表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/193

第四夜 TE25 料亭へGO

いやぁ、この話がこんなに長くなると、書いてる作者すら思わず

同期を番号で読んでいましたが、流石に悪いので、名前で

同1 栗原 解体屋の息子 頼りになるやつ

同2 加藤 機械系商社勤務 峠では速い 走る方専門

同3 佐々木 機械系設計会社勤務 キャブセットの鬼

同4 神田 土木系会社勤務 おっさんや先輩の影響で走り始め仲間に


飯を食う前だけで、長くなってしまった 



夕方、5時50分 山崎土木の正門で、守衛さん捕まっている4人組

5分前行動が、染み付いて、早めに着いて安心している、おっさんと栗原

「まだ早えよ、5分前だと後5分ある」と加藤と佐々木がボヤく


そう、来て下さいと言われ、了解したがその先を何も聞いていない

デカイ会社なので電話帳で大体の住所が分かり

アルプスの地図で会社の位置は解ったが

神田の会社での電話番号どころか部署名すら記憶にない4人

栗「そういや誰もあいつから名刺すら貰ってないよな」

お「おう、利害関係を排除した関係だからな、このメンツ」

佐「その割には、おっさんのブリッジで随分楽しませて貰ってるけどな」


「お客様、お尋ね先の部署名が不明ですと、ご案内致しかねます」

と守衛さんに言われ

「ご説、御もっとも」と納得する4人


「どうするよ」

お「神田の家に電話して、お袋さんに部署名訊くか」

「それ無理だと思う

  お前らだって会社名は言っていても部署は言ってないだろ

  ここで、そんな電話したら、お袋さんに余計な心配かけるし」

と、常に冷静に回答する佐々木


加藤が守衛さんに「山崎さんて人に、ここに6時に来てくれと」と言うが

「どの山崎でしょうか」と返され

「流石にデカイ会社の守衛さんだな、仕事してる

 うちの会社なんて、俺の名前で不動産屋が通ってくるぞ」

と、下らない事言うおっさん


正面玄関から二人ほど走ってくる

一人は神田だ もう一人が山崎さんなのか

近づいてくると、かなりいいスーツに底まで皮のいい靴履いた

30絡みの、おっさん 

いや23から見たら、30はおっさんだよ


「お待たせしまったようで、山崎と申します」

と強烈に丁寧な挨拶に、4人がどうして良いのか解らず固まる


すると山崎さんが、名刺を出そうとする

左腕にはオメガスピードマスター


「名刺は要らないです、そういうメンツではないので」

と、おっさんが拒絶する

「神田の友人の山崎さんとしてなら、今夜からお付き合いしますが

 名刺を出されると、そう言う訳には行かなので」

と、おっさんの公私の区分は厳格なのだとの追撃

異世界での若気の至り 現実世界なら確実に名刺貰って仕事につなげる


びっくりした表情の山崎さん 名刺入れをポケットに戻すと

深呼吸をして、ニヤッと笑う

「では、次回は会社名などを脱いた名刺を用意しますよ

 それなら、受け取ってもらえますよね」


こんどは、おっさん達がびっくりする番となった

佐々木が神田に向かって、手招きをする

5人で集まって神田を問い詰める

栗「どういう事になってんだよ」

お「今日明日だけのお付き合いじゃねえのか」

佐「おっさんも、ガツンと言ったが、向こうが一枚上手だったな」

加「おっさん、あれは神田の未来に」

お「でもさ、言っとかんと、今夜呑むんだし

  呑んだ加藤を相手するんだぜ」

加「それはそうだけど、おっさんには言われたくない」

自覚がある加藤くん


神「どうやらさ、若い頃遊べなくて、友達も利害関係ばかりで

  俺達みたいなバカやってるが羨ましいらしいんだ

  で、本人は技術畑なんだけど、直系の息子だろ

  今しか、出来ないって

  んで、昨日の俺と加藤との電話を聞かれてさ

  今日の午前中、ずっと役員会議室で尋問だよ」

加「うっわ、役員会議室でかよ」


お「今しか出来なって、それって今も出来ないの間違いじゃ」

神「どうも、妹が彼氏が出来のイイヤツらしく

  婿養子に貰って会社は任せて本人は技術畑一本で行く

  ってのをおじいちゃんって会長だが折れたらしいんだ

  で、爺さんがから見たら孫だろ

