。わざわざありがとうな」


私「あ、えっと、それでね?あのー、Uくんに言いたい事があってさ」


いつもと違い、しおらしくしている私を見てUくんは首を傾げる。


私「あのね、私……これ作ってきたの!」


鞄から取り出し、勢いよくUくんへ渡す。


Uくん「……チョコ?」


怖くてUくんの顔が見れない。


私「うん」


Uくん「開けても良いか?」


私「どうぞ」


ガサガサと音がする。

今どんな顔してるんだろう。

胸がドキドキし過ぎて壊れちゃいそう。


Uくん「これ、なに?」


ドキドキが高まる。


私「何って、バレンタインだからケーキを焼いたの」


私はゆっくりUくんの顔を見る。

……眉間にシワが寄ってる。

これは、ダメだった?


私の目はもう涙で潤んできてる。


Uくん「あ、ケーキか!ボロボロ過ぎて土かと思ったわ!」


私「へ!?」


私はUくんが持ってる箱の中身を覗く。

……ボロボロだ。

走ったせいだろうか。あんなに綺麗に焼いたはずなのに、崩れてしまって台無しになってる。


私「そんなあ……」


Uくん「ん、意外と美味い」


Uくんがボロボロになったケーキのカケラを食べた。


私「そんなボロボロなのに?」


Uくん「見た目なんか関係ないって。美味けりゃ良い。ありがとな」


私「う……」


Uくん「あー、泣かない泣かない」


Uくんが私の頭を撫でる。

……これ、告白して成功する?

妹みたいに思われてない?


私「ねえ、Uくん。そのケーキなんであげたか分かってる?」


Uくん「なんでって、バレンタインだから?」


私「友チョコって勘違いしてない?」


Uくん「勘違いって……」


そこまで言ってUくんがハッとした顔をする。

流石に気づいたかな?


私「そのチョコ本命だよ」


Uくん「……」


Uくん黙っちゃった。

困らせちゃったかな。そりゃ、そうだよね。

今まで友達でしかなかったんだから。

やばい、泣いちゃいそう。


Uくん「……何で今まで家に来るの拒否してたか知ってるか?」


私「なに、突然」


声が震えてしまう。


Uくん「妹のE子がさ、Kの事好きなんだよ。だから、もしお前がうちに遊びに来たらあいつ誤解して傷ついてしまうと思って……」


私「それが、理由?」


Uくん「けど、本当は呼びたかった。お前と妹が仲良くなれたら嬉しいと思ってたから」


私「なんの話よ〜」


私はもう号泣してしまっている。


Uくん「家族には好きな人紹介したいもんだろ?それで仲良くなってくれたら更に嬉しいじゃないか」


私「……」


え?好きな人?一体誰の話をしてるの?


Uくん「俺の熱が引いたら、また遊びに来いよ」


Uくんがパッと笑う。


私「それ、両想いって事?私、勘違いしてない?」


涙で顔中ボロボロな私を見て、Uくんが更に笑う。


Uくん「間違ってないよ」


すると、Uくんが私をぎゅっと抱きしめる。


私「バレンタインの魔法だ〜」


Uくん「なんだそれ」


グズグズな私を笑ってくれるUくん。

伝えられて良かった。

今日がバレンタインで良かった。


Uくん「おっと、熱出てるんだった」


Uくんが焦って私から距離を取る。


私「ぷっ、今更!」


Kくんに報告しなきゃ。それと、お礼も。


そして来年のバレンタインは3人で何処か遊びに行こう!







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