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第百七十五夜 俺 おばちゃんとは仲良しなんで

2時間後の16時

花田専務が専務室に到着


「設計部の係長までは上がってました あと2ヶ月で退職予定

 もうおっさん専務の案しか無い 

 しかし、彼とも話をしてますが、ちょっとなので

 中途採用などで足掻いてみます」


「私が設計部でギリまでやってもいいわよ 時間は稼げると思うわよ」とひろ子さん

「ワンポイントで二回の引き継ぎで、ロスが大きいがビショップで動く

 玉突きで動くよりはスムーズ」とおっさん


「秘書10年のベテラン 引き継ぎもすぐ その間でなんとか」と花田専務

「美香ちゃんが俺のホワイトボードの管理

 社長秘書と同時だけど行ける?」とおっさん

「なんとかなると思います 他からの応援も貰いますし」と美香ちゃん


「花田さん 今日の小料理屋 何人入れる?

 ひろ子さんと美香ちゃんも連れて行かないと」

「朝の話で、借り切りOKです Max10人程の店ですよ」との回答


「松田さんと中本くん 春海ちゃんも 連れていきたいから 俺持ちで」

「うーん 折半で そこまでは譲ります」と返され

「それで行きますか」と握る


「ひろ子さんのビショップでとりあえずは時間稼ぎは出来そう ありがとう」

「まぁ任せなさい」と話していると ショルダーフォンに電話

「あなた 山本さん」と渡される


「おっさん君 12月の1と2で鈴鹿来るだろ 2日にSAの雨宮さんのデモカーを

 パドックで飾るから、見に来て」と山本さん


「了解 楽しみです どうやってデモカーを引っ張てきたんです」

「向こうだって、デモカー作って店に飾るのもあるが、展示会をやりたい

 チーフから営業と話をしてパドックで雨宮の展示&販売予約会

 日程がないから広告が打てないが、そこは鈴鹿もシークレットイベントと

 それを土日でやるから搬入日の金曜日に見せてもらうと

 じゃ、待ってるから」と電話が切れる


夕方 小料理小梅の前に集まる おっさん一派

花田さんも到着して、店の前で男五人 (但し1名は女子高生候)で

「カラオケなど無粋」とガッチリと握手が交わされていく


このお店 座って3000円 飲み物別 でコース料理 中身はお任せ

その飲み物も冷酒は地酒の一升瓶が五本、ビール瓶と一緒に冷えた水に浸かるタイプ

熱燗は、剣菱の黒松の普通のやつ 値段を抑えるのと味の両立


出てくるものを食べながら

中本くんとゴソゴソ話してメモをしてを繰り返す春海ちゃん

女将さんが「皆さん若いからまだまだ行けますよね Cコースもどうぞ」


と追加コースでほぼ同じ材料だが、調理方法を変えて目先を変えて出してくれる

最後、寿司 コハダ エビ 青物とマグロは漬け 干瓢とかっぱ巻き が出てくる


お腹いっぱいで、ごちそうさまをして、花田専務と割り勘で支払って出てくる


松田さんが「花田専務って意外と気さくな方だったんですね」との感想

「それは、歌下手が五人で集まってるから安心できるからだよ

 カラオケに行きましょうとか誘ったら俺や大家さんと同じで悲しむ」と中本くん

神田も栗原もおっさんも花田専務も 大きく頷く


「大家さん 帰りは片山先輩と三人で」と中本くん

「贔屓になるけど、それだけの価値があるか」

と三人でハイヤーに乗ってマンションへ帰る


中「ボロい店 大将は昔の美濃の長の西野さん 何度も目標と言われて頑張った人

  その西野さんが、あの好き勝手な店舗運営 美味しいしかない

  今日の小梅の大将も、持ち越しとか十二分に注意しながら目先を変えて来た

  店舗運営としては見習うところが多数」


お「料理の中身的には見習うトコ多数だよな

  ただなぁ、座って3000円のコースからだと 花田専務の収入なら激安

  ビールも大瓶で400円 地酒は一合で300〜400円

  でも若い子だと気軽にじゃなくなる


  参考にはなるが、店の規模が違い、そのままのマネは出来ない

  そう言うコースも用意だと在庫が複雑になる」

春海ちゃんは、この話の最中も聞きながらメモを見て

メモをして考え込んで一言も発しない


