第八十八夜 なんとしてでも大野奥に活躍の場を
表お茶会の幹部師範を興雲寺での修行に との話が
なぜか、幹部どころか師範ですら無い 八木爺が興雲寺で修行という話になっていた
「え、、、、」となってる八木爺に
「二週間も籠もって修行すれば、かなり格好が良くなります」
と八木爺の気持ちも考えず真面目に回答する神田
「うちの小僧たちが世話になっておると聞く、修行の手伝いはさせて頂く」
と追撃の地童大僧正
逃げ道無しと踏んだ、八木爺
「私と私の控えの森山も面倒を見て頂きたい
森山は夜の街の帝王からの卒業の仕上げ」
森山先輩を巻き込む
バーカウンターの隅でコーヒーを飲んでいた森山先輩
スツールから落ちる 三枝師匠バリの、見事なコケ
「それは良い案ですね 見合いの前に地童様の所で修行」八木奥
「森山、渡辺と話をして日程調整を頼む」となってしまう
流れ弾が跳弾して食らった森山先輩 即切り替える
速攻電話しだして、調整を始める
電話が終わった森山先輩の廻りに集まる十人
お「森山先輩、流れ弾もいいとこなのにエライ速攻で対応しましたね」
森「明日から二週間で調整して貰った 渡辺は地獄行きだ」
加「また、急に」
森「おっさん達の式の二週間前 9月末に見合いだ
それまでにやれることをやって、天命を待つ」
全員黙る
「良い心がけじゃ、修行の成果、しかと見届ける
成果があれば、卒業証書を儂が書く」と地童大僧正
「そこまでして頂ける」
「成果次第じゃがの、成果を追い求めると返って何も無くなる
落ち着き、欲をなくし無の心に」
「そのお言葉胸に刻んで明日から向かいます」
「判った 明日一緒に興雲寺に」
明後日の方向に行ってしまったが、思わぬ所で森山先輩が 超前向き やる気充分
お「良かったとしよう」
加「そうしておこう」
陽「気の毒かと思ったけど、あれだけ前向きならね」
「勝手に居なくなるって、後始末を押し付けられた、渡辺さんという方が気の毒だ」
後始末の達人 The貧乏くじの神田らしい感想が口から出る
17時 後1時間は余裕がある
お「神田 さっきのプランを」
神「急先鋒の奥様方も揃っているようなので」と一旦切る
「私、神田は日本土建研究会の幹事長として、財界大野派の支援を頂いております」
おい、そっちから行くか と加藤
佐々木も、そっちから行かれると俺達もだよな
任すしか無い と栗原
おっさんも黙る
嫁さん達も固唾をのんで見守る
「この場を借りて、まずはお礼を述べさせて頂きます
続いて、茶・着物での縁を繋いで頂きたくお願い致します」
全員が神田を見つめる
「奥様方同士の縁も大事かと、愚考しております
着付け合宿を通じての、先輩奥様から嫁たちへの着物の譲り渡しでの
強固な御縁を築きたく」
真正面から切り込む神田
密談する四人の男
加「あーも、真正面で行かれるとな」
お「神田らしいが、この先どう持っていく
地雷原をまっすぐ進む気かな」
「まず、栗原夫妻の関東着付け合宿を下妻で
うちの由美子の着付け合宿を九州は菊池で
木原さんの着付け合宿を山口の美祢で
若宮さんの着付け合宿は岡山の備前で
ひろ子さんの合宿は関西と仙台と石巻で
ひろ子さんの関西合宿のみ緊急で、関西にお願いしたい
中部は、通えるので都合を合わせての修行
栗原夫妻とひろ子さんが通う
その他は、式の後でゆっくり計画をお願いしたい」
「関東の 下妻 仙台 は八木の奥様の主導で
石巻はお茶会に合わせて でよろしいですか」
「下妻は私、大野が仕切らせて頂きます」
「仙台は私、古山が仕切らせて頂きます」
「石巻は私、三井が仕切らせて頂きます」
「関西は緊急のため、私 真咲と遠藤で仕切らせて頂きます
