第百十八夜 すげぇな、お前の19の妾
午後になり、ひろ子さんと美香ちゃんで式の衣装合わせに出かけて行った
美香ちゃんのは流石に誂えは厳しく貸し衣装
それでも厳しいがひろ子さんが、頑張って揃えてくれてる
神田の茶を、圭子ちゃんと生田美里ちゃんと脇田の四人で頂く
「検分のときも思ったけど柔らかくなったなぁ」とおっさん
脇田と圭子ちゃんは「美味しいです」慣れた感じ
「神田さんの茶、自由がある」と生田美里ちゃん
神田、おっさん、圭子ちゃん、脇田 グッと姿勢を正す
美里ちゃん、スッと姿勢を正す
薬師様ご来臨 しかもかなりのお怒りだがなんか変
「おや、美香ちゃんが居ませんが、おっさん代理で受け取りなさい」
と四枚の紙を渡してくる
四人で受け取って「ありがとうございます」言って書面を見る
大日様単独 おっさんと神田 目眩で倒れそうでよく見れない
脇田と圭子ちゃんは
「なんか凄いお墨付きだけど 大日が認めちゃう だって ハンコもある」
と笑ってる が おっさんたちそれどころでなく聞こえない
それは、大日様単独のお墨付き 薬師様も無し
「いきなり呼ばれて、渡して欲しい
どういうことですか」と薬師様
摩利支天は逃げていない
おっさんと神田 肚決めて 「大日様のみ心です」と言い切る
「検分もなしでのお墨付きが み心と」と薬師様
もう絶対攻め込まれての説教は嫌なおっさん
「薬師様 正直に話したら説教はなしで握れますか」
「仕方がないですね」と薬師様
「俺は、全く気がつかず
直接教えを頂いた神田ですら解らずの仏様
客として並んだ、宮毘羅たちも解らず
摩利支天は逆らえず
俺は、大日様にハンコを押したいとの我儘を言われて
なら新規で大日様先頭 薬師様と続けてでやって下さい
とお願いしたのみ
以上」
「大日様の完全な抜け駆けですか」と薬師様
「俺も神田も摩利支天も逆らえずなので、見逃して下さい」とおっさん
「見れましたよ」と大日様も化現してくる
お「大日様、大日様先頭で連名でお願いしましたよね
もう勘弁して下さい」
大「でもね、書こうと思ったら
美香ちゃんへ
美香ちゃんのお茶
いいよね
大日が認めちゃう
大日如来のハンコ
これがカッコよかったのですよ カッコイイでしょ」
神田に確認してホントに 美香ちゃんへ となってるらしい
大日が認めちゃう って受け狙ってるだろ
そういや脇田も圭子ちゃんも書はそこそこ 笑ってた とおっさん
「薬師様 これに続いたらダメです
真っ当な ちゃんと氏名を入れたので
新規で薬師様先頭のを書かれた方が正しい道だと思います」
薬師様も怒ってて よく見てなかったのか、おっさんから手渡さた
美香ちゃんへ のお墨付きをよく見て
「これに続いてたら、どうなってました」とおっさんに尋ねる
「大日様とか摩利支天ならしょうがないで済みますが
薬師様は理性派、続いてたら天界でネタ、伝説の笑い者ですね」
神田が「大日様 トラップ掛けまくりです 勘弁して下さい」と直訴
大日様も「うんうん 神田くんも育って 嬉しく思います」
薬師様 大日様の二重三重のトラップに絡め取られて動けず
「うん楽しかった」と大日様が帰っていく
おっさんと神田 「勘弁して欲しい」と愚痴る
神田は圭子ちゃんの膝枕に倒れ込む
おっさん倒れ込む膝枕が居ない
薬師様 凍ったまま
「脇田 薬師様をご案内して、茶の一服を振るまえ」
「先輩 了解です 薬師様どうぞ」と幹事長室に連れて行く
「脇田が居てよかった いい後輩だ なんか奢ならないとな」
「それ、おれも少しは出すわ 例の書で5億くらい振り込みがあった」
「税金分もあるし、俺が出しておく 圭子ちゃんにとっとけ」
おっさんも神田も、疲れ果てて1時間近くヘタれて回復してきた頃
脇田と薬師様が、戻ってきた
「あれに続けと言われたら、続くしかなく笑いもの
単独で出して頂いても抜け駆け どっちも落とし穴」とため息の薬師様
