冒険の終わりと入学試験
「依頼されてたドラゴンの討伐も終わったし、一旦町に戻ってのんびり観光でもするか」
「そうだね折角シルべニアまで旅行に来たのに直ぐに依頼が入ってまだ全然観光できてないよ」
俺とヒナは依頼を終えくだらないことを話しながらのんびりと町に向かって歩みを進めていた
「やっぱり最初に観光に行くならお城だって」
「いやいや町のはずれのお花畑でしょ」
俺たちはそんなことを話していると急に後ろからすごい勢いで矢がで矢が迫ってきた
俺はとっさに
「危ない」とヒナをこちらに引き寄せた
「びっくりしたー助けてくれてありがとうね、
でも何で急に矢なんかが飛んできたんだろう」
ヒナはそう疑問を口にした
俺はさっき飛んできた矢をよく見てみた
これは、アローバードの矢?
でもおかしいな、このあたりにアローバードは生息していないはずだけど
「カノン君、この矢なんか手紙が着いてるよ」
「ホントだ先も普通の矢と違って丸まった粘土でできているし俺たちを襲おうとしてる訳では無さそうだね」
「何だろうこの手紙」
ヒナは矢から手紙を外し、読もうとしていた
俺はまた新しい依頼かな
前の依頼も受けたばっかだし面倒くさいな、などと考えていた
「えーっと、とりあえず読んでみよう」
ヒナへ、あなたは別の街で冒険をしているとのことですが、あなたをペルシャ学園へ入学させることになりました
一週間以内に荷物をまとめて家に帰ってきなさい 父より
俺たちは数秒間フリーズした
「えーーーペルシャ学園ってあの実力主義の学園だよね、しかも入学するってことはカノン君とお別れになる訳だし
わたし絶対入学なんてやだよ」
ヒナはそう悲鳴を上げた
俺はヒナのことを本心から可哀そうだと思った、なにしろペルシャ学園は俺たちの国で唯一の実力主義の学校で
卒業率も三割程しかなく授業のカリキュラムも相当きついらしい俺はヒナに同情しながらも
「お前のお父さんは国のお偉いさんだろ学園との繋がりもあるだろうし素直に行ったほうがいいと思うよまあ入学しても俺と全く会えないって訳じゃないだろうし寂しくはなるけど頑張れよ」
と励ましの言葉をかけた
ヒナはしばらくうつむいていたが、急に顔をあげてにやにやしだした
俺は何か変なこと考えてるな、と思いながらもヒナに
「どうしたんだ」
と声をかけた、するとヒナは
ふっふっふ天才のわたしはとてもいい案を思いついたんだよ、カノン君も学園に入学してもらおう
そうと決めたら入学試験の願書出しとくね、そこの鳥ちゃん、この手紙をペルシャ学園まで届けてちょうだい
ええええ、ちょっと待てヒナ俺は入学するなんて一度も、あんな厳しいって噂の学園に入りたくないよ
そもそも入学試験だって受かるかわからないし
さっきまでヒナに同情していた俺だったが急に自分もそちら側に引きずり込まれるなんて、しかも俺に有無を言わせずもう願書まで出したとは、、、
俺はヒナに殺意まで覚えた
わたしだけが学園に入るなんてまっぴらごめんだからね、地獄になら一緒に落ちようよ
試験で手を抜いて落ちるのもやめてね、カノン君は最強だからまともにやれば絶対受かるんだからね
俺はぐったりとしながら街まで帰ったがその間なぜかヒナはずっとにやにやしていた
カノン君と学園生活か、今まで旅ばかりだったし、たまにはそういう青春もいいかもね
--七日後--
俺たちはなんだかんだ故郷であるこの街に戻ってきていた
まさかこんな形でかえってくるなんてな
俺は先のことを考え、足どりが重くなった
俺たちは街に帰った後ヒナの両親のもとを訪れた
ただいま
ヒナはフランクな感じで家に入っていったが
俺は失礼しますと一礼してヒナの後をついていった
「ヒナおかえりなさいそれと、、君はカノン君と言ったか」
「はいヒナさんと一緒に旅をさせていただいておりました」
「そうか、ところでヒナ今日は何でカノン君も一緒に来たのかね」
「お父さん実はカノン君も学園の試験を受けることになったの」
「そうだったのか、まあせいぜい試験を頑張れよ君には一筋縄ではいかないと思うがな」
「肝に銘じておきます」
