11:シルビアの覚悟
文字数を多くして書いていましたが、ちょっと厳しくなったので2000字程度で書いていこうと思います
いきなり変えてしまいましたが、文字数が少ない方が更新は楽になりますのでご了承ください
シルビアを連れて上級ダンジョンへと向かう
「ご、ご主人様…なぜ上級ダンジョンに…」
「俺の狩場は上級だからな」
「えぇ?!」
「さて行こう」
『召喚キマイラ、バイコーン×3』
「ひっ!き、キマイラとバイコーン!」
「ほら、こんなもんで驚いてたら身が持たないぞ」
「ですが…」
「さっさと行くぞ」
「はい…」
どんどん先に進んでいく
「ジェネラルが子供扱い…」
「よいしょ」
「あ、すみません私がやります」
「ああ、手伝ってくれ」
「はい」
バイコーンを三体召喚しているので、荷物を運ぶのは非常に楽だ
「本当にご主人様は強かったのですね」
「言っただろ、稼いでいると」
「本当に私は強くなれるのですか?」
「レベルを見てみろ」
「こ、これは!?」
「どうだ?」
「レベルが12も上がっています!」
「さすがに低レベルからだと上がるのも早いな」
「信じられません…」
「今日中に30までは上げるか」
「……」
「どうした?」
シルビアが黙ってしまったがそのまま進もう、どうせバイコーンに乗っているので関係がない
「やっぱりバイコーンはいいなぁ」
「ご主人様…」
「どうした?」
「レベルが30を超えました」
5時間ぐらい狩りを続けていたからな
「また時間もあるし、もう少し狩っていくか」
「分かりました」
昼までにシルビアのレベルが30を超えたので一旦地上へと戻り、食事をすることにした
ダンジョンに潜る時は朝の6時から潜っているので、まだ11時ぐらいだ
「おやっさんきたぞ」
「召喚師のお兄ちゃんか待ってたぞ」
「あ!待っていましたよ!」
角煮を頼んでからしばらく来るのが遅れてしまった
「うまいな」
「美味しいです」
「そうか、よかったよ」
「お兄さんがオーク肉を取ってきてくれたので、ようやくお客さんに出せるようになりました」
「そうか、良かったな」
「数日来なかったですが忘れてました?」
「そんなことはないぞ」
筆者のせいである
「ごちそうさん」
「美味しかったです」
一旦宿に戻る
「さて、どうだった?」
「ご主人様は凄かったです」
「どんな職業でも強くなれるのは分かったかな?」
「私でも強くなれるでしょうか?」
「当然だろう」
「分かりました。頑張ります」
「なら、午後もダンジョンに向かうぞ」
「はい!」
ようやく元気が出てきたようだな
上級中層からは罠が少量ながら出てくるらしい
盗賊がいれば、罠も怖くない
シルビアのレベルを早くあげて、上級の下層に行ければレベルも早く上がるし、稼ぎも多くなる
せっかくだからハズレ職の奴隷を集めて冒険者ギルドに嫌がらせをしてやろう
自分たちが必要ないと切り捨てた存在に先を行かれれば、メンツは完全に潰れるだろう
俺は意外と根に持つタイプなので、冒険者ギルドは絶対に許さない
教団の後ろ盾もあるし、冒険者ギルドには痛い思いをしてもらう必要があるだろう
午後からも上級ダンジョンに潜り、俺もレベルが上がった
シルビアは結局レベル38まで上がった
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シルビア
盗賊Lv38
体力1500
魔力800
スキル
罠察知Lv6 回避Lv5 短剣術Lv4
身体能力強化Lv4 隠密Lv4
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体力が低いので、敵の攻撃に当たらないようにしてみた
はっきり言って下手なタンクよりも継続戦闘能力は高い
なんで盗賊が弱いと言われているのかがはっきり言ってわからない
オークジェネラルなんて半端な戦士なら攻撃を受けただけで大怪我をする
だからこそ、教団から司祭の派遣を止められたら致命的になった
ゲームでよくある、回避タンクという発想がこの世界にはないのだろう
馬鹿みたいに火力を追求している下手くそなゲーマーじゃあるまいし、生身の体でダンジョンに潜っているのに、回避もできないなんて致命的だ
「援護はするから、ジェネラルと少し戦ってみろ」
「分かりました」
シルビアをジェネラルと戦わせてみるが、余裕で回避している
体力が続く限りは問題なく回避し続けるだろう
急所を狙えばジェネラルですら盗賊で簡単に倒している
「やりました!」
「ほらな、充分強くなれるだろう?」
「はい!」
「冒険者ギルドの見る目の無さには唖然とするな」
「私もギルドで働いていましたから、人のことは言えないでしょうが、ハズレ職なんてないのかもしれませんね」
「パーティーを役割はあるのだろうが、火力だけを追求してもバランスが良いとは言えない」
「そうですね」
「隙さえ作れば盗賊だって十分な火力は出せる」
「ご主人様の言っていた意味がわかりました」
では、戻るとしよう
「明日にはグレートウルフを討伐に行く」
「私はどうすれば?」
「バイコーンに乗れば大丈夫だろう」
「そうですね、お供します」
明日はついにグレートウルフとの戦いだ
準備万端整えたので問題はないはずだ
「私は自分が役に立たないと思っていましたが、本当は知らなかっただけなんですね」
「そうだな」
「受付嬢としてはどんな職業だとしても、導いてあげなければいけなかったのに…」
「……」
「だから、今度は自分が活躍することでハズレ職だとしても、戦えるんだとご主人様と一緒に示してみせます」
「いい覚悟だ」
「これからもよろしくお願いします」
再開して初めてシルビアの顔は本当の笑顔になった気がする