「脇田 薬師様の評価は訊いたか」とおっさん
「薬師様 どうでした」と友達みたいに訊いてしまう
爆笑する薬師様
「もうおっさんの周りはこんなのばっか」
「いえ、摩利支天は薬師様の押しつけ」と反論するおっさん
「脇田くんは、大日様と摩利支天様の直弟子 仕方ないです」と神田も援護射撃
「そうです、そう言う笑いも大事ですよ」と大日様の声
薬師様「大日様のみ心有り難く」
「おっさん 他に内緒は? 正直におねがいしますよ」
「大日様が俺達五人 神田は済んでますが を検分したいと
良ければお墨付き ダメなら教えをしたいと」
もう、全部ゲロるおっさん
考え込む薬師様
おっさん、このまま、話が継続したらやってられない
おっさんも考えて、ピコーンと閃く
「薬師様 一筆お願いできませんか」
「なにをです」
「俺の式披露宴で貼り出す書を書いて下さいよ
俺、ひろ子さん、美香ちゃん 三人の結婚おめでとう って
キチンと氏名入れて真っ当なやつ 薬師様にしか出来ない
薬師様先頭でと日光様月光様 最新の大きなハンコ付きの書を
もう少数精鋭 式も披露宴も バシッ と張ります
神将や天王竜王では数ばかりで迫力が足りない
薬師様にしか出来ない がっちり正式なやつ
ハンコもそれが一番最初で それまでは小さいやつ」
薬師様にしか出来ない を二回も言って持ち上げる、おっさん
「俺のもお願いできませんか 薬師様のガッチリ正式版」と神田
「俺達、結婚前からの妾持ち でも薬師様の公認だしな」とおっさんと神田
「書きますよ 大日が認めちゃう って うふふ楽しみ」と大日様の声
「大日様 ゴネないとは思いますが、比叡がゴネたら使います
基本、非公開で家に飾ります」とおっさん
「私の書のみが飾られる 書きます 来週持ってきます」と薬師様
薬師様も、元気を取り直して帰っていく
「この仏力は凄いけど お墨付の書き方、狙い澄ましてますよね」と脇田
「ああ、直撃で薬師様が撃沈した」へたり込むおっさん
「常務がへたり込むって、このお墨付きの仏様って凄いのですか」と圭子ちゃん
「大日如来様ってな究極の仏様だ」と返す
圭「そんな凄い仏様のお墨付き はいって貰いましたけどいいんですか」
お「気にしたら負け 仏様がくれる物はありがたく貰っておきな
お茶の教室に飾れば、解るやつは見て倒れる」
圭「三山のお墨付きも、仏様の署名入り」
「あれだって、解る人が見たら倒れる」と神田
とか話してたら 喜楽の若女将が押されながら入ってきた
後ろから、山栄の女将と敷島の女将
なんかこちらもご立腹のご様子
「脇田 栄子さんを連れて幹事長室へ行ってな」と逃がすおっさん
「神田は付き合え」と言ったら圭子ちゃんも残ってしまった
山栄の女将が口火を切る
「栄子さんの引きの強さは認めます
脇田くんは、最強の宿六 当代から見せびらかされた
三山どころか仏様に茶人の署名入りのお墨付き」
「こう言うのもあるけど」と大日様のお墨付きも見せる
倒れそうになる女将二人 倒れれば、送り返したのに
「それで、本題はなんですか」と神田
「神田さんの妾の圭子さん おっさんの妾の美香さん
お二人に山栄 敷島で茶道教室をお願いしたいのです
あの、お墨付きをバーンと飾ってのお稽古
もう、箔が付きまくり うちの茶室の使用料はいいです
週1回か2回 美香さん達がお稽古をつける
それと、定期的なお茶会もお願いできませんか
これだけで格が上がりますので」
「じゃぁさ、そっちで雇ってよ 仕事として受けた方がいい
お稽古の教室を作ろうと思ってたとこだし、山栄敷島なら文句ない」
と神田の逆提案
「額装して、茶室に飾りっぱなしでいい、どう」とおっさん
「それがお願いできいると」と山栄の女将
神「ちゃんと委託契約書作って、金額期間も明記して、スッキリする」
お「あまりになのは弾いてな 向上心があればいいけど
クソ生意気で看板だけ欲しいやつはダメ」
「そこは宿六が見極めますので」と女将達
