第十二夜 峠を走るって、こんなにミーティングから始まるんですか
峠に来て、化け物と呼ばれた力を試すおっさん
往路は全封印
復路は超感覚を全開にしてきたら、路面のシミまで見えそうで
情報過多になって混乱するおっさん
こりゃ、難しいな
感覚を上げるのは簡単だがコントロールが難しい
それと、熱くなると勝手にパワーも上がってく
5割で流すレベルならいいが、8割で加藤に突付かれたら
どうなるか、加藤なら そう、ならで抑えれるかもしれんが
佐々木のLBに突付かれたら完全に熱くなる
7割で3往復 ノンスリもあまり効かせない走りを終え
まずは、バケットを肩のサポートもあるタイプに金掛ける必要ありだな
横乗りも考えると助手席もだな
もうリアシート外そう
足もブレーキもエンジンもいい感じだが、おっさんの感覚が難しい
登りだけでも、一回行っとくかと9割の=ほぼ全開で登っていく
当然Rの小さいコーナーではノンスリで曲げる
2速で高くローだとレブル難しい 23の繋がりはまあいい
4速まで入る
勢いで、向こう側の下りそのまま突入 完全に熱くなったまま
対向車が1km先から解る
それを認めた時に5割まで落とせた
はぁ、下りは怖いわ
23時を過ぎ、寮に帰るおっさん
アフターアイドルの代わりに帰路はゆっくり走らせる
寮の飯は弁当、マズイが店もやってないから、一つ貰って
部屋でビールを呑みながら食う
バケット2脚だと、ちょっと貯金が足りんなぁ
イナゴを積む資金も居るし、爺に借りで呑む代わりに
バケットとかロールゲージとか頼むか
ううーーんなんか違うなぁ
残るもんはなぁ
まぁ寝ようと布団を被ってねるおっさん
土曜日 夕方17時 寮の前のメイン通路に並ぶ
5台のセンチュリーと1台のロードスター
出先から帰ってきて、守衛さんに「おっさん、アレ関係者?」と訊かれ
「そうらしい」と答えて、寮に向かう
車列の最後尾に25を付けて、降りて2台目に居るロードスターに近づいていく
屋根も開けてルンルン気分でオーディオを聞いている
ドライブもナビも肩までサポートのフルバケットが入ってる アレ貰おう
後ろから近づき驚かそうと思ったが、センチュリーのドアが開き
秘書さんが降りてバタバタしているので、振り向かれ気づかれる
とりあえず、良平さんに「なんの集まりですか?」とすっとぼけて訊く
「え、私達の連絡先を一覧表で欲しい、で、連絡をとりたい
との事だったので、バラバラにやられると酷いことになると
それで、今日おっさんとアポがあり、場所も顔も知ってる私が行くと
秘書さん達が団結して今日集めたと 半分はおっさんの責任ですよ」
と説明してくれる
先週やらかしてるわ、金曜日の定時前に無茶なお願いするわ
秘書さんたちには迷惑を掛けた自覚はあるおっさん
しかも美人さんが6人も集まれば、断る理由はない
応接室どころか、路上で始まる
間宮さんが順に
剣崎精密の竹内さん
一条工業の森高さん
弓月産業の若宮さん
川崎建設の木原さん
と、紹介していく
最後に、山崎土木の間宮と坂井です とされ
名刺を受け取ることを要求される
「おっさんと私達の会長なりの関係は理解しますが
私達は業務として、やっておりますので、先週のようなことが
繰り返されるのは困りますので」
と、美人の怒気を持った笑顔は迫力・説得力があり、押し負けたおっさん
「これが、昨日の件の一覧表です お納め下さい」
確認の為見ると、どれも秘書さんの電話番号も入っている
「出来れば、最初に私達に連絡頂けると助かります
ご希望は最大限・最優先で対応しますので」
とは、剣崎精密の竹内さんのお願い
なんか、先週のドタバタで剣崎さんはかなりやらかしたようだ
だけど、三爺は勝手に来たんだし俺のせいじゃねえけど
美人のお願いは聞かないと考えていると
良平さんが