  クソ甘く育てられてな

  で、今28で30まではとなった所で昨日の電話を聞かれて、と」

加「なんちゅう展開w しかし2年限定かよ」

佐「そりゃ、食いつくわな」


お「さっきの名刺の件も折れてくれたんだし、俺はOK」

栗「おっさんがオーナーの車だし、反対する理由はない」

佐「キャブセットに文句言ったら、怒るけどな」

神「わるいな、皆 巻き込んじまって」

お「とりあえず、今日の呑みと明日のターマックだな

  なんか俺が代表になってるけど、本来は栗原が代表だよな」


栗「代表なんて居ねえよ 俺に押し付けるな」

佐「この件は、車のオーナーである、おっさんが代表」

神「最初の挨拶でアレだし、若干の不安はあるが・・」

お「じゃ、神田が代表で話すか」

神「それは断る あの名刺の件の後をどう引き継げと

  やっちまった、おっさんが責任を取ってくれよ」


と5人の密談でって山崎さんにも丸聞こえな密談だが

改めて、おっさんが

「では、今日明日お世話になります 

 25のオーナーのおっさんで、一通りは出来ますが

 集まるメンツが凄いのでお任せな処も多いです」

と続けて、肩書が全て25絡みになった自己紹介が始まる

「お世話になります、部品調達担当の栗原です」

「走行フィール担当の加藤です」

「キャブセット担当の佐々木です」


「ほうそれは凄いメンバーですね」

と山崎さんの目がキラキラ光る

少女漫画と思うくらいだ


「神田くんは」

と山崎さんが言ったところで4人が「あちゃ」って顔を見合わせる


「賑やかしと呑み会企画担当の神田です」


オチをしっかり回答する神田くん

「神田くんのマメな連絡のおかげで集まって25弄れるんで」

佐々木がしっかりとフォローする


「こんなところで、自己紹介まで済んでしまいましたが

 食事に行きましょう 皆さんの車はこちらに置いて下さい」

案内を始める山崎さん


300m四方と言われる、駐車場に行くかと思いきや

正面玄関横の8台分ほど駐車場に置くように案内される

スラローム競技のスタート位置への誘導マーシャル気分の

山崎さんの意を組んで、皆頭から突っ込んで止めていく

3台目の加藤車まではたどたどしい

4台目のおっさんの25になってやっと少しスムーズになった  


「いやぁ、こう言う車を4台も順に並べると、ワクワクしますね

 明日もやっていいですかね」

ノリノリの山崎さん


そう言われれば、栗原も加藤も峠仕様でマフラー換えてるし

佐々木のは、18RGのLBでノーマルでもソレックスで煩い


おっさん達は、駐車場の名札が社長とか専務とかなっていたことを

確認してるがせっかくノリノリで誘導したんだしと見なかったことにしよう

と密談して決める


食事処のマイクロバスが来ると信じて待っている5人


山崎さんは、受付に行き何処へやら、電話を繰り返してる


15分は待たされて

最初に来たのが、黒クラウンのハイヤー だれも動かない


と、山崎さんがハイヤーに近づきなにか話してる

そして、また会社の中に入り、何処へやら電話を掛けている


更にしばらく待つ

「なかなかマイクロ来ねえなぁ」

「休日前だし、混んでるんだろ」

と他愛もない会話が続く


すると、もう一台黒いクラウンのハイヤーが到着

「神田、なんか偉い人が残ってるのか」と加藤が訊く

「んなもん、ど新人の俺が解るかよ」と返す神田


「みなさん、分乗して乗って下さい

 私と神田くんは別の車両にしてくださいね」

と山崎さんが軽く言う


なんなんだ、この人


一台目に神田と加藤と栗原

二台目に山崎さんが率先して助手席に座り

後部座席におっさんと佐々木


ハイヤーなんて初めての5人と慣れきっている山崎さん

車が動き始めて、何処へ向かうかも知らないが

「この服で大丈夫なところですよね ネクタイなんて持ってきてませんよ」とおっさん

そう、ハイヤーで連れてかれてドレスコードとかあったら堪らん


山「大丈夫です、しかしおっさんは、きっぱりしてますね

 先程の名刺の件、しびれました」

お「今のターマックの峠でもそうですが、グラベロの林道だと

 簡単に落ちて命に関わりますから

 私も落としかけましたし、友人は逝きましたから