部屋に戻ると、ひろ子さんに「美香ちゃんとお風呂に入って寝なさい」と言われ

そのままお風呂に入って美香ちゃんと寝ちゃうおっさん


火曜日の朝 春海ちゃんの部屋に行くと 青丸のコンサルの計画書とメモとで格闘中

「頑張って考えな」と声を掛けて ひろ子さんと美香ちゃんとで出社する

「片山先輩 悩みに悩んでますね」と美香ちゃん

「そのネタを振りまくったから これで青丸の計画書が肚に落ちる」とおっさん


朝のルーティンのお茶を済ませると、花田専務が来室

ひろ子さん立入禁止の看板を掛けに行く


「昨夜はいい店を」とおっさんは挨拶から入るが

「女性に寿退社の予定は とも聞きにくいし  普通に 結納やって式あげて退社

 これなら対応もまだ出来ますが 突発すぎて タイトロープ

 かなり余裕を持った 採用計画で自慢してたんですが」と溢す花田専務


電話が掛かってきて「あなた 瀧本さん」と電話でゴソゴソと話す

「それじゃぁ、午後にでも行きます」と言うと

「応接室が空いてない」という理由で瀧本さんが来てくれることに

「また凄い理由ですね」と突っ込むおっさん


「他の教授はきちんと予定立てて予約をとってる 俺に出来るか」と開き直られる

「困り果てたら俺や神田の部屋 応接セットバリ 使って下さい」

「今日困り果ててるから行くわ」と電話が切れる


「どうしたんですか?」と花田専務に訊かれ

「瀧本さんが困り果ててるらしい まぁツケが廻っただけでしょう」と軽いおっさん

「瀧本教授・・」と詰まる 少し前までアポすら取れなかった教授から電話が掛かる


「瀧本さんが困ると俺が突っ込んで人集めて 後始末は神田で瀧本研究室の

 業績が出来てた 二人共完全に抜けて、日土研でやってる

 2年も離れたらそろそろ困る頃」と笑うおっさん


お昼のA定食を皆で食べて おばちゃんと雑談 

女性の寿情報はお祝いを出す関係で特に欲しいのでお願いするね

とお願いするおっさん


「そっか、おっさん君は遊撃専務 全社の寿にお祝いだすの」とおばちゃん

「そうだよ、聞こえたら子会社の娘にも出す 孫会社だと遠慮されるから祝電だけ」

「男は」と訊かれ「祝電だけ 男は自分で頑張れだ」と我儘全開 おばちゃん爆笑


「そうそう森田さん まだ正規ルートで上がってこない

 お祝いの準備にこっちが困ってる希望があれば沿いたいけど

 このままだと旅行社の旅行券3万円になると伝えといて」

おばちゃん また爆笑して


「それは寿の目処で早めにおっさん君に希望を言うとある程度は叶うと言うこと?」

「一律 予算3万円まで 差付けると揉めるのと こっちの準備期間で決める

 半年以上前に連絡してくれてれば 喜楽の離れ一晩 とかも抑えれる」

「それ凄いじゃない」


「山栄でも敷島でも 二人で一晩もある 日程を押さえる関係で半年前には欲しいな

 4ヶ月前だと飛騨か美濃でディナー それ以降は旅行券 今決めた

 森田さんは旅行券上司経由の正式でなくてもいい

 この部屋に来て言ってくれればOK

 これ、女性には流していいけど男には内緒でお願いしますね」


「また悪戯顔になって おばちゃんネットワークで女性にのみ流しておくわ」

「よろしく〜」と出ていくおばちゃんを見送る


ひろ子さんが「はぁ〜 会社の裏側から情報網に流すのね」というが

「おばちゃんだって社員 社員の横の繋がりで 俺が出すお祝いの話をしただけ」

「そうれはそうだけど そんな事考えてもみなかったわ」

「俺 おばちゃんとは仲良しなんで」と笑うおっさん


午後二で瀧本さん来社 4人居るとの受付から連絡

専務室に案内してもらって、入って貰う 立入禁止の看板は掲げない

瀧本柿本組とそれと女性が二人

とりあえず 山崎の専務の名刺で名刺交換


「珍しな 名刺交換をするとは」と柿本さんに突っ込まれるも

「そんなん綺麗な女性 名刺交換しますよ」

とひろ子さんの前で言ってしまうおっさん

「あなた、理解ってますよね」とひろ子さんに叱られる


「午前中に尾張大学の柿本と松本さんとも相談したんだが、困り果てた

 おっさん どっかに突撃してこの娘ら二人の就職先探してくれ」と瀧本さん

「どうしてまた」と訊くと