「美人さんにお願いされたら、聞かないわけ行きませんよね」
と他人事のように行ってくる
まぁ他人事なんだろうけど、と見てると
「良平さん、貴方もですよ 来週末まではこれまで通りですが
再来週からは秘書が付いてスケジュールが管理されます
車も運転手も着きますので、それでお願いします」
と、坂井さんからの爆弾発言
「え、そんな話聞いてませんよ」
「来週末の宴席次第ですが、おっさんが後ろに控えるんですよね
それで、通らない理由はないです
再来週からは、本来の常務に戻って頂きます」
と、半分切れたような坂井さん
「その、俺が後ろに座るのと、良平さんが常務に戻るのとの
関係がまるで見えませんが」
「私も見えるし、感じれるのですよ
月曜日でも妖怪かと思いましたよ
隣の部屋で、食事しましたが味がしませんでした
で、今日は化け物を通り越してますね
まるで見えないし感じれない、消し去っています?」
「こっちを基本にしようと昨夜から練習中ですよ」
「一度全開にしてもらえます」
「無理、今だと半径20kmで影響が出る
木曜日に安来でやったら10km先を感じたし
4部屋向こうで三爺が意識飛ばして失禁した
そっから2日経ってるから倍は確実」
「核レベル・・・・・・」
「ははは、歩く核地雷の25のおっさんです」
パンッ と空気が裂ける音
その一瞬前に良平さんの前に移動してはたき落とすおっさん
「森高さん、止めときましょうよ
良平さんが怪我したら困るし
美人さんとはやりたくない」
「オーラどころか気配すらなくて、それですか
失礼致しました」
と深々と頭を下げる森高さん
「まぁ、お姉さん方には、見てもらうのはこれでいいですか」
6人が頭を下げる
「凄いね、会長秘書ともなるとオーラを皆纏ってるしね」
と事もなげに言って
「そうそう、爺さん達に、酒おごって貰って借りを作って
借りがあるからと我慢しようかと、思ったんだけど
森高さんので気が変わった」と一旦切る
青ざめる森高さん
「よく聞いてメモしてね」
「剣崎精密の竹内さんは、フルバケットとシートレール2脚 とサベルトのシートベルト
一条工業の森高さんは、直結5速のクロスミッション
弓月産業の若宮さんは、ロールゲージ
川崎建設の木原さんは、車高調付きのFrショック と Rrショック ビルのジムカーナ用
全て27用 2TG用 で合います
良平さんが常務に戻られたら1週間以内に栗原の工場へ届けて下さい
これで、借りにしときます」
「よく解らないんですが、車の部品ですか」
「そうです、調べるところから始めて下さい
答え合わせは栗原がしてくれます」
「私どもは、どうすれば」と間宮さん
「ワイルドカードで、取っておきます」
「俺が答え合わせの当番なのか」栗原が声を掛けるくる
「ええなぁ、6人もキレイなお姉さんを周りに置いて」と佐々木
「お姉さん、それ真面目に考えると無理だからw
TS熊山でも行って、一式で頼んできな
TE71の加藤の紹介と言えば、やってくれるよ」と加藤
こいつら、センチュリーの車列を気にも止めない
でも、お姉さんは気になる
一人だけ、センチュリーの車列が気になって黙ってる神田
「加藤様、もう少し詳しくお願いできませんか」
と森高さんが、食いつく 救世主に見えたんだろうな
キレイなお姉さんに頼まれると断らない加藤
色々教えてる
「金は出させないって話じゃなかったのか」と栗原
「ちょっとな、一瞬切れかかったんで
無理難題で、ごめんなさいを言わせたかったが
加藤が入っちゃって、挙げ句に、TS熊山だろ もう話が進んじゃった
これを出してもらってるからと、我慢できるようにかな」
美人4人に囲まれてセンチュリーのリヤシートに押し込まれる加藤
どうやら、TS熊山に電話してるみたいだ
「お前、また雰囲気変わったな 凄え落ち着いて見える
