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幻想百鬼夜行

作者: 一般人A
掲載日:2026/02/01

もし、「妖怪って信じてる?」と言われたら何と返すだろうか、無論僕は、Noだ。あんな非科学的なもの信じるなんてばかばかしい空を見るより明らかだ。しかし、「妖怪見たことある?」と聞かれたらYES。と答えざる負えない。なぜって?それは映ってしまったのだから。これから語るのは俺に起こった非科学的な物語である。




「はぁ。どうしようか、これ。」


そう言って俺、五十嵐拓弥はため息をついた。今思えばなんであんな事してしまっただろうか。そうだ。最初は好奇心からだった。夜中に足音や笑い声。その他騒音が聞こえるようになった。最初は近くのガキが騒いでるのかと思ってた。が、三日前。流石に我慢の限界にきたのでカメラを仕掛けた。そして朝、証拠はとれたかな~なんて思いながら確認すると、映っていたのは騒ぐガキではなく、何かを飲んでいる小鬼やら一つ目。その他もろもろが映っていた。そして今、その動画も消すに消せず。その結果。男子高校生が一人公園のブランコをこぐ不思議な図が生まれた。


「とりあえず何すればいいんだ?相変わらず夜はうるさいし。やっぱりお祓いをするべきか…」


これ以上ブランコをこいでても意味がないので、離れようと中腰になったとき、足元に丸まった紙が飛んできた。


「ったく誰だよ。ゴミ捨てていった奴は」


このまま無視しようと思ったが、ちょうど散歩に来ていたと思われる婦人ににらまれたので俺が拾うことになった。捨てた奴は俺に感謝してほしいね。


さて、人間。物を拾ったら中が見たくなる生き物だ。そしてそれは俺も例外ではない。破れないよう紙のしわを伸ばす。まぁどうせなんかの広告だろうけど。


『怪異、妖怪などの相談乗ります。経験豊かなスタッフが相談に乗り解決します。最寄りはこちらから』


そう書かれた文言の下にはこれまでの解決実績が乗っていた。というかほとんど依頼主神社じゃないか。という事は相当腕が立つのだろうか・・・。そこまで考えて気が付く。ここに相談すればいいと。ていうかなんでこんなピンポイントな広告が俺の足元に転がってくるんだよ。もしかして独り言で喋ってたか?なんて少し興奮気味になる。でも考えてほしいここ三日の悩みがこれで解決するかもしれないんだ。さっきお礼をしてほしいと思ったが逆にこっちから感謝したいくらいだ。とにかくこの事務所に行ってみよう。話はそれからだ。




さて。改めて地図を見たら思ったより遠く電車で二駅だった。定期の範囲だったけど。そして駅から歩いて十分。それなりに、賑やかな駅前から一変してうす暗い路地裏に目的の事務所があった。本当にこの場所でいいのか。場所が場所なのでもう一度チラシを確認する。そこで気づいた。この事務所。看板が出てない。というかチラシに名前が入ってなかった。普通入れるよな事務所名。もしかして、ヤバめなトコだったじゃないか?でも、ここで入らないとまた、悩む日々に逆戻りだ。でも、命はほしいし―――


「なにあんた客なの?さっきからウロウロしてて目障り」


そう言い残して突然出てきた女の子は建物の中に帰っていった。


「なんだよあいつ。頭にくる言い方だな~」


いやまて。今客ったかあいつ!つまりここはチラシの事務所に間違いない!…多分。とりあえず入るか、まぁなんかヤバそうだったら全力疾走で逃げればいい。これでもサッカー部レギュラーだし。いけるだろ。そう思うことにして俺は少女が入ってった扉を開けた。




「お前。客だったのか。さっさと入ってくればいいものを。」


第一声。俺が勇気を出して入った瞬間、そういわれた。え。なんで俺が悪いみたいになってるの?看板出してないそっちのせいでは?