 シビアにもなります」

山「え、お亡くなりに」


お「そうです、15m落ちてね 葬式なんて悲惨でしたよ」

佐「それって4年の時のやつやろ、おっさんの関係者やったん」

お「そうだよ、そこそこの腕だったけど

  林道行くのに4人ものって下りでアンダー出して

  二人分重いからな、断ればよかったんだよ」

佐「おっさんの言う時は言うのは、そう言う経緯か」

お「ああ、自分もだが、線引きしとかないとな」


黙って聞いてる山崎さん

「なんか、軽く考えてましたが、そこまでの考えで」と山崎さん

「いや名刺の件は、一回言ってみたかっただけです」

と話題を変えに行くおっさん


お「まぁ済んだことですし、俺は今も生きて遊んでる

  その遊びに加わりたいと という事ですよね 山崎さん」


しばしの沈黙

どうやら、思ったよりハードな所に首を突っ込んでしまった

「神田くんとかも、そう言う経験をしたんですか」と話を戻す山崎さん

「神田はないだろ、あいつ俺らに交じるまで真面目一本だったから」と佐々木

「その話はさっきで終わり、今夜の夕食はなんですか」

 強引に話題を変えに行くおっさん


これ以上は、なにかあると感じたようで、夕食のメニューを紹介しだす

「鍋と言ってましたが、やっぱりこの時期に鍋を出してくれる店がなくて

 それと、名刺の一件で私も肚を据えないと で店を変えようとしたんですが

 今これからだと流石に無理でして

 爺さんに泣きついて、爺さん予約を奪って贔屓の店に行きます 懐石です

 後で、爺さんに報告しないといけなくなりましたが

 名刺の一件、おっさんと達とご飯をともにして酒を呑んだ

 それで、爺さん持ちで呑み食いできます」


「俺なんて、そんな大層なもんじゃないですよ

 そう言うトコだと栗原なんて部品見極めてくれるから

 中古の部品でも安心して踏めるし

 この佐々木だってマージン残しつつ攻めたセットしてくれるし

 加藤だって、足の具合で絶対ムリしないセットだすし

 神田だって、あいつが連絡してくれるから集まれる」とおっさん


山「ほう、うちの神田も大事ですか」

お「その言い方はNGですね、今は友人の神田ですよ」

山「あ、そうですね、そのとおりです

  店に着くまでの会話だけで、爺さんへの土産話出来すぎです

  この先の話だとか、ワクワクします」


しばらくすると、えらい立派な料亭の車寄せに立つ5人

山崎さんは店の中に入りまた電話をしている


お「なんか、えらい感動してるけど、大丈夫かな」

佐「おう、おっさんのツッコミに毎回感動してたし」

神「何話したんだよ、俺の会社人生は大丈夫かよ」

佐「大丈夫、会長の予約をぶんどって今からここで俺達が飯を食う」

神「それの、どこが大丈夫なんだよ」

栗「専務だか常務だかの、車を口先だけで、ただで貰うおっさんだよ」

お「口先だけとはひどいなぁ、仕事の実績で貰ったと言ってくれ」

加「まぁ事実だし、金払ってないんだろ」

お「そこを憑かれると、何も言えん」


誰ともなく「なんか、俺達だけ完全に場違いだよな」

一同で「それはそうだよね」と納得する


中居さんが店の中へ案内してくれる

結構な和室で、掛け軸もちゃんとしてるし花も活けてある


テーブルの右角隅に座る山崎さん

そこ下っ端の席

中居さんに促されて、上座の右に座る栗原 左には佐々木

下座の左隅に神田 真ん中に加藤


おいおい、おっさんが、上座の真ん中かよ


中居さんに指示を出したのは山崎さんみたいだ


「おまたせしました、爺さんにおねだりでしてたら

 途中報告しろって言われて、車の中の件を話したら

 いやぁ、爺さんも来るってゴネ出して、流石にいきなりは、

 で時間を食ってしまいまして」


は?何言ってるのこの人 状態の5人

特に神田なんかは、意識がどっか行ってる


「でも、おねだりした甲斐があって、YK45をお出し出来ます」


更に混乱する5人 おねだりでYK45だと


慣れた手付きで、パンパンと手を打ち中居さんを呼び

食事の開始を宣言する山崎さん


さて、今宵は此の辺で

TE25 で長くなりそうです

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