日曜日とは別人だぞ」と佐々木
「男子3日会わずば別人と思え 島根で妖怪と会って修行してきた」
「それが、信じれる勢いで変わってるわ」
センチュリーから加藤が戻ってきて、
TS熊山の人が現車確認したいから、水曜日の夜空いてるかって
空いてると答えると、再びセンチュリーのリアシートに戻っていく
「では、来週の会長達への呼び出しは無いという事でよろしいですか」と坂井さん
「俺からはね、向こうが押し込ん来そうになったら
再来週までまっててねと おっさんが言ってたと 伝てね」
「解りました、他の4人にも伝えておきます」
加藤が戻ってきて
「俺も付き合うことになったわ」という
「それは、キレイなお姉さんが4人も来るからと言う意味か」と佐々木
「正解」
「それでは、失礼します」
6人のキレイなお姉さんたちはセンチュリーで去っていく
「さて、峠行くかぁ」とおっさん
「ちょっと待て、誰? あのキレイなお姉さんたちは」と佐々木
極秘の赤いハンコの押してある紙を取り出し、見せながら順に説明していくおっさん
決済印に宮崎の隣に山崎の名前が2つある
しかも、各会社の所にも各会社の社印と会長印が押してある
神田がまた倒れそうになりながら、昨日の電話の件か と
「そう、月曜日の予定だったんだが」
「会長秘書ともなるとキレイだなぁ」と加藤
「仕事も出来るだろうなぁ、加藤案を即採用する決断力も有ったし」とは佐々木
「あのさぁ、極秘印が有って、決済が会長の連絡一覧表をさぁ
普通に見せてるけど大丈夫なんか」と神田
「こいつらならええやろ、加藤なんかこっそり名刺貰ってたし」とおっさん
「見られてた!!」
「つか見とけ、妖怪爺の名前と連絡先の一覧だ
良平さんと絡んで、イナゴに付き合うなら、出てくる妖怪爺だ」
うん、紙袋の中になんか残ってる?何かと出してみると同じもの
全部がキチンと印鑑で押してある 原本だな
しかも、会長の方の割り印まで入ってる
きっとこれ作って、各会社廻って印鑑貰ってで夕方まで掛かったんだ
ほれ、加藤 佐々木 栗原 神田 良平さん これで5部で、全部だな と配る
「こんなモン貰ったて、使い道がないし」と神田
「自分とこの社長と会長と常務の直電くらいは知っとけよ」と栗原が言う
「紛失だけはするなよ 捨てる時は燃やしてな」とおっさん
じゃ、峠行こう と準備を始める
下のドライブインで一回休憩
で、つるんで加藤がひっぱって下見
5割 6割 7割 と上げていく
その後の単独走行
スタートは3分間間隔 おっさんが旗振り
全員が揃うまで待つ
峠の向こう側はお寺さんまで行きそこの駐車場て待機
追い上げは昨日も走ってるおっさん
加藤 佐々木 栗原 神田 良平さん おっさんの順で
追い越しはなし、追いついたら煽るな
続い、昨日走ってる、おっさんから最新の情報展開
スタートとフィニッシュはラインを引いておいたとおっさん
昨日の下見で、道路にスプレー缶で線を引いていたりする
「えええ、峠を走るって、こんなにミーティングから始まるんですか
パパっと行って、即走るのかとばかり」
「それだと速くなれないんですよ
ホントなら14kmを原チャか歩いて下見したいくらいですよ」と加藤がいう
「先日のミニジムカーナでも思いましたがなんか次元が違う」
「これを普通と思って下さい」
今宵も深けてまいりました
今夜は此の辺で
今だと、ggrアースとかでみて、峠全体も部分も視覚で見れるのですが
そんな便利なものはない時代 1/25000の地図見て、ホントに昼間に歩いて、地図と確認して
イメージ創って夜走る だったんですよね
これのいい所は傾斜 特に下りの傾斜が重要 見ておかないと止まれず刺さる
ダートだと一瞬で、終わる 先輩は一瞬で消えて横転してゴロンゴロンと下まで行きましたね




