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砂の重み

作者: 霜月

 手に伝わる金属の冷たさが、掘るたびに感じる砂の重さが、幼き日の記憶を呼び起こす。

 あれは小学生低学年の頃の出来事だった。

 お気に入りの公園があった。滑り台にブランコ、シーソー、鉄棒。うんていやジャングルジムと、そこには他の公園とは違って沢山の遊具があった。そんな中でも特に気に入っていたのは砂場。子供十人くらいなら余裕で入れるその砂場で遊ぶことが、当時のなによりの楽しみだった。

 夕方から真っ暗になるまで遊んでいた。

 一緒に遊ぶ友達もいた。だけどその子の名前は知らなかった。何故なら一言も喋っている姿を見たことがなかったから。

 公園に行くと、決まってその男の子は砂場にいた。砂場以外で遊ぼうと言っても、首を横に振るだけで動こうとしない。黙々と砂を弄るだけだった。けどそれでもよかった。一人で遊ぶよりはずっと楽しかったから。

 出会ってからどれくらいの日が経ったのだろうか。ある日、砂場から一人の児童の遺体が見つかった。砂に埋められていた男の子の遺体だ。

 そんなことがあって連日連夜大騒ぎ。公園への立ち入りも禁止になった。

 いつもの癖で小さなスコップを持ってぶらぶらしていると何度か声を掛けられた覚えがある。

 結局犯人は見つからず、事件は迷宮入り。曰く付きの公園となって、人は寄り付かなくなったが、今もその砂場は残っている。

 予想だが、あの男の子は訴えていたんだと思う。自分がここにいるということを。

 今度は出てこられないほど深くに埋める。

 夜の公園。大きくなった体とスコップで、あの日よりも深く深く、掘り進めていく。

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