第四十六夜 我々は”安全運転訓練”と聞いています
鈴鹿に向かうセンチュリー
イチャつかないと約束させてナビシートにのる神田
お「ひろ子さん、部長からの降格人事って過去に有る?」
ひ「調べますね」と
お「なら先に、今日来た飛び込みの四人の職務履歴と評価表を下さい」
ひ「これです、では降格の件調べます」
神「ガッツリ仕事してる 今朝もか」
お「ああ、移動時間って勿体無いだろ ショーファードリブンだから出来る技だ」
と、資料から目を話さず返す
黙り込む神田
情報網は構築してるし、ガッツリ仕事してるし、周りを巻き込んで前に進める
大学の研究室に来てた頃と変わらんし、それで結果を出してくる
お「ふう、今日は終わり 後は、めし食って寝るだけ」
ひ「常務、降格の件 過去には例がないそうです」
お「前例無しかぁ 再来週の出来次第だな」
神「おっさんさぁ、学生ん時もそうやってあちこちの頭を使わせて
ブリッジして前に進めてた 変わらんな」
お「どこでも、やってることは一緒だよ」
神「マジで論文に名前乗せてたら 15本は行ってたろ」
お「それ位は」
神「ならPh.D.行けたろ」
お「化けの学部3年生が土建でPh.D.とか怒られるわ」
ひ「そんな事してたんですか」
神「今流行りの、ゴムの制震構造とかおっさんの業績だよ
土建のうちに化けが二人に機械一人情報処理二人
全部おっさんの顔で連れてきた
教授たちに混じって、激論交わしての成果
うちの研究室がそれで一気に有名になって、山崎から求人が来た」
この件、未入手情報 鈴鹿が済んだら追いかけないと と思うひろ子さん
お「済んだことだし、神田も山崎に入れたし、ナス3倍増だしこの話は終わり
それより、八木の奥の動向は追えてる?」
ひ「今日、渡辺さんを連れて東京に戻られたとまでしか」
お「俺達の結婚について嘴を挟んで来るのはいる?
あ、仲人の鬼みたいに、堂々と乗り込んきて面と向かっては除外ね」
ひ「流石に私のところまで届いていません」
お「じゃぁ一安心 晩御飯を考えよう」
神「すごいな、その切り替え」
ひろ子さんは電話で鬼の提案を女性陣に伝えてる
ちゃんと連絡網が有って二人への電話で済んでいた
熊山さんに「戻りました」と報告するおっさん
熊「夕食のマイクロバスが出るのが19時 今18時だから18時20分に
おっさんの部屋でミーティングでどうだ」
お「了解です 展開しときます」
ひろ子さんに振り向き「加藤達の部屋番を教えて」
と部屋番を聞き電話を三本掛け続けるおっさん
速攻で、6人が部屋に来る
若宮さんが入ってきていきなり
「仲人の鬼って財界の縁結び男の蟹江さんじゃ?」と訊いてくるので
「そう言ってた」と返すおっさん
若「うわぁ、酔っ払ってグダグダになる叔父さんを外さなきゃ」
お「比叡でグダグダはいいのかw」
若「あそこまで行けば、流石にグダグダにならないと思ったけど
名古屋のホテルだとやらかしそうで」
木「それはうちの伯父もそう」
お「個人で判断してね キャパ500以上は確保するだろうから一組100で
財界系は100以内で収めて貰うように話をする
でだ、旦那側の主賓は山崎良平夫妻 これは男四人の総意だ」
森「私は異論なし 指輪も頂いてるし」
ひ「嫁側の主賓には八木さんを、私達は指輪を頂くしレストランもあるし」
「セカンドは誰って話にしかならない」と木原さんと若宮さん
お「でさ主賓テーブルに12名でしょ 残り10名だけど2席余りでもいい
男側は俺が師を四人呼びたいから申し訳ない ほかの皆も考えてね」
「私達は自社の会長夫妻でいくので 8人」と女性陣
困った顔の男三人「どうする?」
お「めんどくさかったら、関東関西で、大野・関谷組でいいじゃん 空き2
何処からも文句の出ない主賓だぞ マンションの件もあるし
関谷さんの資金で、熊山さんトコ廻ってるんだろ」
「そうするか」と簡単に決める三人
お「あとは、森高さんと木原さんで竹内さんを主賓で」
