第七十ー夜 あの美人さん相手に、神田から行けると思うか
座敷に着くと、加藤達七人が待っていた
「神田が幹事長就任と聞いたから
乾杯の発声は俺しか居ないと出てきた」と加藤
「間宮さん、速攻で行ったんだ」と陽子さん
「まぁまぁ、紹介も済んでるし、その辺の話は乾杯の後で」とおっさんが言うと
「さっき生飲んで枝豆摘んだやつが」神田に返され
佐々木が「上下関係なし
真ん中に神田幹事長を、ルールはこれだけサクサク座ろう」
と大僧正もお構いなし
双雲和尚と地童和尚もサクサク座るので、、サクサク座るしかない三山
中居さんが枝豆と生ビールを配膳しだしたので、おっさんとひろ子さんも
空いている席に・・・下座のど真ん中しか空いてない 座る
隣に座った、双雲和尚に「理解りますか?」と訊いてみる
「何か、何かが変わったのかとは、推測の域ですが」と返ってくる
加藤が「ビールと枝豆は着た、乾杯するぞ
神田の幹事長就任を祝して 乾杯」と一気に行った
男五人は生小をぐいぃぃぃぃんと飲み干し
ドンドンドンドンドンとジョッキを置いていく
ドン ドン と来た 間宮さんが先 ひろ子さんが続いた
双雲和尚と地童和尚はまだ呑んでる
三山は、半分も行ってない
「ひろ子さん 間宮さん 行きましたねw」と加藤が問えば
「呑まずに居られない 書の全国が自慢できなくなったのよ」
「私のお茶の師範免状が、また紙くずに」
陽子さんが
「ちょっと、”また”ひろ子さんの旦那さんがやらかしたの」と問う
お「その”また”は、本当に勘弁して下さいよ
自慢じゃないけど字が下手くそで、ひろ子さんの代筆頼み」
「違うって、だれ?」と三人の美人さん
「うちの弘樹くん」と間宮さん
若い男三人は「??? だれ?」となるが
栗原が「神田って 弘樹だよな」
「そうだよ」と神田
「そう、うちの弘樹くん」と間宮さん
急遽、集まる三人に呼ばれるおっさん
加「何がどうなってる」
お「今タキシードと指輪と花束の準備中だ」
「はぁ?」と加藤と栗原
「どっちから口説きに行ったんだ」と佐々木
お「あの美人さん相手に、神田から行けると思うか」
佐「俺は行ったけどな」
「おまえはOK確実で行ったんだろ」と突っ込まれるも
「それでも俺から行った」と譲らない佐々木
加「まぁ、佐々木のことは現時点で重要事項ではない
間宮さんから口説きに行ったのか
俺達5人全員口説かれ側かよ」
お「俺は、一応口説いた側だぞ」
加「あれが口説くなら、まぁ、それも置いとくわ
どうなってるんだ、せつ」そこまでで加藤の耳を陽子さんが
引っ張って席に連れ戻される
他の男たちも、それぞれの嫁の手招きで、席に戻る
かおるさんが
「和尚様方にお時間を頂きます」と要は黙って聞け宣言
「では、おっさん 知っていることを 項目別に 簡潔に」
「はい」しか言えない雰囲気
「はい
今週月曜日のアカデミアの宴席は知ってますよね
1.瀧本柿本の両教授に両側を抑えられ酔い潰された
2.間宮さんの膝枕で介抱されていた
3.瀧本柿本の両名に担がれ、座敷から出ていった
4.席に帰ってきたのは、瀧本柿本の両教授のみ
5.火曜の朝、間宮さんを呼び出したら
神田も一緒の車で来た
以上」
か「以上 ってその先は」
お「黙秘権を行使します その先は又聞きでしか無いので
ここで発言するのは差し控えます」
陽「火曜日の、山崎の会議室で日本土建研究会の仕切りを神田くんがやった
これは直に見て聞いて凄いと思ったけけど、私達ではアポも取れない
瀧本柿本両教授に挟まれて呑み潰されるとか担がれるとか
そのレベルでの親交があったの」
お「神田が集合と言えば、集まるレベルでの親交はある」
万「それは、おっさんと同じレベルということ」
お「拒否権に関しては俺以上 やらかしネタを山ほど持っているしな
もう、これ以降は本人二人居るから直接訊いてくれ」
万「言い逃れできないように、外堀を埋めてるの、もう少し答えて」
お「言い逃れさせてやれよ なのでこれ以降は本人に直接訊いて」
「万理さん、あきらめて こう言ったらもう無理よ」止めるひろ子さん
万理さん沈黙 代わって陽子さんが
「神田くん 火曜日の朝 起きたら何処に居たの?」
沈黙の神田 代わりに加藤が
「そこは神田に訊いちゃいけない」と逃げを逃げ道をつくる
ひろ子さんが
「タキシードは瀧本柿本の両教授 指輪はうちの人 旅行とドレスは山崎会長
