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失われた日々から光を
玲が小学生の頃、兄との関係はもっと親密だった。翔は優しく、玲の面倒をよく見てくれた。
だが、ある日を境に全てが変わった。
それは、両親が突然の事故で亡くなった日だった。
翔はそれ以来、心を閉ざしてしまった。
玲は何度も兄に話しかけ、支えになろうとしたが、その努力はことごとく拒絶された。
玲は学校の友人からの誘いで、市の図書館で行われる講演会に参加することになった。
テーマは「家族の絆」
その講演会で、玲は講師の話に深く感銘を受けた。
「家族の絆は、一方的なものではありません。お互いに理解し合い、支え合うことで強くなるのです。」
玲は、兄との関係を変えるためにもう一度努力する決意をした。