「それ無理」と二人
お「なら、呼ばないって手はあるのか」
「ない 私達5人組で外せないし 八木さんが来たら渡辺さんも」と二人
お「渡辺さんは呼ばない方向で、気の毒すぎる
竹内さんは呼ばないといけないなら、身動き取れない場所へ
下手な所に配置して、動かれたら困る」
「あ」と二人
お「まぁ、任せるけど 皆、雛壇に居て押さえ込みに行けないからね
そのテーブルには八木奥が居るから、抑えて貰える」
「それが正解かも」と二人
お「披露宴の席次は合同だから、絶対グダる テーブルメンバーだけ決めておく
テーブル位置まで決まってるのは両側の主賓テーブルのみ
一般招待客のテーブル位置はくじ引きだ
招待状には00からテーブルの数だけ テーブル案内にはAAからの英字
テーブルの数だけ英数を書いたボールを用意して箱に入れてくじ引き」
ひ「だれが、そのボールを引くの そこでもグダるわよ」
お「箱持つのが吉祥の貫主 引くのが比叡の阿闍梨 読むのが高野の座主
司会が大僧正 これで逆らうやつは居ない
財界も友人も嫁側と旦那側の親族も全てシャッフル 仏の差配で」
加「それ、鬼は知ってるんか」
お「知るわけがない、さっき思いついたんだしw」
加「無茶苦茶だな でもどうせ無理なら無茶を通したほうがマシかぁ」
お「だろ 席次で 親同士の喧嘩とか見たくないし
それで良平さんの式が伸びてるんだしな」
ひ「無茶苦茶だけど、席次は仏のお導きで、その四人の教えです
とか言うつもりでしょ 責任は三山に丸投げ、よく考えつくわね」
栗「あ、そうかぁ それなら席次を考えたやつ出てこいって言われても平気だ」
お「それでも責任者出せなら、別室に連れ込んで
仏法に帰依した私の差配です って阿修羅に言わせてもいい」
「はぁ〜 力技」と7人
18時20分 熊山さん達が入ってくる
熊「俺達も一旦店に帰って、仕事してきた
後二日、店は大丈夫だ
SMSCで訊いてきたが、全く不明だと
現場検証は終わって車両撤去、路面清掃まで済んでるが」
お「不明ってことは、午後から一枠とかの可能性が残ってる ですか」
熊「1コーナーは、怪我人だけだから日常茶飯事で終わったが
テグナーがな 流石に四人も亡くなるとな
スポーツ走行は無理かもしれん」
お「スポーツ走行がキャンセルなら予定が無くなる
コース専有の可能性がある 熊山さん 今から交渉できますか
ひろ子さんワイルドカード 鈴鹿二日間のコース専有」
即、電話を始めるひろ子さん
熊「おい、そこまで」でおっさんが被せる
お「次何時休めるか、集まれるか不明 今の1日の鈴鹿が大事」
ひ「ワイルドカードOKです 財界からもプッシュしてくれるそうです」
熊「SMSCとコース事務局に行ってくるわ、先に飯食いに行ってくれ」
「お願いします」と男四人
19時になる直前に戻ってきた熊山さん
「とりあえず飯屋だ 待たすと悪い」
とマイクロバスが出発する
今日は木原さんの中華 中華は元々大人数でドカンなので
安定したドカンが出てきた
女性陣は紹興酒呑んでるが、熊山さんが烏龍と言った時点で男四人も烏龍に
神田だけは紹興酒を目一杯呑んでる
熊「あっさり専有が通った が、明日は安全運転訓練だとよ」
「え」となる男四人
熊「ペースカーの後についての走行だってよ」
???となる男四人
「最初は4分で10周 休憩入れて 3分50秒で10周 次は3分40秒で
最大5台のマーシャルカーを出してくれるそうだから落ちこぼれはそっちに」
とニヤリとする熊山さん
熊「ガッツリ食って、気合い入れてけよ」
「はい」と食いに掛かる男四人
後「よくそんなの通りましたね」
熊「鈴鹿のコースよりももっともっと上からの話みたいだ」
藤「財界とか言ってましたからね」
熊「何にしても あの走りたいって執念には負けるな
俺達も明日一日でセットアップだ 金曜は27に乗り換えて
25に乗るおっさんを引っ張るからな 27のキャブセットも頼むぞ
