第1話
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第1話
日がしっかり沈み、夜の闇が世界を支配する時間。
そんな中…
「はぁはぁ…」
一人の少女が走っていた。
…こんな時間帯を全速力で。
「これだけ逃げれば…はぁはぁ……大丈夫………?」
私はそう思って振り向くと、そこには何も居なかった。
勿論、影も形も。
「ふぅ、撒けたかぁ…」
『残念、お前の上だ。』
「えっ……」
声がした方を向くと、大きな口が私の頭上に広がっていた。
(あっ、ダメだコレ…)
私は瞬時に悟ってしまった。
このまま、私は食べられてしまうのだと。
…ああ、もうちょっと贅沢しておけば良かった。
駅前のケーキバイキングに誘われた時、太るのなんて気にせず行けば良かった。
自分のイメージが崩れるのなんて気にせず、自分らしく生きれば良かった。
アイツみたいに強く在れば…
…ていうか、さ。
「早く助けっ「言われなくても助けるよ、雛。」っ遅い!」
『なっ、誰ダブッ!?』
アイツの声が聞こえた瞬間、汚い声をあげて頭上の化け物が吹き飛んでいく。
ざまぁみろ!
「今度は鳩の妖魔か。平和の象徴が聞いて呆れる。」
「もぅっ、遅い!もっと、早く来れなかったの?」
「それに関しちゃすまん。だが、今は離れてくれ…」
「あっ、ごめん!!」
そうだった!
今の私はアイツにも相当ヤバいんだった!
『ぐっ、貴様!同類か!?この美味そうな獲物は俺の物だ!』
「美味しそうなのは色々な意味で同意だが、お前には渡しはしねぇよ鳩ポッポ。」
そう言うと、彼の背中からモゾモゾとナニかが現れる。
そのモゾモゾとした物は正しく…
「何度見ても気持ち悪いなぁ、その百足。」
「いい加減、慣れろ。」
無茶言わないでよ…
『百足!?地を這いずり回る事しか能がない虫けらが!この俺に勝てる訳がない!』
ああ、フラグ建てちゃったよ、あの鳩ポッポちゃん。
だって、アイツの百足は…
『さぁ、降参するなr「煩いから、もう食べたぞ。」なっ…』
目にも止まらぬスピードで、鳩ポッポちゃんは身体の半分を食べられた。
鳩ポッポちゃんの思考も身体の反応も追い付かず、グロい感じなまま固まっちゃってるよ…
『な、何でたかだか百足ごときに…』
「残念ながら、唯の百足じゃねぇんだ。」
『まっ、まさか!?』
「おそらく、正解だ。ご褒美として、俺の血肉にさせてやろう。」
と、鳩ポッポちゃんは百足達に囲まれ、球状になり、やがて消化されていく。
何がご褒美だよ…唯のR-18-Gじゃん……
「さて、帰るぞ雛。」
「…はぁ、そうね。今日はとびっきりの晩御飯をご馳走してちょうだい。」
私達はこうして帰路に着く。
はぁ、私は普通の日常が欲しかったのに…
…何時からこうなってしまったのだろうか?
続く
鳩妖魔
平和の象徴の鳩が妖魔化した存在。
割と残忍でグロテスクな見た目なのだが、ちゃんと鳩に見えるのが凄い奴。
今回は珍しく一匹だった。




