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第六十三夜 始まった日曜日の宴席

教授達が、入り切る頃、セルシオが六台車寄せに到着してくる

一条・山崎などの社長達が到着したのだ

「今日は私 おっさんの結婚報告に参加ありがとうございます

 しかしながら、この席はアカデミア アカデミアのルールで

 年長者ほど下座となっておりますので、ご了承下さい」

「ルールには従いましょう、地雷はありますか」と婿殿

「自称、常識を持った社会人との事なので判りません」とおっさん

「参加できただけでも、僥倖 了解した 隅っこで待ってる」と一条の社長


座敷を見ると30人を越していて、三間でギリな状態

ひろ子さんと間宮さんと三人で、女将に謝りに行くと

「何をおっしゃいますか、おっさんの結婚報告を大学の教授に行うのに

 この敷島を使って頂いてるんです

 茶の初陣を取られて、凹みましたが、これで挽回です

 また、私の鼻がピノキオですよ」

と気風のいい返事を頂き、人数分の料理を出して貰えるとのことで

一安心して、座敷に戻ると 雛壇 が出来ていた


「今日の主役の入場です」と神田にやられ、諦めて雛壇に着くおっさん達


「続いて影の主役 山崎土木の社長秘書の間宮さんです」と紹介する

「彼女のおかげで、この席が確保できました 皆さん拍手を」と煽ってくる神田


神田くん乾杯から成長したぞ とかガヤが飛んでくるが 構わず


「そして、ルール通り下座に行って頂いた、スポンサーの」で一旦切り

手で社長達の起立を促し、立った所で

「皆さんに拍手を」と拍手を促し、肩書を言わずにその正体を類推させる


「では、今日の主役の二人から」と投げてくる


「お久しぶりです、式が目の前に迫ってきた おっさんです

 こちらの美人さんのひろ子さんと結婚します」

「ひろ子です 苦労しそうですが うちの人を支えていきます」


やいのやいのとガヤが飛んでくるが、神田が手で抑え

「乾杯に行かないと先に勧めないので」といえば中居さんが生小を配膳していく

ビールサーバが5台もある


「乾杯の発声は誰にしますか」と神田が問えば

「神田くんしか居ない」

「成長した神田くんを見せてくれ」

とガヤの連発

「反対意見がないようなので       乾杯」といきなり発声

流石にアカデミアは付いてきたが、社長達と佐藤研と鈴木課長は付いてこれず


「じゃ、一杯呑み終わった方から、約束通り、僕と名刺交換お願いしますね」

「判った、神田くんの前に並ぶわ」と返される


神田に間宮さんが近づき

「これ、おっさんと坂井先輩の名刺 一緒に渡して貰えませんか」

「了解です、久しぶりに、これやるわ 間宮さんの名刺はないですか」

「え」

「僕がおっさんの名刺を勝手に作って、僕の名刺と一緒に配ってたんです

 そうしないと、ずっと僕が窓口になる 自衛の策でした」と笑う

「一応100枚は持ってますから」と渡すと


ごく自然に4枚の名刺を渡し、4枚の名刺をもらう 流れにしている

教授たちも「神田くんの自衛策か、懐かしい」と言って進んでいく


まただ、非常識が、日常になる世界に入った とひろ子さん


おっさんは、古田教授と密談中で、気にも掛けず

「いいの、名刺交換は」と訊けば 

「神田がやってくれてる、任したほうが理に適ってる」と返ってくる


古「おっさん、それ本気で言ってるのか」

お「ネタで古田さんを巻き込めませんよ、図面も起こしてあるし

  3つほど実物を試作中です 実車で評価しようと思ってましたが

  古田さんの顔見たら、理論も欲しくなって頼んでます」

古「どえらいことだぞ」

お「そこをなんとか、適当な研究名でやってもらえませんか」

古「まんまのマジでやっても通るが、納期は」


お「実機も出来てるんでasapで」

古「実車は無理でも1/10でやるのは・・なんとかしよう」

お「やって貰えます あとねコンピュータでシュミレートさせたいんですが」

古「おいおいおいおい 図面とタスクとスケジュールは」

お「これです、慌てて書いたので字が汚いのは見逃して下さい」と封筒を渡すおっさん

中身の計画書を読み、図面を見つめる古田教授


2020年代には一般化した技術を80年台に持ち込んだだけなのだが

古田教授にしてみたら30年分の技術の進歩を先取りになる