西日本については持ち帰り、相談とさせて頂きます」
「なにも、今回の一回だけではなく、定期的にあちこちで交流会的に
開いていければと考えておりますので、あまり気張らずに行きましょう
そして、これが一番大事なことですが、新たに作るは無しで
あくまでも、諸先輩方の箪笥に眠っている着物関係をお下がりで頂く
これが崩れると、我々もお願いが物凄くしにくくなる」
「そうは言われても、弥勒様の三山のお墨付き後の初の茶を頂いた身としては
一式誂えさせて頂きたくとなります」と真咲さん
「そうなると、五茶人の加藤さん 佐々木さん 栗原さん の初の茶を頂いた
我々も、誂えさせて頂きたくとなります」と五師範
この言に、今日から参加の五人の顔が渋くなっていき、急速に面倒くさくなっていく
おっさん、神田の仕切り力を信じて黙って見守る
地童大僧正も、何も言わない
加藤達も、おっさんや地童大僧正が見守るならと、沈黙を守る
「そんな細かいことで、拘られてはいろいろ面倒
この会の趣旨は、着付けの先輩からうちの嫁にお下がりを頂く
その返礼で茶を振る舞う
この本筋を外すのは、誰も徳をしないどころか不公平を呼ぶ
ゴリ押しが嫌いなのも約一名居ますしね」
と筋論で押切りに掛かるついでにゴリ押し嫌いなおっさんに振ってくる神田
「神田さん 嫁と言われましたが式はお済みですか」と三井さん
「まだ、これからです」と声が小さくなる神田 地雷どころかホーミング魚雷が来た
「ご予定とかは」と真咲さん
「まだ、なにも」音紋を取られデコイも効かかない状態、更に声が小さくなる
「神田 いいか」とおっさん 話を変えに掛かる
「頼む」と離脱する神田
「ゴリ押しは嫌いだが、三井さんは俺の初陣に参加して頂いた
大野さんはご主人はやらかすは、ご自分も参加してない
なんとか挽回して貰わないと大野派の結束にも影響する
大野さん、関東関西中部含めて、そういった方を十名集めてもらえませんか」
「十名ですか」
神「なにするんだ」
お「結婚するんだ、正式な場に来て行く紋付きの訪問着くらいは要るだろ
それを、何も出来なかったトコで作って貰って、茶会を開く
着物を頂いて俺が茶を振る舞って、廊下で寝てる、写経をお礼に配る」
加「それだと、俺達がおんぶ抱っこ 俺が茶を点てる」
神「じゃ、俺は掛け軸用の書を書いて、返礼とするわ」
佐「ちょっとまて、万理さんのもだろ 神田は書でいいけど茶は俺が」
こっちはこっちで揉めだす
「判った、俺が悪かった」と謝るおっさん
「解ればいい」と四人
神「それで、どうする やらんと向こうも収まらないし」
お「神田には世話を掛けるが、軸の書は全員分書いてくれ
地童和尚 位書きはお願いできますか」
地「神田の書ならな お前の書だと赤い墨汁で添削じゃ」
お「ひでぇ」
神「おっさんの字が下手なのは置いておいて、
ご夫婦二組の完全プライベートな茶会だな
その日は、完全に二組四名だけ 前も後ろも入れない」
加「場所も特別な場所がいい」
佐「全力のお点前になるからな」
栗「そんなん、何処の茶室が持つんだよ 余程の所じゃないと」
お「しかたない 凌雲和尚に頼む あそこの本堂奥の祠なら大概持つ」
地「一般人では、あの祠に入ることすらが出来ぬが」
お「そこは俺達が先に入って無理くり道を作れば、なんとか」
地「入ったことがあるのか」
お「まだ力がヘボい時分に一回入って二時間座禅を組んだ、死ぬかと思った」
地「普通は、そのままなのだが」
加「そんなヤバイところなのか」
お「ヤバイ が 世界が作れる 俺はその二時間で曼荼羅の世界に行った」
佐「全力で世界を作っても」