私達の”愛の告白”は有耶無耶だけど、神田くんにはしっかりやってもらわないと」
と、方向を変えて攻め込んできた
「ちょっと待って」と栗原がやってない三人を集める
「タキシードは、本縫いも終わって確認だけだろ
遅くなればなるだけ不利になる」との事で三人の認識は一致
加「陽子さん ドレスの出来上がりは何時ですか」と話を変える
陽「来週の金曜日に最終確認よ」
加「俺達も金曜日に最終確認で、受け取り予定」
お「なので、土曜日の早い時間に、倶楽部かおりをキープして欲しい
佐々木組と神田間宮組は立会人をお願いする
それと、陽子さん ひろ子さん
良平さんの特訓の指導に行って貰いたい
良平さん抜きではやれない」
陽「それなら、おっさんが直接 って段差がありすぎて無理よね」
「それに俺達の型は、古い禅宗の型 余程の修行がないと無理」と神田が拒否宣言
お「たか子さん一人に任したら、神田みたいに3000年も修行しないと無理」
「神田もか」と三人が叫ぶ
お「お前らは、何処まで行った」
佐「軍勢は三人でクリア、阿修羅様とタイマンというか
三対一なら勝てるところまで、4000年掛かった」
加「現し世なら四晩だけどな」
お「ですって、双雲和尚 俗界でもできるんだから、比叡の奥の院で
出来ない理由はないですよ あの三人の坊主に頑張れと伝えて下さい」
双「耳が痛い 中居さん生のお替りを下さい、呑まないと済みません」
沈黙する、三山
「そう、虐めるでない」と地童和尚がなだめるが、下を向いたままの三山
お「話がズレた
良平さんの茶をなんとかして、たか子さんの理解を得ないと
我々全員が困る、この点についての異論は有るか」
「ない」と意見が一致した
お「ではどうする 俺や神田では無理 ならば師範免状持ちの
ひろ子さんと陽子さんに頑張ってもらうしか無い
良平さんの仕事は俺が代われる分は代わる」
ひ「また、あなたの誘導で結論が出てしまっているけど
それが現実解なのよね
教授たちがあなたを信頼する理由もそこなのね」
お「真咲さんの奥様の簡易のカセットコンロの釜も譲って貰ってある
どこでもお稽古は出来る、社内で空き時間にひろ子さんがお稽古を」
ひ「外堀内堀全部埋められて「はい、やります」しか無いじゃない」
お「他に必要なものは?
三山でも財界からでも、何処からでも引っ張ってくる」
神「久しぶりに”おっさんの詰め”を見たな
こうなったら、ひろ子さんの必要なものは全部揃うよ
この詰めで、瀧本さん・柿本さんが何回詰められたか」
陽「神田くん、この勢いで、あの教授たちを詰めたの」
神「何かが足りなくて難しい の一言で、速攻アポ無しで引っ張りに行く
そして引っ張ってくる
おまけで廻り廻った時のキーマンまで連れてくる
そして「これで出来ますよね」ニッコリして「さあ、やりましょう」
お「そう言えば、俺の初陣で、ひろ子さんに注意してた
八木奥も蟹江夫妻も、師範だよな
亀の甲より年の功 頼んでみるから、ひろ子さん森山先輩に電話を」
神「こうやって、必要なものを口先だけで、揃えていった
呼ばれた方も、必要とされてるんだ となって気持ちよく来る様になった
そして呼ばれた同士でも、反応してプロジェクトがいくつも発生した
プロジェクト同士もおっさんがブリッジして、更に加速
研究者としては面白くて仕方ない 仲間になりたがるのが集まってくる
そうして十二大学協同研究会が出来上がり、瀧本さんに代表になる様に
説得する役目を俺に押し付けたのが、柿本さんとおっさん」
間「すごく いい話なんだけど、最後が 苦労したのね
瀧本さんの説得って、もの凄く大変じゃなかったの」
神「伊達に”The 貧乏くじの神田”と定冠詞を付けられたわけじゃないよ」
竹内さんが苦笑混じりに、間宮さんに向かって語る
「それを、サラッと言えるとか、間宮さん、いい男を捕まえたわね
私は見逃していたわ やっぱり縁って有るのよね
頑張っていい縁を探すわ」
返しようがない、間宮さん 「有難うございます」をなんとか絞り出す
ひろ子さんとおっさんが電話から帰ってきて、生に口を付けたら中居さんに
「おっさん様、お電話です」と言われ、一口だけ呑んで電話に向かう
電話に向かうおっさん
地童和尚が「その良平さんとやらをうちで面倒を見ても良いが」との提案も
「無理、あの型を流れる様にとか、地獄の修行になります