神「なら、契約書の原案作って ね」
かなり納得した顔で帰っていく女将二人
「流石幹事長、簡単にケリをつけてくれた」
「まぁな、契約書もなしでお願いはない
まず、契約の原案 それから交渉だ」
「助かったわ、これ以上揉め事はいらん」
脇田と栄子さんが揃って常務室に入って来たので
「栄子さん 悪いね おかしな先輩がおかしなトコまで連れてく
先に謝っておく」とおっさん
「その件、おれもカンでるから、先に謝罪しておくわ」と神田
「いえ、最強の宿六になりましたので、こちらがお礼を」と栄子さん
「それがねぇ、まだ先に行くんだわ
付いてこいよ脇田」と神田とおっさん
「はい」元気の良い返事をして、栄子さんと帰っていく脇田
圭子ちゃんと三人になり
お「俺達は高槻先輩ほど強くない
嫁と妾が同じ会社は辛い
自営業になるけど、一人でも食っていけるようにの
バックアップは万全にする 妾を囲う基本だ」
圭「別れる前提ですか」
お「こっちからは切るつもりはない でも美香ちゃんが
心変わりした時にちゃんとやっていけるようにはしておきたい
後、こっちがやらかして金が出せなくなったりした時にも
自立してやっていけるように店をもたせるんだよ
一条の爺も言ってたよね 小料理屋で自立して貰うって」
神「囲うんだ、圭子ちゃんの人生に責任がある
幸い、圭子ちゃんも美香ちゃんも、お茶の先生が出来る
後は着付けも出来るから、着付け師の資格をとったり
お華もどっかの家元脅して師範にして、と忙しいよ」
お「おい、なんだその家元脅してってw」
神「摩利支天様も華がいけるから、やらせて薬師様に見てもらって
お墨付きを出してもらって、素知らぬ顔して送り込んで
これで、師範もらえませんか ってw」
お「完全に脅迫じゃねえか 俺よりあくどい
華なんか宗家名乗っちまえば勝ちだ
薬師様達のお墨付きで 圭子流 美香流 でいい」
「私の出番は」と大日様
「はい、お願いします」と思いっきり投げる二人
「うふふ 楽しみです」と帰っていく
「薬師様より心臓に悪い」とおっさん
「自由度合いで行くと、摩利支天様に並ぶな」と神田
圭「仏様の全面バックアップ すごい」
神「それも大日様まで来てるからな 最強だよ」
「地蔵様 薬師様を 薬師様 ご来臨を」と叫ぶおっさん
「また直ぐとは、どうしました」と薬師様
おっさん、今しがたの話を薬師様にカクカクシカジカと報告
「薬師様 いきなりの大日様は困りすぎです
理性派の薬師様のお知恵で何とかなりませんか」
とお願いするおっさん
「そうは言っても大日様なので」と腰が引ける薬師様
「でも、大日様と直で話をして、後で薬師様の説教は嫌です」
と筋を通すおっさん
「そうですよね、中間管理職が上下を押さえないと両方困ります」
と圭子ちゃんが言っていってしまう
おっさんも神田も呆然 薬師様を中間管理職扱い
「薬師様 頑張って大日様の暴走を押さえないと皆が困ります」
と続けての砲撃
「薬師様なら 出来ます」
それ、追い込み
薬師様も呆然
「薬師様って凄い仏様 きっと出来ます 信じてます」
と更に追い込む圭子ちゃん
日光様 月光様が「頑張らせます」と引取り
薬師様を抱えて帰っていく
「すげぇな、お前の19の妾」とおっさん
「ああ、すげぇわ」と神田
「すこし、薬師の言うことをきくようにしますね」と大日様
それが既にダメだって事を理解してくれ、と神田とおっさん
でも「はい、お願いします」としか返せない
「少しおとなしくお願いします、薬師様が可愛そうです」と圭子ちゃん
「うふふ、理解りました」と返っていく大日様
「自由度合いだと摩利支天を超えてる」とおっさん
「大日様とか摩利支天様を見てると、お前が理性的に見える」と神田
「しかしお前の19の妾 凄えな 大日様に意見したぞ」とおっさん
「大事にする」と神田
「大事にされます」と圭子ちゃん
今宵も深けたよう