お「ああ、平気だ 何重にも結界が張ってある 外には漏れん」
栗「それって入るのも難しい ってことか」
神「そりゃそうだろ」
お「どうしてもなら、凌雲和尚に頼んで確保するし
喜楽の茶室も、神田の永遠の後二歩の永遠の五分に耐えた
薬師様も摩利支天様もご来臨されてる 筋としては問題ない
俺の世界にも耐えているから、大分染み込んで鍛えられてる」
「それなら、ぜひ喜楽に 弓月も喜びます」とかおるさん
「敷島は」とひろ子さん
こっちも揉めだした
向こうも揉めてるようで、十人が決まらない
「おっさん、あっちの地雷は態と踏み抜いたけど
こっちで揉めるのは予想外だったな」書での返礼がある余裕の神田
「これか、字が下手だと三倍損をする、実感した」とおっさん
「もう、収拾が付かん おっさん得意のくじ引きでどうだ
場所も関東は下妻 関西は松阪 で後は投げる」
「最後にドン詰まったら、そうするがまだ30分の余裕がある
もう一足掻きしてみる」
「奥様方、新規作製組の資格喪失している方の名前と理由を言いますね
真咲さん 既に今着ている着物を頂いています
遠藤さん ご主人より27を三台も頂いております
八木さん ドレスにタキシードに指輪 頂きすぎです
三井さん 俺の初陣を、ご主人には神田はデビュー祝って頂きました
蟹江さん 仲人の鬼の金言を頂いております
古山さん ご主人に神田の日土研デビューで支援を頂いた
大野さん きっちりまとめて下さい
茶会は完全プライベート ご夫婦二組 四名 その為だけに各人が嫁連れて行きます
場所もお任せします
以上お願いできますか」
なんとしてでも大野奥に活躍の場を提供したいおっさん
「私もダメですか」と三井さん
お「残念ながら、指輪の進呈をされてますよね」
三「それだけで」
お「加藤にとっては一生の思い出を頂いております」
完全な屁理屈だが、そう言ってしまえばそうなる
とにかく数を削りたいおっさん 因縁レベルでも削る
「古山さんもご主人に、俺達の日土研デビューを
懇親会のサポートを出して頂いて貰っているので」
因縁レベルで削る
「なので、初陣を祝って頂いた方も資格喪失です」
この一言で中部・関西勢が一気に削られる
「中部の六爺も普段から、飲食でお世話になりっぱなしなので」
とダメ押しで削る
思いつくだけ因縁レベルで削ったおっさん
「嫁さん方は、剣崎さんの着付け教室で採寸をしてね」
と終わったつもりで居たおっさん
この一言を見逃さず食いついてくる真咲さん
「五茶人のお着物も二揃えは必要なので、二十名までですね」と言ってくる
「俺達はお下がりで充分」と抗うが
「いえ、表お茶会の顔 そう言う訳には行きません
その十名は関西で選ばさせて頂きます」と真咲さん
大野さんと真咲さんを呼び七人で密談
お「因縁レベルで削りましたがまだですか
大野さんの所で十人にまかりませんか」
大「やってみますが、なかなか大変で」
加「着物と帯で分けるとか」
大「そう言う訳には、行かないのが」
神「関西はなんで」
真「旧三丸派から執り成しを頼まれていまして
主人が吸収していますが、彼らに何かさせないと」
佐「それで 恐怖を支配する悪魔 で頂いている ですか」
真「京都で私達を助けて頂いのも、かなり影響しています
受け取って頂けると彼らも安心します」
加「そっちかぁ」
佐「派手にやったからなぁ」
栗「京都のは、やった組だけじゃなくてその上の上も、
依頼元まで全部だったからな」
大「関東も、旧三丸派から執り成しを頼まれておりまして
なにか執り成しの品に
うちは特に主人がやらかていますし」
お「なので大野さんには最大限の譲歩をしていますが」
今宵も深けたようで




