6話 ギルドへの加入
戦闘描写を書くのが難しい…………拙いですが温かい目で見て欲しいです。
巨大な火の鳥は取り敢えず岩の防壁で防ぐ。続いて風の鳥が飛んでくるのでそれを横から強風をぶつける事で乱し解除。水と岩、ついでに光魔法か? あれ。えーっと、光を防ぐ手段ねえ……水の壁をアフロディー側に斜めに倒して配置、水は岩の防壁を再度作り防御。岩は風の刃でボロボロにする。
そして飛んできた光は水により屈折し、あらぬ方向へ、すぐさま解除された。
「やるネ」
「そりゃどうも。結構必死なんだけどな」
「余裕そうだけど?」
「脳のキャパがオーバーしそうだよっと!」
風の刃を無数に飛ばすも全て防がれる。
そもそもレベルが違う。俺は防いで少しの反撃が限界だというのに、こいつは防御も攻撃も高レベルでこなせる。
そのまま次は大量の散弾……待て待て待て! 回避回避回避! 当たりそうなやつは相殺! 殺す気かコンニャロ!
「タイムアップだ」
そうこうしているうちに、1分が経過した。
つっかれたー! 軽く死を覚悟した事数10回! 大丈夫? 1分は60秒だぞ? なんで数秒に一回死にかけてるんだよ…………。
いい経験にはなったよ。うん。でもまあ召喚使われないだけまだマシだったか?
「お疲れ。はい、ポーション」
「いらん。自前のがある」
メイが渡して来たポーションを返し、自前のMPポーションを2本空にして全回復させる。
そしてそのまま街へ向かうことにした。
「え? 2本で全回復?」
「そう言えばNPCは俺たちプレイヤーの戦闘には何も言ってこないんだよな?」
メイが何か言っていたが、小声だったので恐らく独り言だろう。
「そうだよ。ただNPCを殺すと衛兵が捕縛にくる。その衛兵を殺すと次は複数の衛兵が、それをキルしてさらに報復に来たNPCをキルして、って繰り返すと街の兵士とか騎士が来て、領主を殺せる。すると流石に指名手配されるね」
うっそだろ。それがわかるって事はこいつやったことあるんじゃねえの? メイさん? あなたそんな事してるの?
「ちなみに私の入ってるギルドでやった」
「そのギルドの名前は?」
「ステラ」
「犯罪集団じゃねえか!」
マジかよマジかよ。よりにもよってこのゲームプレイヤー全員が犯罪者紛いの中で更に犯罪者してる集団の中に妹が混じってるだと!?
「お兄ちゃん、妹がそんなにひどいやつだと思ってなかったよ」
「いや最初の平原で毒薬キルしてた人に言われたくないです」
「ですよね〜」
「雑談してないで街に入らないか?」
「そうだネ〜、いつワタシの気が変わるか……」
「ウィンドクリエイト!」
ジャンプして足裏で風を生み出して街の門まで飛ぶ。
はい安全圏アナウンス! 逃げ!
「フツーに撃つ暇なかったネェ」
「それは何より」
「でもネ? それは悪手ダネ」
は? あれ? 衛兵が……
「不法侵入者だ! 捕らえろ!」
お? イベントか?
「ちなみに殺すのはあり?」
「ノープログラム! ワタシ達は歓迎するよ?」
つまり咎めないし、むしろやっちまえ。と
これが犯罪者集団か〜。性に合いそうだ。
「んじゃ、ちょっと街を相手にしますか」
まさか初っ端からこんな事になるとは……ま、衛兵は一瞬で片が付く。
「ウィンドクリエイト」
風の刃で首チョンパ。はい終わり。兜を被っていないからそうなる。
「いいねいいね! 私も参加する!」
「俺も、しばらくやってなかったしな」
異常者しかいねえ……普通街相手とかしたくないでしょ。
「楽しんでこそゲーム」
「んぁ? だれ……なんでお前もいるんだ?」
「ゲームしてる」
「あ、そう。あ、ここではキリュウな」
「アヤカ」
「安直ぅ」
「うるさい」
綾辻野戸華。俺の同級生だ。多分一番同期で仲良いんじゃないかな。クラスでは物静かな淡麗美人って感じだけど、割と感情豊かなやつだ。
このゲームやるって言ってたのは知ってたけどまさか妹とつるんで更に犯罪者ギルド所属だとは……あれ? ここで合流したってことは俺逃げても捕まってたんじゃね? まあいい!