「で、お前は何に悩んでるんだ?さっさと話せ」


「えっと……」


「というかまず座われ。ウロウロしてたりすぐ座らんかったりお前はどんくさいな」


こいつ口を開いたら毒しか出てこないのか?というか


「俺はお前っていう名前じゃない!!五十嵐拓弥っていう親からもらった大切な名前があるんだ!お前呼びはやめろ!えーっと?」


威勢よく言い出したはいいが最後の締めで相手の名前がわからずぐだってしまった。お前って言いうなと言った手前、お前なんて言えなかった。


「………如月。」


「そうだ!如月!さん?」


「で?五十嵐は何に悩んでここに来たの?」


呼び捨てかよ。と思いつつ答える。


「えっと。なんか俺の家に得体の知れないものがいるんです。」


「それは自分でみたの?」


「いや、スマホにとりました。これです。」


「ふーん。それ見せて。…おぉ。こんな奴まで映ってるのか…へー。」


「それで、こいつら何とか何ませんか?」


「何とかなんなかったらこんな店開いてない。とにかく今からおま・・じゃなくて五十嵐の家行くぞ」


「なんで俺ん家来るんだよ!」


「なんでって・・現地に行かないと何も始まらんだろ」


「確かに・・??」


「じゃ、準備するから5分待ってろ」


・・・なんだか成り行きで女の子を家にい入れることになってしまった・・・




「思ったより遠いとこから来てたんだな。五十嵐」


「というかお前、何そのカメラ」


「ん?これか?これは仕事道具だ」


「あっそ」


そんなことを言い合いながら如月を家に入れる。そういえば女の子を家に入れたのっていついらいだ?もしやこれ、重要イベントだったりするんじゃ!・・・なんかそう思うといらん緊張してきたな。どうしよう、なんかお茶とか持ってきたほうがいいのか・・・?


「あの~お茶とかいり―――」


「おい。五十嵐。例の場所って二階だよな。先行ってるぞ」


そう言って如月は勝手に階段を上がっていった。


「おい!ここ俺の家だぞ!なんでそんな堂々と入っていくんだよ!」


声をかけてふと気づく。よく考えたらあいつ最初暴言はいてきたじゃん。なんで俺緊張したんだろ。なんか損したな。とりあえずい追いかけるか。




「遅かったな。五十嵐」


二階に上がって俺の部屋の前。カメラを構えた如月。特に変化のない廊下。


「え、終わったってまだ2,3分もたってないけど」


「あんなの私にかかれば1分あれば十分」


そう言って帰りそうになる如月を慌てて止める。


「いや、今終わったって言いったってなんも変わってないじゃん」


「そりゃ普通見えないものだし」


「いや、じゃあお祓いちゃんとできてるかわかんないじゃん!」


「・・・。じゃ、見えるようになる?」


「は?」


・・・。いやどういう事?


