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第十夜 どうも俺妖怪らしいんで

おっさん、三爺の相手を安来でしていながら

山崎さんのことが気になって電話します


そして本格的に妖怪になっていきます

ホテルに付いた三爺とおっさん達

チェックインが意外と手間取る

普段はお付きの秘書にやらせていることがバレバレな三爺


「どなたか良平さんの電話番号を知りませんか?」とおっさん

「肩書入りの名刺を断ったんじゃったな

 ちょっと待ってくれ」 と電話しだす剣崎さん

「で、良平さんの謝罪行脚は完了したんですか」

「儂らが、急遽こっちきたので、まだ受けておらん」

「それ、チャラに出来ませんか、元凶を見たってことで」


と、オーラ中のつもりが、昼前の全開より過激な状態になってるおっさん

「判った、チャラにする」

「おっさん、今の何?」と伊藤社長が訊いてくる

「あ、社長にも見えました? どうも俺妖怪らしいんで」

「妖怪らしいんで っておっさん」

「1147号室のおっさん様 お電話です」

「もしもし、おっさんです」

「山崎良平です、なにか急用でも」

「いや、今、三爺が目の前に居ましてね、謝罪行脚はチャラでいいって」

「え、なんで」

「元凶を見たから、納得したと」

「そうですか、おっさんが説得してくれたんですね」


「で、貸し一なんですが」

「はい?」

「来週末の、山崎の重鎮の料亭での宴席 出てくれませんか」

「それは、爺さんからの依頼事項って事ですか

 おっさんが受けた と」

「まぁ、綺麗どころ揃えられてはね 私も後ろで座りますから

 但し、飯と酒は盆に乗せて出して下さいね 腹が減ると荒れるんで」

「爺さんが頼み、おっさんが受けた それなりの理があっての事ですね」

「そう思って頂いて、結構です」


「解りました、出席の件と料理and酒の件 両方受けました」

「それでは、今週末は峠ですが、今伝えておきますね

 土曜の夜6時に、うちの会社の寮の前に集合です

 6kmの登りっぱなしの峠です、下りは絶対に踏まないでくださいね

 何回か加藤の引張での完熟 最後は3分おきのスタートでやります

 置いてかれるハズですが、無理はしないように

 うちは社内に寮がありますので、お父様が場所は知って見えるので

 お聞き下さい」

「それは楽しみです、お願いします」


と電話を切ると、剣崎さんが

「来週末の宴席って山崎の宴席だろ そこに良平君が出るのか」

「今の電話で、出ることが決まりました、チャラにして頂いての貸し一で」

「我々が、どんなに誘っても来なかった良平君がな」

「若造の人徳ってことで」

「それ、女将にも言ったらしいな」

「人徳は事実なんで」

「それを爺に言い切る、肚の座り具合に感心する」

「ありがとうございます」

「なんか違う気がするが」

「細かいことを気にしだすと禿げますよ」

と話を打ち切るおっさん


「さて、三爺の皆さん、ここのホテル、温泉があって露天風呂があるんですよ

 裸の付き合いで入りませんか」

「それは、おっさんのお誘い と言うことか」

「そうです」

「なら、温泉に行く 弓月も一条もな」

「では、今15時ちょうど、15時30分で入り口で」

と仕切るおっさん


温泉の露天風呂に入る4人

憔悴しきった一条さんと弓月さん なんとか生気を保ってる剣崎さん

「どうしてですかねぇ、良平さんは普通にしてますが」

「肚の座り具合も妖怪並みだわ」

「五爺はどうしても私を妖怪にしたいらしい」

「一つ訊きたいが、川崎が訪ねた時は今ほどの」

言い終わる前におっさんが被せる

「昨日・今日の安来に来てですよ、一気に来ました

 肚は元から座ってると言われてましたが

 それでは、お先にあがらせて頂きますね