古「これ、おっさんの・・・・

  公式とか抜け抜けだが、言いたい事は解るし

  先端を飛び越してる、面白すぎる

  今日明日で必要な人財を集める」

  速攻で、頭の中はメンバーの選択が始まり

「お願いします」と、おっさんが言った頃には

宴席の出席者の中で当たりをつけにいき、席に居なかった


名刺交換会が一段落して進肴が出る頃に


「おっさん、仕事ぶりを紹介しろよ」と土木系の教授からでる

「一般常識によると、自分の口からだと、公平性が保てない

  研究部の鈴木課長からの報告がいいと思います

  そうですよね、鈴木課長と同期の大間教授」と全振りするおっさん

「鈴木課長 ガンバ」と神田が言うと 

「たしかに本人より他人の口から聞くのがいいわ」と土木系が納得して

「さっきの繰り返しでいいぞ」と大間教授も振る


逃げ道なしと諦めた鈴木課長 佐藤研での話を繰り返す


「どうです、”社会人として”仕事してるでしょ」とおっさん

「いや、かなりおかしい所だらけだが、仕事はしている」と教授たち

「元々が、アポ無しでおかしな事をやってたのから成長の後が見えませんか」

「それを言われちゃうとなぁ、納得するしか無い」とアカデミアが降参する


「神田も成長してるので、僕も成長しないとですね」と笑うと

「神田くんも、成長したぞ」とガヤが飛ぶ

立って深いお辞儀をして「成長した、The貧乏くじの神田です」とやる

会場中で笑いの渦となり、

席をあっちこっちと移動しながら、旧交を温めるアカデミア


「おっさん、こんなもんでいいか」と料理を食べビールを飲む神田

「やっぱ、アカデミアの仕切りは神田だよな

 加藤でも、これは無理だし、明日も頼むわ」

「やっぱりか、予想はしていたからOKだ、

 教授たちの名刺は間宮さんに渡しとくからな」

「何時もすまんな 今日も明日も食って呑んでくれ

 それと、接待の証明でコピー取って部長に渡せば、報奨もんだ」

そこへ間宮さんが戻ってきて


「神田くん 今日の仕切りで 社長表彰の候補に上がりました

 明日も仕切るとか凄いですね 確定になりますよ」

「無駄に2年も俺と一緒の研究室に居たわけじゃァない

  俺達と同じレベルでツルムんだ そうじゃないと任せれん」とおっさん

「そういや今日は、旨い料理と感じれるわ 初めての時は味もしなかったしな」

「アカデミアだからな」


蒸し物が出る頃

「俺達は帰るけど、神田はどうする」

「着替えもなく呼ばれたから、帰りたいが足がな」

「私が、今日明日の送迎をしますので、ご安心を」と間宮さん


水物を食べおわり

「それでは、新婚は、甘い生活をしに部屋に帰ります

  みんさんはごゆっくり、泊まりの用意もしてあります」

とおっさんの帰る宣言

「じゃますると、馬に蹴られますよ」と神田が支援してくれる


センチュリーのリアシートに身を沈めると

「神田くんって、あそこまで行けるんですね」

「社長とか肩書に弱いのが難点だけど、アカデミアの肩書は気にしないから」

「それは、あなたが迷惑を掛けたから」

「そうとも言う」


月曜日に朝から5本の会議に出て、ヘトヘトになって常務室に戻ると15時10分

間宮さんとひろ子さんを横にして、神田が電話応対をしていた

「どっから?」

「瀧本さん、抜け駆けで昨夜やったのはどうかと」

「ルール違反は瀧本さんだから」

「それ言って、瀧本さん柿本さんの苦情は受付拒否した」


「ありがと 昨日の抜け駆けで荒れるかな」

「大丈夫だろ、瀧本さん・柿本さんのやらかしを山ほど持ってる

 俺が仕切るって言ったら、黙った」

「さすが神田だ アカデミアには強いな」


「今日は社長とかはシャットアウトで、お願いしますね」と神田が言った時に

ノックがあり、社長と会長に連れられ鈴木課長が入ってくる


デスクに引っ込みレカロに座る 

社長会長と鈴木課長と神田 ひろ子さんと間宮さんコーヒーを出しに行く


コーヒーが配膳されると、おっさんが

「昨日のスポンサーありがとうございます」とデスクの奥から

会「なんの、名刺の一覧で腰を抜かしたわ よくもあれだけのメンバーを集めれた」

お「それを仕切ったのが、神田ですから 神田の功績ですよ」

鈴「確かに、あの仕切であのメンバーがだまりましたから」


婿「今日もよろしくお願いしますね

   さて、我々は鳥羽へ移動です