「え。これってがんばったら見えるもんなの?」


「いや、本来は危険だからやんないけど、私ぐらいの力があれば余裕」


「何それ、めっちゃ危ない奴?俺どうなっちゃんだよ!」


「確かに失敗したら失明する」


「失敗の代償デカいな!!」


冗談抜きでリスクしかないじゃん。やらない理由がかなりわかった気がする。


「私だって普段からこんなことしない。でも今回は成功する確率が高いから」


「なんでそうなった。勘か?」


「その言い方だと私がやばい奴になる」


「そうじゃないのか?」


名前も知らない奴に暴言吐いた奴だぞ。誰だってそう思うだろ。


「んなわけないでしょ。だって五十嵐は妖怪の音が聞こえてたじゃん」


そんなもの聞いた記憶がないんだが。


「あと、こーゆーのって撮ったところで何も映らないのがセオリーだし」


「要するにどういう事だよ」


「つまり、今の五十嵐は視覚だけ妖怪にあってないだけ。しかも映像に移れば見れるから簡単」


「よくわからなかったが、要するに俺は見えるようになっても失明しないんだな」


「そう。じゃやるからそこ座って」


「安全なんだろうな・・・」


そう呟いてその場に座る。


「目、つぶって」


「んっ」


言われた通りに目をつぶり待機する。その瞬間、俺のおでこに柔らかい何かが触れた。なんだこれ生暖かいくて柔らかい・・・もしかして唇か⁉


「終わったよ。目開けて」


「おっおう」


唇が触れた(仮定)に打ちひしがれていたとき見てしまった。


「如月さん。その肩に乗ってるのって・・」


「これか?これは私の式神だ。さっきの儀式はこの子を使ってやったんだぞ」


「その子を使うって・・?」


式神ったてどう見ても蛇だぞ。どうやって使ったんだ。


「まあ、具体的に言うとシオラがやったんじゃなくて呼び出してもらった妖怪にやってもらったんだよね」


どうやら、蛇の名前はシオラというらしい。


「そこに転がってる奴を使ったんだよ」


そういわれて指さされたほうを見るとカブトムシの幼虫みたいなのがいた。でも、今地面に転がってるのは牙もないし何なら顔もない。


「えっと・・なにこれ、俺の知ってる幼虫じゃないんだけど?」


「これは、シオラが作ったまぁ妖力の塊みたいなもんでこれを五十嵐のおでこにくっつけた」


は?これを俺のおでこにつけたの?如月の唇じゃなくて?というか俺虫苦手なんだけど。そんな状況でフリーズしてる俺をよそに如月は何かを書いていた。




「お兄ちゃん‼ごはんだからさっさと下りてきて‼」


気づいたら如月は帰っていて俺の手に『お祓い料金は無料だけど今回アフターケアがあるため後日事務所に来ること』と書かれた紙が握られていた。なんだ金かかるなら言えよ。最初に。詐欺か。


という事で俺はまた例の路地裏に来ている。ほんとここ薄暗くてやだな。なんでこんなとこに事務所もってんだあいつ。


「如月―。いるかー?料金支払いに来たぞー」


「ん。ああ五十嵐か遅いな来るのが」


客用と思われるソファーに寝っ転がってゲームをしていた如月が顔を上げる。


「遅いって言っても次の日には来てるだろ‼なんだ如月は夜中に来てほしかったのか⁉」


まあそんな夜中に来いって言われてもいかないんだけど。


「まあ。私もそんな夜中に来られても困るけど。でなんだっけ?料金?」


「そうだ。これ書いたの如月だろ。なんで金額書いてないんだよ」


おかげでこっちはお小遣い前借りしたんだぞ。


「ああ。これお金じゃないんだよ」


「じゃあなんだよ」


「というか私そこに料金払えって書いた覚えがないんだけど」


「嘘だろ?」


メモを見る・そこには『事務所に来い』としかか入れなかった。なんだ早とちりかよ・・・小遣い前借りした意味ないじゃん。


「じゃあなんで俺を事務所に呼んだんだよ」


「アフターケアの対価を伝えに。ほんとはその場で言いたかったのに五十嵐がぼーっとしてて『これ聞いてないな』って」


確かにあの後俺はどうやって如月を送ったか覚えてない。


「んで私が求める対価は『新しいお客を連れてくること』ね。期限は三週間だから」


「っていう事は俺はこんな怪しい裏路地にほかの人を連れ込まないといけないのか⁈」


「そ。ああ、連れ込むのは一人でいいから」


「ちなみに三週間過ぎてもなんもなかったらどうなるんですかね・・?」


「その時は一番強い妖怪を五十嵐の家に送る」


「誠心誠意やらせていただきます」


それ相談する前に戻るじゃないか。


「じゃあもう帰っていいよ。じゃあね」


そのまま如月がゲームに戻ってしまったので俺は事務所を後にした。




・・・さて。どうしようか。帰りの電車に揺られながら考える。客を連れてくるって言われてもあいにく俺には友達が少ないんだよ。あっそうだ、妹に聞いてみよ。あいつ俺より人付き合いうまいし。なんかあるだろ。