今の良平さんには害でしか無いです
まだ、双雲和尚の所の方がマシ だけど マシなだけで
お二方とも人の限界近くに居ることを自覚して下さい」と神田が蹴る
地童・双雲の両和尚も納得せざるを得ない、蹴り
双「かと言って、三山は迷いに迷っておる、任せられない」
神「僧正クラスのほうが、まだ良平さんには合っては居ますが
連泊での修行にはまだ早いし、仕事の責任も有る、困った」
電話から戻るおっさん
「喜べ、援軍が来る なんとかなる」
ひ「八木さんの奥様ですか」
お「蟹江夫妻と五人で来てくれる
俺の茶を飲む時の所作は素晴らしかったし
生徒さんを何百人も教えた実績が有る現役の師範だそうだ
この五人なら、たか子さんも嘴が挟めない
よく判らんが、茶道界の重鎮らしいから、任せよう」
ひ「その重鎮らしいって、アバウトな所は」
神「本質でない所は、相当アバウト
本質は、所作が素晴らしい と 現役の師範
それ以外は枝葉末子と切り捨て、尻拭いは俺に来ていた
今回はたか子さんに行くと思う」
「それは、可哀想だけど、しかたないわね」と他人事にする、ひろ子陽子組
加藤の「一安心だな」に頷く二人
「何、他人事にしているんだよ、お前ら三人も良平さんと一緒にお稽古
日本で両手の指に入るらしい師範を呼んだんだから教えて貰え
陽子さん達の負担を考えろよ 27が待ってるしな」
「それは、助かるわ あなた頑張ってね」と美人さん三人も他人事
お「えっと、八木奥の言葉を伝えるな
10人まとめてだと五人は要るから、私と仲間と蟹江さん夫妻で面倒を見ます
以上」
ひ「その10人って、この10人のうち、三山のお墨付きの二人を引いて
良平さん夫妻を足して ってこと」
お「ご名答 師範の血が騒ぐって 明日の朝イチの新幹線らしいぞ
とりあえず、打ち合わせで山崎に来て貰う事にした
正解が出たので、ご飯を食べよう」と完全に他人事のおっさん
「うん、ここのご飯には期待してるから」とこちらも他人事な神田
「中居さーーん 次々料理持ってきて」と料理が気なる二人
ひ「陽子さん何見てるの」
陽「今年の幹部組織表の載った会報誌 あった・・・・代表師範・・・
蟹江夫妻が 師範会幹事」
神「な、おっさんの人の引きは強いって、行った通りでしょ
ホント必要な時に、ちゃんと呼べる体制にしてるからな
うん、この猪口の恵胡麻豆腐がうまし」
お「お凌ぎの煮麺もいいぞ」
食べてるのが、二人だけの状態で、加藤が陽子さんに
「その代表師範ってのは、どのくらい偉くて、厳しいの?」と訊く
「代表なんだから師範の一番偉い人
初心者には親切丁寧に粘り強く教えます と書いてあるわ」
「なら、頑張って教えを請えばいいのか ヨシめしを食うぞ」と三人の男
「私も、安心したらお腹が空いた」と初心者枠の間宮さん
しかし、間宮さん以外の四人の美人の顔が優れない
「続きを読んでよ」とひろ子さん
「免状に沿ったお稽古を厳しく致します って
私達は免状のランク別での鬼の指導・・・・
噂くらいは聞いたこと有るでしょ、代表師範のご指導って」
「その代表師範の血が騒ぐって 私達向け 完全な巻き込まれ案件」とひろ子さんが言うと
「うんうん、よくそう言うことがあった」とビールを呑みながらの神田
「はい あーんして お造りよ」とイチャつく間宮さん
「まぁ、神田は相当苦労してるから、イチャつく位は許さないと」な四人
お「阿修羅のヘボには三対一でしか勝てんのか」
加「もう1000年位やってるが、阿修羅様も強くなっていくしで平行線」
「俺も参戦しようかな」とか言ってると、
ひろ子さんに耳をつままれ引き寄せられるおっさん
「あなた、いったい、どんなお願いをしたの」
「俺の嫁や仲間を茶会に出しても恥ずかしくないように
ご指導をお願いします、だけだぞ」
「それで、表の幹部五人が朝イチの新幹線」
お「あ、地童和尚に双雲和尚
明日の朝ちょっと時間を頂きたい」
「それは良いが、なんじゃ」と地童和尚
お「伝説の地童和尚と 表に名も出ない双雲和尚
なんとか永観和尚には復活をしてもらって
10時位に山崎の俺の部屋で集合でお願いします」
地「何をさせたい」
お「有難うございます、集まる師範達に三山の検分をお土産に」
「まぁ良いわ」と食事を始める地童双雲の両和尚
ご飯を食べれるチームと食べれないチームに別れた宴席となった
今宵も深けたようで