   間宮くんは神田くんに付いて下さい

   私は会長のセルシオで行きますから さ、行きますよ会長」

と婿殿が、会長を押し出していった


鈴「スポンサーを押し出しての宴席とは凄い」

お「私の人徳と神田の苦労の結晶です」


「行きますよ 気の速いのが待ってると思われますから」と神田が口火を切る

「行くかぁ 神田と鈴木さんは間宮号で 俺はひろ子さん号で行くわ」

「鈴木課長 タクシーチケットです 帰宅時にお使い下さい

  行きましょうか」と間宮さん


山栄に着くと、良平さんと桂さん


「良平さん 今日はアカデミアで」とおっさんが言うと

「30才以下の若者枠で参加したく」と返され

「それ言われると、おっさんでも、断れないな 熟すわ」と神田が言ってくれる

お「神田が熟すと、なら任せる」

良「よろしく神田くん」

お「そうは言っても、奥様の了解が必須です

  まさかお茶のお稽古を抜け出してきたとか無いですよね

  神田の仕切るアカデミアでは庇えませんよ」

  

下を向く良平さん


「桂さん、奥様に電話を」とおっさん


急激に顔色が悪くなる良平さん 


「たか子様です」受話器をおっさんに渡す桂さん

受話器を取り「山栄の前ですけど、奥様のご理解を頂きたい」と

「え、ダメ 全然進歩がない


 これでは秋の茶会に出せない


 そこをなんとか 

 

 そうですか 

 

 はい、理解りました」

 

桂さんに受話器を渡し、桂さんとたか子さんの会話

桂さんが「はい、今から連れて帰ります」と言って良平さんは連れ帰られた

気の毒だが、しょうがないと 神田たちと見送る

「あなたの口先でも無理なの」とひろ子さんに言われるが

ことわりも無ければ礼もない、お稽古をブッチだし

 それでも、進捗があったなら1日位と無理筋でもこじ開けるんだが

 そのスキすらなかった、通しようがない」


「神田、お前も茶の練習しとけよ」

「大学時分に、お前とさんざんやったやつか まだ覚えてるぞ」

「まだ時間あるな、検分しよう 手前座は交代で」

「久々にやるか」

と男二人で山栄の茶室に向かっていく

呆然としていた美人二人も、茶室についていく


「神田から行ってみようか」

「久しぶりだわ」と言いながら、居を正し30秒ほど目を瞑り、始める

流れるような所作で茶を点て勧めていく

三人にお点前を披露して「やらかしたなぁ 心が着いていかなかった」と

「でも1年半ぶりだろ そんなけできりゃ上等だよ 代わるわ」


おっさんの菩薩のお茶が三人に披露される

「おいおい、進化してるな」と軽く言う神田


「神田さんって、どこかの、家元の息子さんですか」と間宮さん

「大学三年四年の長期休みに、消息を断つため 興雲寺に籠もって

 地童和尚達の指導を受けただけですよ」と軽く言われる


「せっかく湯もあるし粉もあるし道具もある 久しぶりに交代で手間座やって

 茶の接待をしよう」と神田

「いや、お前の心が見たい やれるトコまでやって

 ギブアップしたら交代するわ」

「修行を思い出すわ、その言い方」


「女将にそう言ってくる、案内も頼まないとな」と出ていくおっさん

亭主席で、調心を始めた神田くん


茶室を出て、密談を開始する美人二人

間「なに、あれ かっこよすぎなんですが」

ひ「また私の師範の免状が紙くずになったわ」

間「そんなに凄いの 私お茶はさっぱりで」

ひ「でも、お茶を出されたら心に落ち着きがあったでしょ」

間「うんうん、おっさんほどじゃないけど、落ち着いた」

ひ「素人が、うちの人と比較しても、乗っかるレベルなのね」


アカデミアが、順々に入っていき

「久しぶりだな、神田くんのお茶は 相変わらす美味かった」

と口々に言って、座敷に帰っていく


結局60人以上を一人でやりきり、二人で出てきて

「崩れなかったな」とおっさん

「まぁな、四年の時、お前がよそに修行に行ってる間中

 吉祥と比叡と高野の集団が交代で居座って百人以上を相手に

 朝と午後で、毎日やったからな」

 

目眩がするひろ子さん 

この子も、市井のお稽古が子供の遊びに見える所で修行してる


「さて、宴席の仕切りを始めますか」

「任した」


アカデミアの宴席が始まっていく


今宵も深けたようで

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