「ただいまー」


「おかえりー。あっ、お兄ちゃん冷蔵庫にあったプリン知らない?私楽しみにとっといたんだけど」


「はぁ?俺知らん。そんなことよりお前に聞きたいことがあるんだ。いいか?」


「何ー?もしかしてお兄ちゃんのプラモ壊したのばれた?」


アレお前だったのか。作るの時間かかったし高かったんだぞ。


「・・・それまた怒るとして。俺が聞きたいのは今お前の周りで妖怪とかの噂話とかない?」


「なんでそんなこと聞くの?前お兄ちゃん『妖怪なんか非科学的だ―』なんて言ってたじゃん」


言ったな。どうしよう。なんか不審がられてるな。これ。


「いや、俺は信じてないけどさ。あぁ、ほら!俺に漫画描いてる奴がいてさ、いっつも『ネタがない~』ってうるさいからなんか出してあげようと思って」


もちろん嘘である。俺に漫画を描いてる友達なんかいない。ま、漫画好きな友達ならいるからいいか。


「あっそ。ん~なんかあったかな?こう、ここまで出かかってるんだけど思い出せないな~」


そういって自分の喉を指さす。


「そこを何とか思いだせよ!話してくれたらプラモの件は聞かなかったことにするからさ」


「お~思い出した‼今はねケラケラっていうのが流行ってる‼」


「それってどんな奴なんだ?」


「私も詳しくは知らないんだけど夜、道を聞かれて案内しようと後ろを向いたとき冷たい手で触りながらケラケラ笑って命を取るんだって~」


「何それこっわ」


ケラケラ笑うって人でも怖いのにそんな妖怪がいるのか。ともかくネタはゲットできた。あとはこれの被害にあったっぽい人を探せば終わりだな。


「ありがと。友達も喜ぶわ」


「ん~。あーお兄ちゃん、お金渡すからコンビニでプリン買ってきてよ~」


「自分で行ってこい。っていうかお前今アイス食ってるだろ」


「けちーー」


まったく。兄の私物壊しといてよく頼んだな。


とりあえず、明日学校で聞き込みするか。




「・・・ていう話を妹から聞いたんだけどなんか実際見た!っていう人ないかな?」


「おーん。探せばいるんじゃね。知らんけど」


「それを知りたいから菊池お前に聞いてんじゃんか」


そうこの男、名を菊池浩太郎。俺の数少ない友達であり噂話や流行っているものに異様に詳しい。そしてその情報がかなり正確なのだ。一部からはスパイと呼ばれているとかいないとか・・・。


「んーそのケラケラとかいう奴かはわかんないないけど確か一年に似たような妖怪にあったっていう話があったな」


「マジ!どこ行ったら会えるかな?」


「何?お前その子と会いたいの?」


やばい。うれしくなって思わずガッツいてしまった。うわ。菊池が下等生物を見るような目で見てる。最悪だ。


「そんな目で見るなよ。ただどんな感じだったか気になるだろ」


「ほんとにそんだけか?まあそこ子江口っていう図書委員だから放課後会えるんじゃね?」


「せんきゅー菊池!」


そして、程なくして待望の放課後になった。いやー思ったより順調で思わず鼻歌が出ちゃうね。おっと、図書室は静かにしないと。ウッキウキの気分で新着本の一覧が並んだ扉を開けカウンターに行く。


「こんにちは」


「こんにちはー。どうされましたか?」


「あのー実は、江口っていう一年を探してて、放課後ここに行けば会えるって聞いたんですけど・・」


「あ~。園花のことですね。今よんできます」


よかった~。これで『今はいません』なんていわれたらどうしようかと思ったよ。少したって奥の本棚からカウンターの子に手を引かれ江口さんと思われる人が来た。


「この子が江口です。園花、呼んでたのこの人ね」


私は仕事があるので。と言われカウンターの奥に行ってしまった。・・・まずいこれで変なこと言ったら俺は突然関わりのない後輩を呼びだした変人先輩と思われてしまう。


「あの、私に何の用ですか?」


う~ん。すごく怪しがられてる。俺も委員会中に知らん先輩から呼ばれたら怖いもん。あっ、そうだ。


「えっと、俺今、日本の妖怪とか調べてて、知り合いから『図書委員に詳しい子がいるよ』って言われて・・・」


うん。我ながらかなり良いごまかしかたじゃないか?これ。


「それ、人違いじゃないですか?私詳しくないですよ。というか妖怪のこと調べてるならあっちにいる人のほうが詳しいですよ」


まずい。もうこれは今にも『それでは』って言われそう。なんかいい文言はないのか‥?俺!


「おー。やっぱり凸ってたか。これは行動力の塊だな」


‼。その声は俺に情報をくれた菊池!いい所に!


「あっ。菊池先輩。どうしたんですか?」


「いや~それが、こないだ相談してくれたことでこいつが話たいことがあるんだってさ」


「そうなんですか⁉じゃあ委員会の仕事が終わったらでいいですか」


「あ、うん。全然いいです」


・・・さすが菊池‼こーゆー時に来てくれてありがたい!