夜も彼らを返して寝かせた後もセットになる
頼むぞ」
翌朝、朝食食べて7時40分ピットに集合する
8時00分から全員参加のドラミ
コントロールタワー内のミーティングルームと熊山さんにつられて向かう
8時00分 「ドラミ始めます」と始まる
「我々は”安全運転訓練”と聞いています
ペースカーは4分から初めて3分まで安全に走行できるように10秒刻みで上げていきます
午前中3本 午後4本 で3分に行きます
休憩はピットイン後20分ですが、スタート10分前にホーンを一回鳴らしますので
乗車してを開始して下さい 5分前にホーンニ回鳴らせますのでペースカーの後に
並んで下さい 計測区間で10周を走りますので、ガス欠に気をつけて下さい
ミスったドライバーは、離脱して安全速度でピットロードへ
予備のマーシャルカーが待っていますので、その車について行って下さい
脱落したペースの5秒落ちから再スタートです」
とおっさんが手を上げて
「すいません、最初から3台のペースカーで、221に出来ませんか」
と無理なお願いをする
事務局とドラミのチーフの人が少し話して
「いいですよ、待機は暇なので、いっそ5台全部だしましょう 1対1で引っ張ります
でも、無理ダメですよ やばいと思ったら即減速
ちゃんと見てますから、こちらも減速して待ってます
コースアウトするとその間は走れませんから時間の無駄です」
とあっさり通り、ペースカー5台の大盤振る舞い
「8時30分にピット前でペースカーを5台並べます 後に車を付けて下さい
止める時もそのままの陣形でピット前に並べます
専有だから出来る荒業ですね
それでは、ピットロードでお待ちしております」
と一礼して、去っていく
熊「藤原 ガスは?」
藤「一昨日のうちにナンバー付きは自走で満タン
アブガスは携行缶5つで往復して 25 27 とも満タン
27も100lのタンクなのが助かりました
携行缶の5つも満タン 抜かりはないです
ハイオクは鈴鹿のコース内にありますし」
熊「昼休憩で満タンな
後藤キャブセットは」
後「そこそこまでは 今日の午前中で仕上げます」
熊「10周計測だから、実質12周 走って15分休憩 で次のタイムに行くからな
3分40秒までにコースをしっかりと覚える 午前はこれに限る
順番は 熊山 おっさん 加藤 佐々木君 栗原君
みんなペースカーをよく見てな
そして、絶対ムリはするな、マンツーマンだからな
減速しても待っててくれる
出るぞ 乗車して 並べろ」
「はい」と返す4人
車両をピットロードに並べる
若宮さんは、飲料会社の営業さんの対応中
営業さんが営業用の氷水を入れるデカイアイスBoxに氷とポカリを
山のように入れて冷やし始める
小ぶりのオムスビとだし巻き卵と梅干し アンパンを4分割に切ったもの
要は片手で食べれるものを準備し、傷まないようにアイスBoxへ仕舞う
1本目走行5分前のホーンが鳴り 10台総ての車がピットロードに並ぶ
マーシャルの人が、一台ずつ確認して
「30秒毎のスタートです 前でスタートのフラッグを振りますので
ペースカーについて行って下さい」と最終の注意事項を告げていく
熊山さん達にスタートフラッグが振られ、スタートしていく
フラッグが、スポーツ走行の小さなやつではなく、
そこそこ大きい日の丸 感動していたら
おっさんも日の丸を振られ、スタートしていく
ピットスタート後の一周は、完全に完熟走行
タイヤを温めながらの走行なので景色を見る余裕があった
ホームストレートは下っていて、2コーナーが底で逆バンクまで登り
ダンロップのギャップなんか感じることもなく、テグナーへ
コンクリートウォールが怖い
テグナーを抜けヘアピンまではほぼ直線に感じるレベルで
ヘアピンに入り、まっちゃんの登りで3速フル
登りきって右に曲がると、一気に視界が開けてスプーンが見える
