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Freedom Survive Online〜回避特化近接魔法使いの軌跡〜  作者: 海溝
1章 全ての始まり
22/34

22話 目立たないように変装しましょう

 

「行くにしても変装したい」

「なんで?」

「エリア攻略最優先だからな。いちいちプレイヤーに邪魔されるのは時間の無駄」


 こんな分かりやすい初心者装備のステラメンバー(犯罪者)、餌にしか見えないでしょ。

 いや、確かリンさんってトッププレイヤーなんだよな? 結構手の内曝したぞ。てことは下手に手は出されない? いやでもステラって恨まれてるから……やっぱり変装だな。アバターを変えられたら楽なんだが、そんな都合のいいシステムないしな。


「てことで新しい服を買います」

「コーディネートはボクに任せて! かっこよくしてあげる!」


 別にいいけど、どちらかというと能力値優先でよろしくね。かっこよさ二の次でいいから。

 いや、でも変装だから目立たないのが最優先か。じゃあ俺が選ぶか。


「だめ」

「なんでだよ」

「ボクが選びたい」


 なんでこいつこんなに引き下がらないの? というかなんというかデジャヴ。


「……なあ、女装はなしだぞ?」

「え?」


 やっぱりかぁ!! なんか野戸華(アヤカ)(メイ)が俺にさせようとする空気に近いものを感じたから聞いたがやっぱりそうかよ! ……いや待て、女装ってありか? ステラで男として活動するようにしたら女なら目立たない……。


「いや男装備で女装できる装備つくってる変人なんて、変人、なん、て……。アフロディーに連絡してみるか」


『いるヨー、会いタイ?』


 いるのか……、いるのかぁ…………。とりあえず会うって送っておこう。ていうかチャットでもこの文面なの演技(ロープレ)なの隠す気ねえだろ。落ち合い場所は、王都? なめてんのか、王都行くために装備欲しいんだろうが。は? 冗談? 死ね。


「反逆軍ファースティック本部、ステラ支部……どういう??」


 いやほんとどういう? どういう状況なんです? 位置情報が………あ、戻れと。




「来たネ」

「おう、偶然近かったからな。なんでかは知らないけど」

「ナンデだろうネェ」

「なんでだろうなぁ」


 はっはっは。で、この周辺は空き家のはずだったんだが、まさかそこまでの信頼を得てるの? こいつらが?

 集合場所、それは師匠の家周辺の空き家、の地下だった。まあ存在するのは知ってはいたが、プレイヤースペースだった? いやでも……まあいいか。いるってことは許可出てるってことだし。


「デ、変装ダッタヨネ」

「そそ、ちょうど髪はロングにしたし、アヤカとメイのお墨付きもあることだしな不本意だけど。不本意だけど」

「強調するネェ」

「女装が似合ってうれしい男子はぶっちゃけ少数だろ。いないとは言わないけど、少なくとも俺はうれしくない」

「だろうネ」


 で、その酔狂なプレイヤー(変人)さんが、その人?

 俺を見る目がもうニヤニヤして怖いんですけど。

 ていうかPN汝奏沙瀬流(じょそうさせる)は剛の者すぎる。


「ふーん、ほうほう、っはっはーん?」


 いやもう本当にね、勘弁してほしい。ほらぁ、ストレージ見分し始めた。……うわっ!


「トレードに出す服が多い! なんでこんなに女装用装備あるんだよ!」

「趣味。いいモデルだよ! 君! メイの言ってた通りだね!」

「あいつナス尽くしの刑にしてやろうか」

「スッゴイ嫌な刑ダネ」

「アフロディーも嫌いなのか? 俺もあんまし得意ではない」

「自爆技カナ?」


 嫌いではないけど好きでもない。食感とにおいがね。まあそれはどうでもいい、いらん情報を流しまくってる気がするメイの処遇とこの大量の女装用装備、しかも微妙に性能もいいし俺のステータスに合わせた装備条件……いや俺、ステの詳細言ってないはずなんですが。


「考えても仕方ない。んじゃあステータス的に……」

「それはダメ! 全部着て」


 ……知ってた。ハイハイ着ますよもう! 着ればいいんだろ着れば! どうせ拒否しても逃がしてくれねえんだろうしな!



「いいね、いいね! 可愛い系もかっこいい系も似合うとか神素材すぎる! というか髪長くしてるの狙ってる?」


 ハイハイそうですね。……2時間の拘束は聞いてねえよ。もう昼じゃねえか飯の時間だ。あと髪を長くしたのは狙ってないです気分です。


「なあ、そろそろ俺飯作らなきゃならないんだけど」

「あ、ごめんね、じゃあこの服全部あげるね」

「え? 全部?」


 いやさすがにそれはいらない。一着あればそれでいいし。


「私堪能しちゃって、大事な時間使わせちゃったから。それにいっぱいスクショもらったしゲヘヘ」

「うわぁ……悪用はするなよ?」

「大丈夫大丈夫、個人的に堪能するだけだから」


 うわぁ……それはそれで怖いな。まあさすがに実害が出れば俺というモデルもいなくなるのは分かるだろうし、目を瞑りますかね。


「で、ライル。どれがいい?」

「一番最初の」

「分かってますね。この子」


 よりにもよってかよ。ライルが選んだのはワンピースだ。シンプルなデザインで確かに動きやすいが、もうちょっとボーイッシュ的なの選べよ。いいけども。


「でも一番似合わないんじゃねえの? 確かに童顔気味とはいえそれほどでもないだろ」

「この顔を童顔で片づけたよこの人」

「自覚ないから……」


 おい、それは女っぽいってことか? 男にする評価としては最悪のものじゃない?

 というかそこの2人、さらっと意気投合してるんじゃない。ここにメイとアヤカが追加された日には……


「どうしたんです? いきなり震えて」

「いや、ちょっと恐怖が」

「?? あ、フレンド送りますね」

「おう」


 汝奏沙瀬流からのフレンド申請を承認する。これでいつでも呼び出されるわけだ。でも普通に装備自体は有益なの微妙な心境だな。


「あとこれはその子用ですね。スカーフです」


 ん? ペット装備かな? おお、AGI上昇効果か。いいね。それに他ステータスも上がる。そして何より水色なの分かってるね。


「ありがとな。じゃあ俺は一回落ちるわ」

「奥の部屋使っテイイヨ」

「さんきゅ」


 という事で昼飯をたべ



 ました。てことでログイン。


「行くぞーライル」

「はーい」


 そんじゃ、転移門を使ってサードリンへ飛ぶ。そしてすぐさま路地裏に入り、設定からステラのギルドマークを非表示に、そして装備を変更。髪も下ろすか。微妙に手首のアクセサリーとしてゴムも渡された(DEX補正付き)。シュシュもありだけどゴムの方が似合うとの事。分からんが。


 うーん、この状態ならいっそ口調も変えるか?


「あ、あ、あー」


 うん、高音は余裕で出る。というか未だ変声期というものに覚えがないんだよなぁ。ちょっと低くなったようなって思った事が一回だけあるけどまさかそんなわけないよね?


「ライル、私しばらくこの口調で行くから」

「おおー、かわいい!!」

「やめんか」


 おっと素の声が。まあこの評価なら問題ないでしょう。さあ、プレイヤーを狩りながら行こうか!



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