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第7話 夜、謎の魔法使いに会う

 寝る前に俺はドラゴンに寄りかかりスマホを取り出した。YouTubeのアナリティクスを確認するためだ。

 開くと登録者数が106人になっていた。


「うおおおお!」


 増えているとは予想していたが、まさか三桁になるとは思っていなかった。

 昨日投稿した動画の視聴数、10236回再生。

 まさかの一万回越え。すごすぎる。

 昨日以前の動画も視聴数が増えていた。

 コメント数、105件。様々な意見や議論がされていた。


『底辺YouTuberみたいなゴミ動画量産してたやつがこんな動画出してるのが現実味あるな』

ー『無断転載じゃね。こんなCG技術、この底辺YouTuberが持ってるわけない』

ー『なぜ本当だと思えないのか。ドラゴンは存在するんだよ』


 議論が白熱している。張本人として見ると面白い。 しかし、俺の動画をゴミなどと揶揄するコメントが多く見られる。少しショックだが、コメントしてくれてるだけで嬉しい。許容範囲だ。


「新しい動画、投稿するか」


 ビデオカメラとスマホを繋げて動画をスマホに取り込んだ。

 まずはドラゴンを観察する動画の編集を始めた。余分なところを簡易的にカットしていく。

 タイトルは『未知の生物、ドラゴンを観察してみた!』でいいかな。


「よし、投稿!」


 しかし何故だろう。スマホの左上にネットワークに繋がっていることを知らせるマークがついていない。変な星マークがついているだけだ。なのにYouTubeに投稿できる。そのほかのネットワークに繋げる必要のあるアプリは使えない。

 念の為に検索アプリを開いてみる。


「ん?」


 昨日見た時とは違う文面が綴られていた。


『1000000ポイント支払いで解放』


 なんだこれ。ゲームか何かだろうか。

 すると突然ドラゴンが起き上がった。

 何かこっちに近づいてくるものに気がついたみたいだ。

 音の聞こえる方向を向くと1人の人影が見えた。

 その人影は徐々にこっちに近づいてくる。

 顔が見え、目が合った。緑色の髪を下ろした女性だ。腰に剣を据えていて、草と花でできた腕飾りをつけている。

 少し警戒したが、敵意はなさそうなので安心した。


「こ、こんばんわ」


 俺は話しかけてみる。女性は少し戸惑った様子で言葉を返した。

 しかし言語が違っていてわからなかった。

 女性はドラゴンを不思議そうに見た後に鼻を撫でようとした。

 しかしドラゴンは避けた。警戒心が強いのだろう。 女性はドラゴンの怪我に気がついたのか、心配そうな顔をしてドラゴンに近づいた。

 治療ができるのだろうか。

 女性は手を重ね合わせ、手のひらを怪我に向け、力を込めるような動作をした。すると、薄い緑の色の微光が手のひらから発せられ、怪我の辺りを照らした。

 それに伴い、傷口が閉じていく。


「魔法?!」


 この世の力とは思えないものだった。どういう原理で怪我を治したのか全くわからない。

 やがて傷口が全部閉じた。

 女性は笑顔になって、ドラゴンは嬉しそうに唸った。


「ありがとうございます!」


 言葉は伝わってないが、思いは伝わったと思う。

 緑色の髪を靡かせ、女性は去っていった。


「良かったなドラゴン!」


 ドラゴンは嬉しそうだ。

 しかし、さっきの術はなんだったのだろう。

 ここは俺のいた世界とは違う別の世界という説が一段と有力になった。


ーーーーーーー

名前:辻風 昇

職業:無職

チャンネル名:ノボルチャンネル

登録者数:106

総視聴回数:12368

総再生時間:2385.4

直近の投稿動画

『助けてください』

視聴回数:10236

高評価:456 低評価:32

コメント:105「これ本物? CG?」

『未知の生物、ドラゴンを観察してみた!』

視聴回数:5

高評価:1 低評価:0

コメント:0

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