「お前どうせ会いに行っても口下手なんだから身に来たら案の定だったな」


「マジ助かった‼やっぱ持つべきものは察しのいい友達だな‼」


「恩に着ろよ~。このあとなんでお前が急に妖怪に興味を持ち始めたのか聞かせてもらうからな~」


なるほど。こうやって情報を集めてるのか。納得。




「すいません先輩。少し長引いてしまって」


「あー気にしなくていいよ。突然来たのはこっちだし」


あのあと、菊池は先に帰り待つこと20分弱。委員会が終わった江口と帰りながら話ている。


「で、先輩が聞きたいのは妖怪のことですよね?私があった」


「そう!さっきも言ったけど俺今妖怪を調べて―—」


「まあ、菊池先輩のお友達なんで話ますね」


菊池ってすごい信頼されてんだな。まぁ江口が話してくれたことをまとめると、


塾から帰る途中、男の人に道を聞かれた。でも、突然話しかけてきた怪しさから無視してると


「なんで答えてくれないんだ!こんなに頼んでいるのに‼よい、貴様を呪ってやる。覚えておけ、滅三川の名を‼」言い残して消えてしまったと。


「その日を境に滅三川の名を目にすることが増えたんです。しかも、案内して欲しいって言ってた場所を後から調べたら壊れたお堂がある山だったんですよ。もう怖くて」


おわぁ。思ったよりガチなやつだった。所々に妹が言ってたやつ重なるな。さてこっからどうやって事務所に案内しようか。


「その話承った」


「「は?」」


もしやこの声は・・


「如月!なんだここにいるんだよ」


「なんだ五十嵐。ここは私の通学路だ。いるに決まったるじゃないか」


こいつ学校通ってのか。って如月が来てる制服、それ県内有数の進学校のやつじゃん。マジかよ。


「って、承った。ってどういう事ですか⁈」


「ん?そのままの意味だ。お前は呪われてる。それを祓う方法を私は知ってる。だから助けてやる」


「はぁ?」


「とにかく、明日ここに来い。そしたら祓ってやる」


そういって江口に詳細が書かれていると思われる紙を渡す。


「今できないのかよ如月」


「無理だ。それなりの準備がいる。あと五十嵐はこのまま私についてこい。手伝いだ」


「は⁈なんで俺が?」


「いいから行くぞ。じゃあな呪われた少女。明日ちゃんと来るんだぞ」


「あ、おい引っ張るな‼袖を!伸びる!じゃ江口―そういう事だ。明日よろしくー」


「えぇ~。先輩・・」




「ていうか、如月お前、いつから聞いてたんだよ」


「五十嵐が妖怪を調べる。と言ったとこからだ」


「ほぼ全部じゃないか!」


まあ説明する手間が省けたけどさ。


「というかこれどこに行ってんだ」


「その滅三川とやらが行きたがったこと」


なんで場所知ってんだよ。


「さっきの話を聞いてシオラが探してくれた」


心を読むな。心を、


そんなやり取りをしてたらいつの間にか例のお堂についていた。


「なかなか立派だな・・」


森の中にある朽ちたお堂。なんかすごく少年心をくすぐられるな。


「ていうか如月―ここにきて何すんだ?」


「う~ん。ないな・・きっとここにあるだけど。ていうかここ妖怪がわんさかいんな。フィルム足りるか?これ」


はぁ。聞いちゃいない。ほんとになにしに来たんだ。


「メイは件の妖怪の核を探しに来たんだ」


突然、首に巻き付いてきた蛇が喋った。


「うわっ。えっとシオラだっけ?」


「その名を呼んでいいのはメイだけだ。小僧は気さくにシオラマ様と呼ぶがいい」


そのどこが気さくなんだよ。というか如月の下の名前メイなんだ。


「で、シオラマ様。如月は何パシャパシャしてんだよ。その核とやらに関係あるのか?」


「うむ。メイがやろうとしてる解呪は対象の妖怪の核がないとできないんだ」


「へー。じゃあカメラなんなんだ?」


「あれは妖怪を封印してるんだ。ま言うところの『仲間集め』だな」


「なんのための仲間なんだ?」


するとシオラマ様はニヤリとと笑って答えた。


「百鬼夜行をするためだ」


「ひゃっき・・?」


「おおそうだ。時が来たら小僧も呼んでやろう。きっと美しいぞ」


「おう。ありがとう」


正直そんなうれしくないんだけど。


「おおーあった!あったぞ!おい見ろ五十嵐‼」


急に大声で如月に呼ばれたので行ってみるとそこには大きな水晶があった。


「うわでか・・140cm位ないか?これ」


「ああ、それだけ妖力が強いんだろ。これは期待できるな」


「それって百鬼夜行のことか?」


すると以外そうな顔をして如月が言った。


「よくわかったな。そうだこんな神格レベルの妖怪を収めたら完成する・・」


「そっ、そうか。良かったな」