「スタイル」
「後衛」
「じゃあ俺回避盾で」
「分かった」
打ち合わせ終了。んじゃ、行きますか。
俺は基本ソロで動く事を想定していた。だからステータスは素早さよりにしてある。その上状態異常をいくらでもぶち込める。衛兵に負ける要素がない。
その上一番息の合う奴がサポート。今は無敵だ!
正面の兵士の首を落としその風の刃を巡らせ一気に落として行く。
俺の死角になる位置から攻撃して来たやつもいたが、それはアヤカが処理してくれる。
そうこうしていると、兵士が全て首無しになった。他の奴らも首落としてるんだよなぁ。弱点判定の即死は便利だ。
「もう終わりか?」
「後」
もう少し後か。
「了解だ」
「聞いてた通りダネ」
何がだよ? と視線で問うと、どうやら俺とアヤカの関係は知っていたらしい。メイから聞いたそうだ。
まあ問題はないにしても取り敢えずメイは今度昼飯にナスマシマシの刑に処すとして、そろそろ問い詰めたいことがある。
「なあアヤカ? ちょっと来い」
「嫌」
「何言われるか分かってるよな?」
「知らない」
「この件に関してはリアルアタックもやぶさかではない」
「……………………ごめん」
「ほんとだよ」
本当、まさか嘘つかれるとは……何が受験勉強のせいでゲーム時間無いだ。ずっとやってたんじゃねえか。そもそも俺より頭いいこいつが俺の受けた学校が余裕じゃ無いわけない。俺も色々疲れてたのか。そんな事に気付けないとか。
「はぁ、これいつぐらいまで続く?」
「しばらく」
「メイ、具体的に」
「うーん……この間は1時間ぐらいしてこの街の軍隊が来たよ。で、それを撃退したら領主の館に侵入して皆殺しにして、王国から指名手配されて、国王を脅したら解除された」
なんで国王脅したら解除されるの? ていうか何脅してるんだよ。つまり王城侵入だろ? 余計賞金上がるんじゃないかなぁ?
「という事デ時間、アルヨネ?」
「まあそうだな」
「はいコレ」
ギルド招待。すなわち本格的に犯罪者集団に混じることが確定するわけだろ? こいつら街を水没させたことあるって聞いたんだけど? あと高レベル帯での虐殺とか。そんな集団の仲間入りか…………どーしよっかなぁ(棒)。
入るに決まってるんだよなぁ。普通にプレイするより絶対面白い!
「ようこそステラへ! 歓迎するヨ!」
「クランメンバー数……367!?」
「まあ皆好き勝手やってるがな」
「まあクランマスターが適当なロープレやってるもんなぁ」
「素ダヨ?」
はいはいそうですか。
にしてもやる事なくなったな。
「はぁ、暇だし調合するか」
「サブ?」
「そそ。んで、ついでで魔法もな」
「見る」
「いいぞー、パクるのもOK」
「太っ腹」
そりゃどうも。さて、土魔法で乳鉢乳棒を複数作成。水魔法で魔法水を包み込み、待機。乳鉢に毒草を入れて、っと。
そこからの手順は薬草と全く変わらない。すりつぶして溶け出させて毒薬ができたらガラス瓶に入れて……それを蒸留して、完成!
この作業をひたすらに続ける。これが最高に楽しい。そんな調子で時間が過ぎていった。
なんでこいつ戦場ど真ん中で調合始めてるんだ?