 ごゆっくりしていって下さい」

「では、18時にロビーで待つので一献」

「はい、了解しました」


と出ていくおっさん

「ここに来て化け物になったと」

「川崎が会ったときでも妖怪と言っておったぞ」

「桁が違うわ」

「あれが後ろに控えて、覚醒した良平君が出るとなると」

「山崎の勢力地図が変わる」

「現社長はやらかして、おっさんを怒らせてる」

「いや、おっさんは勢力争いに興味はないだろう」

「そこは、飲み込むと」


「控えのお付きが、同じ料理かそれ以上をバクバク食って呑むんだ」

「やらかすやつが出ると」

「おっさんを見切れんやつがな」

「さっきの電話でも、腹が減ると荒れる とか地雷原並みだよ」

「またエライもんを」

「それでも良平君が可愛い山崎の精一杯の推しだろう」

「再来週の宴席に良平君もおっさんも来てくれる」

「こっちも肚据えていかないと」

「気のおけない、宴席が一気に地雷原」

「剣崎、今日の宴席で一個でも地雷を見つけてくれよ」

「判った、頑張ってはみるが、儂も地雷は踏みたくない」


さて18時5分前 ロビーでタバコを吸うおっさん

隣で伊藤社長が「で、今日も名刺交換なしで?」

「無しで、無いほうが気楽でしょ」

「そう言う人たちと思ったほうがいいと」

「そうですね」

「また、エライ事になったもだん」

「全ては、社長の月曜日の電話からですよ

 まぁ、明日で私は帰るんで 明日の昼からは平和になりますよ」

「自業自得ってやつ?」

「それでも、三崎工業さんへの社長の顔は立てたでしょ」


と、剣崎さんが現れる

座ったまま迎えるおっさん 立ち上がって迎える伊藤社長

おっさん、相手のオーラの反応で、

自分のオーラのコントロールが暴走気味なのだ

立ち座りでやらかしそうで、座ってる

「座ったままに迎えることに意味があると」

「そう思って頂けると」

地雷か と剣崎さん


なんとか、消しきっている状況のおっさん

会食を止めたいくらいだ

それくらい、暴走している

「会食を止めにしませんか」

「それも意味があると」

「ちょっと、抑えきれないかもなんで」

ブルっと震える剣崎さん

「せっかくの美味しい料理なんで、おっさんの好きなの並べたんだよ」

伊藤社長は純粋に心配してくれる

有り難いが、どうする

「行きますか、お腹が美味しい料理でいっぱいになれば」

と立ち上がるおっさん 一瞬オーラが出る

「冗談じゃない! これで抑えてると」

「そう、剣崎さんの為に必死で抑えてますよ」


妖怪とかのとかの話じゃない 完全に化け物の世界じゃないか


料理屋に着き、おっさんがささっと下座に座ったので

しかたなく上座に行く剣崎さん


「うん、こうでなくちゃ」とご満悦のおっさん

「最近上座にばかり座ることになって、気楽な下座がいいですね」

上座無理強いは地雷 と記憶する剣崎さん


「今日の仕切りは私がやります」と剣崎さんの宣言

「お願いします」とおっさん

仕切りは任せれれば任す方向


と一個ずつ、確認していく剣崎さん


ほぼほぼ料理も食べ終え、いい感じ酔ったおっさん

水物待になる

ちょっと気を抜いたおっさん

を、抑えきれてる このパワーに体が慣れてきたか


しかし、剣崎さんは微妙な表情

「今一瞬、鳥居が見えたのですが」と

「じゃお参りに行かないと、出雲も近いですし」

と、完全に他人事なおっさん

下手な事言って地雷だったら困る剣崎さん

「そうですね、明日は無理ですけど近々行ってみます」

と至極無難な返答となる

おっさんにとっても苦行だが、剣崎さんとっても鳥居が見えたりと

碌でもない一献となっている


この若造の地雷が何処にあるか不明で、それでも出てこられたら

相手をしないわけには行かなくて、と考えただけでも頭痛が痛い