ヒナのお父さんは俺には冷たい感じで接してきた、
まあ貴族としてむすめが冒険者になるのをあまり良くおもっていなかっただろうし俺がヒナと一緒に旅にでていたのが気に入らないのだろう
俺はその後、少しヒナと喋ったあと家を後にした
俺はヒナの家を去ったあと、一人で宿に来ていた
ヒナの方はというともう学園の寮に入っているらしい
ペルシャ学園の生徒は七割が国の重鎮などの推薦で決まる試験で入れるのは残りの三割ほどだ
推薦者はいち早く入学して実力測定などをするみたいだ、一方で俺たちみたいな受験者は倍率十三倍越えの試験受けることになる
少し厳しい試験になりそうだな
「まあ落ちる気ははなからないけどな
俺は静かにそうつぶやいた」
--試験当日--
あの後少し装備を買い集めたりしたがなんだかんだで試験当日を迎えた
学園側から配られた書類によると装備の持ち込みなどは基本なんでも許されている
俺は試験会場と言われた場所に行くと大きなホールのような場所に三百人程の人が集まっていた
ここにいる全員が受験者か、俺は周りを見渡す
大体みな十五から十九歳くらいか俺は余裕を持ってそんなことを考えていると
急にホールの真ん中にモニターが現れた
「いよいよ試験が始まるのか」
試験開始 その文字がモニターに写された瞬間俺たちの足元にホール全体を覆うほどの魔法陣が出た
すると俺の周りの人たちはみなどっと倒れてしまった
何事だ、俺は急な出来事に多少驚きながらも魔力探知をかけた
測定結果は、、、
光属性の睡眠魔法か、睡眠魔法は自分よりランクの低い相手を強制的に寝かせることができる魔法だ
この魔法を使った魔術師は大体Sランク相当な実力者だろう
にしても、光魔法か
光魔法といえば国に仕える一部の上級魔術師しか使えないはずだ
だとすると、これは試験の一環だと考えるのが妥当だろう
俺だけ魔法がかかっていないのも不自然だし、俺も寝たふりをしておくか
俺はほんの一瞬、時間にしてコンマ五秒ほどでそれを判断しホールの床に倒れた
あれから十五分ほどが経った頃だろうか
俺は、こんなに待って何も起きないなら一回起き上がって状況を確認してみるか
そんなことを考えていた時だった
突如ホールの扉があき、二人の男が中に入ってきた
「はー、こんな大人数に睡眠魔法をかけるのは疲れますよ
こんな小賢しいことなんかせず、直接転移魔法で送ればよくないですか」
「そんなバカ言うな、これから転移する試験会場の場所がバレてしまったら外部と接触される危険性がある魔法による逆探知などを防ぐためにもこうするのが妥当だろう」
「そういうもんなんっすかねー」
俺は二人の会話をこっそり聞いていた
どうやら二人は学園の関係者らしい
ここはまだ試験会場ではなくここからさらに移動するのか、
俺はどんなとこに行くのかな、などと考えていると
足元にまたも魔法陣があらわれた
「転移魔法だな」
抵抗しようと思えば魔法にかからないことも出来るが
そんなことをする意味もないので俺はそのまま転移魔法によってどこかへ飛ばされた
しばらく亜空間の中を通っていると急に大きな穴ができそちらへ吸い込まれた
「ここは、、、街?」
俺は目をこすりながら、目の前にある沢山の建物を眺めていた
しかしおかしいな、全く人の気配が見えない
俺は目の前に映る光景について思考をめぐらせていた
すると
「「ここはどこだ俺は何で寝て」」
などと言い続々と受験者たちが起き始めた
やがて全員が起きたころ
さっきと同じようなモニターが上空に浮かび上がりモニターに人が映された
皆さん、我がペルシャ学園の入学試験にご参加いただき誠にありがとうございます
これより試験を開始いたします
試験内容は簡単
これから皆様には
「「「デスゲームをしてもらいます」」」
次回へ続く→デスゲームとソロキャンプ
小説家になろう初投稿です!!
物語は結構面白くかけていると思うので続きも見てくれると嬉しいです
2,3日に一回は投稿できると思うので
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