「土木なんてな男しかいなかった それは知ってるよな ムサイ研究室ばかりだ

 そこに女性が入る 一瞬は喜んてキチンとしたが油断するやつが出る

 院生に服くらい着ろとか大変だった」と溢す

 爆笑するおっさん


「まぁ、それはいい 皆で頑張った 二人が土木の学部を卒業するが就職先がない

 そもそも土木の技術職で女性向けの求人票がない」

この異世界もまだそんな時代の世界観


「たしかに平均初婚年齢25 学部卒で3年 修士だと1年で寿の計算だ

 どこも求人票を出さないのも理解る でもブレイクしたい」


「ひろ子さん 花田専務に 芋ようかんを掛川茶で と連絡して」


「過去女性技術職の採用はない でもチャレンジはしてみる

 そこで問題になるのが給与体系 うちは俺の趣味で年俸制もある

 あとは下働きで耐えられるかも大事

 

 男も最初は下働きだ それを熟して経験を詰んで技術者になっていく

 うちの設計部の高卒の松田さんの下で半年 

 松田さんが寿で抜けたらその代打を1年」


「そんな高卒の子の下とか」と女性一人の馬場さんが言う

「やってみてから言ってみよう 1週間 バイトで雇う 何時から来れる」

まだインターンがない異世界のこの時代 バイトから正社員とか普通の道


花田専務が入ってきておっさんとゴソゴソ話して

履歴書を後ろの椅子で熟読している


「さぁ 準備しましたよ やってみましょう」とおっさん

「その言い方 俺がハメられまくった時の言い方 二人共黙ってやってみなさい」

と瀧本さん


「教授がハメられた 人をハメるばかりの瀧本教授が」とビックリの二人

「やっぱりまだ無責任体質は治ってないんだ」と爆笑するおっさん

「もう 瀧本研究室は台風の目で静かですが 隣の私達は困りまくりです」と榊さん


「なんで、研究室が違うのに就職の斡旋を

 最も似合わない瀧本教授が」と訊くおっさん

「今年の科の統括なんだよ

 それと迷惑を掛けたからやりなさいと学部長から」と瀧本さん


他人事で笑いながらの柿本さんが女子大生二人に

「十二大学研究会の出来た経緯を知ってる?」と訊く

「なんでもアポ無しのおっさんとの渾名の謎の研究者の方が

 学部どころか大学の垣根を超えて研究室を訪ね歩いて創り上げて

 最後に瀧本教授に代表を押し付けた とまでは」と榊さん


「微妙に美化されて伝わっている」とおっさん

「その後は」続けて訊く

「瀧本柿本組が、宴席の翌朝にトチ狂って解散して

 ここ山崎土木で日土研の発足総会 になったと」

「トチ狂って解散 正確に伝わってる」と爆笑のおっさん


柿「その アポ無しのおっさんこと謎の研究者 今の日土研 特別顧問が 

  眼の前で 下働きをやってみては と言っているんだが理解してる?」

「え」となる二人

お「ひろ子さん 日土研の名刺を渡してあげて」

日土研 特別顧問の名刺を四人に配る

凍る 馬場榊組


柿本さんが「これか 新しい名刺 やっと見れた」とフザケたことを言い出すので

お「ちゃんと配ったはずです 神田が」と抗戦する

柿「その神田くんと会ってないから 神田くんを潰してから会いにくくて」

やばい感が全開でアラートを鳴らす


お「瀧本さん柿本さん 終わったら少し時間を どうしてもの話があります」

瀧本柿本組「怖いな」

お「ガチで怖い話です 心して聞いて下さい」


お「話が反れた どう日土研 特別顧問として山崎土木を斡旋するよ

  瀧本柿本組で来た 日土研案件ですよね

  結婚して子を持つのも大事 キャリアも大事 どうにかしてみようか」と笑う

  

榊さんが再起動して「来週からバイトでお願いします」

馬場さんも再起動して「私もお願いします」


お「そう、やってみてから決めればいい けど 卒論は書き上がってる?

  必修の授業とかの残とか 単位とか 卒業できるようにしてる?」

瀧「ここに来る前に書き上げさせた

  四年の後期で必修があったのはお前だけだ」と代理で回答


花田専務が「バイト代の詳細とか身元の確認とかで、私の部屋へ」と連れていく




今宵も深けたようで

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