しかし、味方に着けれたら・・・・魅力だ と思った瞬間

意識が鳥居を抜けて拝殿に持っていかれる


余計なことは考えるなと 警告か


おっさんは水物に夢中だが、意識の外で行われてるだろう警告

一気に疲れが出た

「それでは、此の辺で〆となります」

「ごちそうさまでした」

「はい、こちらこそ」

「おっさんにお願いが」

「なんです」


「伊藤鉄鋼の社長さんに、キチンと全部、そう全部です

 社長のアテンドの工数からガス代まで全部

 三崎工業さんに請求書を投げて頂くよう念押しを

 三崎工業さんに届けば、後はこちらで処理できますが

 伊藤鉄鋼さんで止められると、手の出しようがないので」

「あ、そうですね でも得意先の社長に請求書をなげろと

 若僧が念を押すのも」

「だれもおっさんの事を若僧なんて見てませんよ

 それこそ、余分な心配です」と言って、やばい地雷か

「まぁ、妖怪よりはいいですかww」と流す


会食も終わり、ホテルに戻どりロビーで

「伊藤社長、念押しがされましたよ、今回の経費、

 全部、社長の日当からガス代まで、

 そう全部キチンと三崎工業さんに投げてくれって

 絶対に被らないでくれって」

「そう言われても、おっさんが俺の顔立ててくれたし

 うちにもメリット大な話だし、

 それで全部を三崎工業さんに投げるのは」

「三崎工業さんが、中継点でその先があると思ってもらえば

 あの爺さん達が持ちます

 それで、念を押しをてくれと」

「おっさんが頼まれて、了承したんか

 なら、そうするわ、その辺の感覚っておっさん凄いからな」


と、おっさんが伊藤社長と話してる同時期に、

剣崎さんの部屋に集まった、三爺が話し込んでいた

電話が繋がりっぱなしになっていくる

その先には川崎の爺さん

「どうだ、地雷は判ったか」

「踏めん、あんなもん踏めるか 一瞬味方に着けたら

 とか考えたら鳥居から拝殿まで飛ばされたぞ」

「なんだそれ」

「体験してみるといい」

「断る」

電話から「儂が呑まれたと言った意味が判ったか」

「十二分にな、川崎が会ったときより更に化け物になってるぞ」


「まぁ、趣味趣向はある程度 座席は好きに選ばせるとか

 最初の一杯は注がせるとか、極普通の対応でいい

 水物の時は注意しとく、注意しても無駄だがな

 今日の昼が化け物だとすると、会食時は神か悪魔だ」

「そこまで行ってるのか」

「今は、本人は抑え込んでくれてるから、何処までかは正直判らん

 あんなのがポッと市井に出てきてあばれらたれ手が着けられん

 山崎が見つけて良平君という鈴を漬けてくれたから

 儂らも伝を持って会えて、良かったが

 あんなのがいきなり来たら、空港ロビーの比じゃないぞ」

「あの時ですらチビリかけたわ」

電話から

「お前ら、儂が呑まれた時に笑っとったが、今の気持ちを正直に言ってみろよ」

三爺が「正直すまんかった」とハモる


と、化け物すら通り越した(剣崎談)のおっさんとどう付き合うかを

密談する三爺であった



ホテルのごつい部屋の応接ルームに一人で佇むおっさん

一回、今の全開を入れてみるか

感覚が研ぎ澄まされていく 暗闇でも見えるし壁の向こうも見える

俯瞰しているようにも見えるし直視しているようにも見える


これで、峠走ったら、最強じゃん

加藤の71に25でついていけるかもしれん


よし、行ってみるか 全開


4つ隣の部屋に居た三爺が腰を抜かし失禁する

半径10kmにいた、感じれる人は感じたようだ

その感覚も解る


妖怪呼びを断ったが、これじゃ化け物じゃんかよ


と、化け物の自覚をしたおっさん

注意しとかんとな


化け物となったおっさんの夜も深けたようで

今宵は此の辺で

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