どこ走るんだよと思うほどコース幅を広く感じる
バックストレートのアップダウンを超えて130Rなんだが
このペースだと勝手に体が反応してて、いきなりシケインが出てくる
ホームストレートで加速して、計測周回突入
4分をキッチリ±1秒でトレースしていくマーシャルカー
ストレートだそれほどの最高速を出さずに、きちんとコーナーを含め
全体で4分となるようにペース配分してくれるの有り難い
計測の10週を走りきり、クールダウンの1周で再度のコース確認
ピットロードに入り、マーシャルカーの後の停め、
お礼を言ってピットへ戻るおっさん
「ひろこさん、飲み物、水」
「ポカリがありますから、はい」とポカリの500を渡す
半分を一気に飲み、ふう とひと息き付く
加藤・佐々木が戻った後に熊山さんが戻ってくる
ヘルメットを脱ぎ「「俺も飲み物を貰えますか」と
即、ひろ子さんが対応してポカリが渡される
栗原が戻ったので、後10分で乗車
熊「時間がないから簡単に もう一度言う コースを覚えろ」
「はい」と四人が声を揃える
熊「おっさん、25いいぞ 今、後藤がキャブセットやってる
さらに良くなる 足は昼休みに出来ることはやる」
乗車しスタート 3分50秒 を熟し
3分40秒が終わり、お昼休憩にはいる
昼休憩中に、朝の「ドラミのチーフ」がピットに現れる
全員整列しようとして
「そのままで結構です、座って聞いて下さい
警察からの強い要望で、明日も”安全運転訓練”です
”安全な”タイムは各自の腕と車の性能で変わりますから
今日の午後の結果で、ペースカーのドライバーとのミーティングを
明日の朝行い、そこで決めましょう
明日も同じドライバーとなりますから、しっかり見てからの話し合いです
コースインが遅れても、話し合い優先でお願いしますね
午後からの注意点を一つ
我々のマーシャルカーはFF 皆さんはFR 微妙にラインが違います
その点に留意して、”安全運転訓練”を受講して下さい
明日の朝の「ドラミ」は朝7時30分からです
以上、よろしくお願いします」
と必要事項だけ行って去っていった
熊山組は25をピットに入れて、キャブセット中
藤原さんがガソリンの補給を5台とも行ってくれている
シロートは近づくな、体を休めろ と厳命されたので椅子に座り
オムスビとかサンドイッチとかを食べながら、感想戦
お「段々と、ストレートが短くなり、コーナーがきつくなり
減速も加速も鋭くなってくな」
加「こんなけのフルバックアップ体制で脱落は出来ん」
佐「加藤、そう気張るな 持ちタイムが3分2秒だろ」
栗「この2日間で1000万らしいな コース専有と安全運転訓練で 」
お「恩返しは仕事で 山崎に目処が着いたら、
川崎・弓月・剣崎・篠山 と乗り込んで、引っ掻き回して前に進める」
神「一条は」
お「三人が居るから任す、が、情報交換だけはやろうな」
「任された」と三人
神「そして、各社のブリッジやってくんか」
お「そうなるわな、それが俺の特技だしな」
乗車15分前です のアナウンスがスピーカーから流れる
トイレに行き、ポカリを飲み干し乗車して待つ
ハンドルに貼り付けたストップウオッチを押してイメトレ
止めてのタイムが3分29秒 ヨシ となった所で
ホーンが二回鳴り マーシャルが5分前です と案内してくる
3分30秒 車が安定して走らせてくれる
もう130Rはコーナーになってるし、まっちゃんの曲がりながらの登りも苦しい
が、イメトレ通りになら行けると信じてで、走る
マーシャルカーのペースメーカー付きとは言え3分30秒を10本揃えれた
ピットに戻ると25が上げられて、タイヤが外されている
トラブルかと思ったら
熊「キャブセットでエンジンはパワーもトルクも出てるからOKだ
足をいじる 次の20秒を飛ばす
バネはそのままで、ショックを一段固くする
確認で、乗っとかないとな」
と、セットの変更作業が始まる
今宵も深けたようで