あまりにも興奮してるので逆にこっちが引いてしまった。


「とにかくこれで実行できるな」


そうだこれで江口の呪いも解け、俺の面倒なタスクもなくなった!いやー長かった。よく頑張った。俺。


「明日、来いよ。五十嵐」


「何俺もいるの?それ」


「当たり前だ。人手が足りん」


どうやらまだタスクは続くらしい。




「遅い。何時だと思ってるんだ」


「お前夜の九時に呼び出しといてよく言えたな」


「遅いですよ。先輩」


江口。なんでお前はそっち側なんだ。


「とにかく五十嵐がちんたら来てくれたおかげで大方の準備は終わってる。さっさとやるぞ」


なんだか怒っていらっしゃる。心なしかシオラマ様も睨んでるように見える。


お堂に入ると水晶を囲うように陣が書かれていた。


「さて五十嵐。お前にはこの祝詞を読んでほしい」


そういわれて紙を渡される。一面漢字びっしりだ。


「急に読めって言われても・・ほらこことか読めないし」


「大丈夫。読み始めたら自然と次の言葉が浮かんでくるから。あと何があっても言うことを止めないで」


「ちなみに止まったら?」


「お前に呪いがかかる」


「まじかよ‼俺が読んでる間如月は何してんだよ」


「私はその間に妖怪を撮ってる」


そーかい。こんな大役できるかな・・。


「じゃ五十嵐。水晶の前に行け。それから江口さんあなたはここに座って。よし、じゃ五十嵐。祝詞、読んで」


よし。行くぞ・・深呼吸してから読みはじめる。


「掛けまくも畏き、伊邪那美の大神——」


おお!すごい。次読む言葉がスラスラ出てくる‼


「縺ェ繧薙□雋エ讒假シ∽ソコ縺ョ驍ェ鬲斐r縺吶k縺ョ縺具」


「‼来た‼」


うっわ。想像した奴よりデカい!あれ絶対3m以上あるだろ!とにかく読まないと!


「禊ぎ祓へ給いし時に、生り坐せる――」


「繧?a繧!」


ああもううるせぇなこの妖怪。何言ってかわかんねーんだよ。如月は何やってんだ。


「ああ、砂ぼこりが舞って全身が映んない・・・!」


なんかてこずってんな。どうすんだよ。もう半分読み終わんぞ。


「諸の禍事・罪・穢、有らんをば——!」


いきなり、突風が吹いた。なんで急に・・?


「シオラ‼ありがと!砂ぼこりが晴れた今なら・・・」


「縺励∪縺」縺!」


パシャ。


「聞こし食せと、恐み恐みも白す。」


「できた・・」


祝詞が読み終わる前に如月のシャッター音が響いた。


「あのー成功ですか・・?」


江口が心配そうに聞いてくる。


「ああ、江口さん。ちゃんと成功したよ。もう帰っていいよ、気をつけてね」


ありがとうございました。と礼を言いながら帰った江口を見送ったことろで如月が口を開いた。


「手伝ってくれてありがと。おかげで写真取れた」


「いや、ほぼシオラマ様のおかげじゃね」


「いや、あの祝詞がないと妖怪は来なかったから」


「そうか」


なんだかこそばゆいな。あ、そうだ


「そういや、お前の百鬼夜行どうなったのさ?」


急に如月の目つきが変わる。


「よくぞ聞いてくれました!あの妖怪のおかげで集まりました!」


「よかったな」


「そ。だから、今日百鬼夜行を開催します‼」


「はぁ⁈」


そう言うが早いが如月の後ろから大量の妖怪がでてきた。お、あれ餓者髑髏じゃね?こっちは九尾の狐⁈どこで捕まえたんだよ。そう思っていると不意に、如月に腕を掴まれた。


「こい!五十嵐!特等席から我が百鬼夜行を見せてやる!」


そう言うと手ごろな妖怪の背に乗せられた。


ある程度上に上がるとこの百鬼夜行全体が見えた。それはまるで、怪しい光を纏った天の川のようだった。怪しくて、妖しくて、美しい。これは見てよかったな。


「ほれ、お前の家だ。」


いつの間にか空の旅は終わっていた。


「如月はどうすんだ」


「もう少しパレードしてくる」


「そうか。じゃあな」


「ああ。しっかりアフターケアの対価。もらったぞ」


そう言い残して如月はまた空に帰っていった。




次の日、学校では、妖怪を見た。という噂で持ち切りだった。しっかし、俺だけあの百鬼夜行の詳細を知ってるというのは気分がいいな。それにしてもきれいだったな。まるで、幻想の中にいるような感じで。




さて、これで俺の非科学的な物語は終わりだ。なかなかいい感じに締めができたんじゃないだろうか。さあ、ここで聞こう、あなたは妖怪を信じるか?まぁ夜空を見たら答えがあるかもな。っと、思ったより長くなったなそれじゃ締めとしますか!では、また逢う日まで!

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